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第4章 北の鉱山街バーム
第37話 一触即発
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「痛えな!おい、どういうことだこれは。」
「お、おいシンジ。」
シンジ、おまえなんつー膨大な量の魔力を持ってるんだよ。スライム達と変わらないぐらいあるぞ。
「すいません、ミラノさん。」
「え、?」
「報酬取られたりとかならまだ我慢はできましたが、うちのスライムに手を出したやつは絶対に許すことはできない。」
目がやばい、さっきまでの冷静さが欠けて今にも殺すような、それこそドラゴンのような気迫さえ感じる。
「そんなことしていいのか?手を出したらどうなるかぐらいはわかるだろう。」
なんでおまえはわからないんだよ、この殺気が。いい加減気づいてくれ。
「それに20匹もいるうちの1匹だ、もらって何が悪い?別いい…ぐば!」
「黙れ!」
シンジが、シャルケの言葉を遮るように鋭い蹴りを顔面に入れたようだ。ようだ、と言うのは俺自身何が起こったのか見えなかったからだ。シャルケの傷が顔にあったのと、シンジが足を上げてるから判断できるが、全く見えなかった。
「な、なんだおまえのそのスピードは、おまえは弱者のスライムテイマーじゃ、、ねえのか、、」
「だからなんだ、」
シンジが歯をギリギリ言わせながらしゃべる。
「俺の怒りはこんなもんじゃないぞ。」
「ひっ!」
シャルケの顔はもう貴族という余裕などなくなり、青ざめてただただシンジを見上げている。
シンジはただ冷酷な目、顔でシャルケを見下ろす。
「ちっ!でやー!」
カキン!
「な、なんで……」
シャルケが振った剣をシンジは回し蹴り1発で折ってしまった。当たった場所は剣の峰の真ん中あたり、綺麗に折ってしまった。
「………」
「こ、この化け物め!どうせ人間の皮を被った魔物だろ!」
「だから?」
「へっ、、」
「だからなんだって聞いてるんだよ。俺が化け物だから何?魔物だからなに?そんなことは関係ない。おまえは俺の大切なスライムに手を出したんだ。」
もうシンジの殺気も、燃えるような怒りの赤色ではなく、冷酷非道で周りを凍らせそうな青色に変わっていた。
「もう話は終わりだ、おまえはこの地で沈むだけだ。」
「お、俺を殺してみろ!俺の父上が黙っていないぞ。すぐにおまえを殺しに来るぞ。」
「だったらそいつも殺すだけだ。簡単な話だろう。そんなことで俺を説得しても無駄だぞ。」
確かに今のシンジなら、やりかねない。それほど怒りに満ちている。もう俺たちじゃあ手をつけられない。
ガラゴロゴロゴロゴロ!!
洞窟が一部崩れた。おそらくシンジの殺気染みた魔力による破壊だろう。さっきのスライムが壊したのと同じ現象だが、スライムは能動的に壊したが、シンジは拡散した魔力で壊した、無意識にだ。つまり一つに集まった時の恐ろしさたるや、。
するとシャルケがこの隙に、
「ちっ、絶対後悔させてやるからな。このスライムテイマーめ。」
シャルケが来た道を急いで走って逃げた。逃げ足だけは速いやつだな。
「おい、待ちやが……!?」
シンジが逃げたシャルケを追いかけようとしたが、1匹のスライムが止める。
「ミニスラ……あ!?」
先ほど手を出されかけたスライムだ。小さな触手をめいいっぱい伸ばして、シンジを止める。それに反応したシンジは周り囲んでいるスライム達を見る。
「あ、、あ、。もう大丈夫だ。すまなかったみんな。お前ももう大丈夫か?」
シンジはさっきのスライムを両手で掴み、持ち上げて撫で始める。そのスライムはなぜか触手をゆらゆらと揺らしている。
「そうかそうか、もう大丈夫か、よかった。あ、ミラノさん達すいませんでした。こんな醜態を見せてしまった上勝手に手を出してしまい。」
「いや、俺たちは気にしてないぞ。それにテイムモンスターを了承なしで取ることは禁じられているからな、もう気にするな。」
「はい、ありがとうございます。」
なんとかシンジのスライム達のおかげで最悪の事態は抑えられたな。とりあえずあいつのことは置いておこう。俺らの仕事をしないとな。
~~~~~~~~
さっきのシンジの魔力によって破壊された壁からはさまざまな鉱石が出てきた。魔金鉱石は発掘するだけでいいのにシンジのスライム達は平気で仕分けする。
「なあ、魔金鉱石って加工難しいはずだよな。」
「ああ、本来なら特殊な設備の上、専門職が一個終わらせるのに30分かかる代物だぞ。」
目の前では、金色に光る魔金鉱石がひょいとスライムに取り込まれ、わずか30秒でポンと二つに分かれる。支給された特別製のツルハシも意味のない道具になってしまった。
しかもシンジはそんな様子を見て「本当にすごいねー!」と言うだけで声の調子や顔はどう見ても驚いてない。
「みんな焦らずゆっくりやってけばいいんだよ、『シンジ様の先ほどの勇姿を見て今我らスライム族は活気に満ち溢れており、最大限に発揮したいのです。』だって!?本当にさっきはごめんな。」
本当になにもわかってないのかな。
「ミラノ隊長、俺たちもやりますか?」
「あ、ああ。仕分けはともかく、発掘ぐらいなら手助けできるか。」
シンジの行動は本当にやばいな。さっきまであんな冷酷だったのが、今はスライムに対して温厚になってるし。これからのことを考えると胃が痛くなる。なんでミスリルがあるんだよ。
「お、おいシンジ。」
シンジ、おまえなんつー膨大な量の魔力を持ってるんだよ。スライム達と変わらないぐらいあるぞ。
「すいません、ミラノさん。」
「え、?」
「報酬取られたりとかならまだ我慢はできましたが、うちのスライムに手を出したやつは絶対に許すことはできない。」
目がやばい、さっきまでの冷静さが欠けて今にも殺すような、それこそドラゴンのような気迫さえ感じる。
「そんなことしていいのか?手を出したらどうなるかぐらいはわかるだろう。」
なんでおまえはわからないんだよ、この殺気が。いい加減気づいてくれ。
「それに20匹もいるうちの1匹だ、もらって何が悪い?別いい…ぐば!」
「黙れ!」
シンジが、シャルケの言葉を遮るように鋭い蹴りを顔面に入れたようだ。ようだ、と言うのは俺自身何が起こったのか見えなかったからだ。シャルケの傷が顔にあったのと、シンジが足を上げてるから判断できるが、全く見えなかった。
「な、なんだおまえのそのスピードは、おまえは弱者のスライムテイマーじゃ、、ねえのか、、」
「だからなんだ、」
シンジが歯をギリギリ言わせながらしゃべる。
「俺の怒りはこんなもんじゃないぞ。」
「ひっ!」
シャルケの顔はもう貴族という余裕などなくなり、青ざめてただただシンジを見上げている。
シンジはただ冷酷な目、顔でシャルケを見下ろす。
「ちっ!でやー!」
カキン!
