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第4章 北の鉱山街バーム
第35話 鉱山探索
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「はぁ、なんでこいつがいるんだ。」
「まぁ、シンジ、そう言うな。これも仕事の一つなんだからな。」
俺は洞窟の中で一つため息をつき、今回のクエストパーティーのミラノさんと話していた。
~~~~~~~~
「今日は何かいい仕事があるかなー、」
ふむふむ、森の仕事はやはり少ないな。鉱山街なだけあって、運搬業や発掘作業の方が多いかな。
「お、シンジじゃねえか。」
「あ、ジーさん。おはようございます。どうかしたんですか?」
「いや、実はこのクエストお前にぴったりじゃないかと思ってな。」
ジーさんが渡してきたクエストは[鉱石採集]だった。内容は魔金鉱石の発掘だった。
「魔金鉱石なら、それなりの場所でも見つけられるし、武器も新しく作るんだろ?ならこの探索はきっといいものになるはずだ。」
「成る程、みんなはそれでいいかな?」
アクア達に聞くと、OKと肯定するように震えた。特にテイロはかなりやる気に満ちてる。テイロの能力は建築が得意だと言ってたし、鉱石系もいけるのかな?まぁ、ミニスライムがこの場合強いか。
「それじゃあ、これ受けますね。」
「了解だ。あと、このクエストはお前以外にもう一組のパーティーがいるから、ちょっと呼んでくるから顔合わせしといてな。」
そう言ってジーさんは一旦離れる。しばらくすると、3人ほどの男の人を連れてやってきた。
「こいつらがお前と一緒にクエストをこなす[紅蓮の星]だ。こっちはシンジだ……って知ってるな。」
「はい、まさかドラゴンスレイヤーのシンジだとは思わなかったけど。よろしく。俺はリーダーのミラノだ。」
「ヒデロだ。」
「レイトだ。」
「俺はシンジ、こちらはうちのスライムです。」
俺とアクア、リーン、テイロ、そしてファイ達を筆頭に装備から元に戻ったミニスライム達は挨拶をした。
「本当にすげえな。こんなスライム見たことねえぜ。」
「例の話は本当だったんだな。」
「例の話?」
「ああ、シンジが宿屋で飯を作ったって話だよ。その時にスライム達が配膳しているって聞いたからにわかには信じられなかったが今のを見れば信じるしかないな。」
料理っていうと昨日のやつか。確かにだいぶ人が多かったからな。でも、スライム達が評価されてるってことだよな。アクア達も今の話を聞いて『どうどう?凄いでしょー!』と言わんばかりに跳ねてくるし。
「それなら話は早いです。うちのスライムをそこら辺のスライムと一緒にしないでくださいね。多分行動一つとっても驚くと思うんで。」
「ああ、今まさに驚いてるよ。なんでスライムに感情があるんだ。」
スライム達が俺にすり寄っている様子を見てすでにミラノさん達は驚いていた。
「それじゃあ、早速鉱山の方に行こ……」
ドシーーーン!
突然ドアが開いた。あ、このパターンは、
「ふはははははは、シャルケ参上だ。おい、だれか私の護衛をするものはいないか。」
やっぱり、現れたのはシャルケだ。でもあいつは一応皇子なんだろ?なんでここに来るんだ?
「お、ギルドマスターじゃないかー。実はなうちの父上が領主になるための修行だと言って私を鉱山に行かせるんだ。だから安全のためにもだれか私に護衛として派遣しろ。」
ここのトップのジーさんにあの口調。もうバカとかではすまなさそうだ。
「はーー、うーん、誰かいるかな………あ、」
ジーさんは一旦悩んだあと、突然