「な、なんで……」
シャルケが振った剣をシンジは回し蹴り1発で折ってしまった。当たった場所は剣の峰の真ん中あたり、綺麗に折ってしまった。
「………」
「こ、この化け物め!どうせ人間の皮を被った魔物だろ!」
「だから?」
「へっ、、」
「だからなんだって聞いてるんだよ。俺が化け物だから何?魔物だからなに?そんなことは関係ない。おまえは俺の大切なスライムに手を出したんだ。」
もうシンジの殺気も、燃えるような怒りの赤色ではなく、冷酷非道で周りを凍らせそうな青色に変わっていた。
「もう話は終わりだ、おまえはこの地で沈むだけだ。」
「お、俺を殺してみろ!俺の父上が黙っていないぞ。すぐにおまえを殺しに来るぞ。」
「だったらそいつも殺すだけだ。簡単な話だろう。そんなことで俺を説得しても無駄だぞ。」
確かに今のシンジなら、やりかねない。それほど怒りに満ちている。もう俺たちじゃあ手をつけられない。
ガラゴロゴロゴロゴロ!!
洞窟が一部崩れた。おそらくシンジの殺気染みた魔力による破壊だろう。さっきのスライムが壊したのと同じ現象だが、スライムは能動的に壊したが、シンジは拡散した魔力で壊した、無意識にだ。つまり一つに集まった時の恐ろしさたるや、。
するとシャルケがこの隙に、
「ちっ、絶対後悔させてやるからな。このスライムテイマーめ。」
シャルケが来た道を急いで走って逃げた。逃げ足だけは速いやつだな。
「おい、待ちやが……!?」
シンジが逃げたシャルケを追いかけようとしたが、1匹のスライムが止める。
「ミニスラ……あ!?」
先ほど手を出されかけたスライムだ。小さな触手をめいいっぱい伸ばして、シンジを止める。それに反応したシンジは周り囲んでいるスライム達を見る。
「あ、、あ、。もう大丈夫だ。すまなかったみんな。お前ももう大丈夫か?」
シンジはさっきのスライムを両手で掴み、持ち上げて撫で始める。そのスライムはなぜか触手をゆらゆらと揺らしている。
「そうかそうか、もう大丈夫か、よかった。あ、ミラノさん達すいませんでした。こんな醜態を見せてしまった上勝手に手を出してしまい。」
「いや、俺たちは気にしてないぞ。それにテイムモンスターを了承なしで取ることは禁じられているからな、もう気にするな。」
「はい、ありがとうございます。」
なんとかシンジのスライム達のおかげで最悪の事態は抑えられたな。とりあえずあいつのことは置いておこう。俺らの仕事をしないとな。
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さっきのシンジの魔力によって破壊された壁からはさまざまな鉱石が出てきた。魔金鉱石は発掘するだけでいいのにシンジのスライム達は平気で仕分けする。
「なあ、魔金鉱石って加工難しいはずだよな。」
「ああ、本来なら特殊な設備の上、専門職が一個終わらせるのに30分かかる代物だぞ。」
目の前では、金色に光る魔金鉱石がひょいとスライムに取り込まれ、わずか30秒でポンと二つに分かれる。支給された特別製のツルハシも意味のない道具になってしまった。
しかもシンジはそんな様子を見て「本当にすごいねー!」と言うだけで声の調子や顔はどう見ても驚いてない。
「みんな焦らずゆっくりやってけばいいんだよ、『シンジ様の先ほどの勇姿を見て今我らスライム族は活気に満ち溢れており、最大限に発揮したいのです。』だって!?本当にさっきはごめんな。」
本当になにもわかってないのかな。
「ミラノ隊長、俺たちもやりますか?」
「あ、ああ。仕分けはともかく、発掘ぐらいなら手助けできるか。」
シンジの行動は本当にやばいな。さっきまであんな冷酷だったのが、今はスライムに対して温厚になってるし。これからのことを考えると胃が痛くなる。なんでミスリルがあるんだよ。
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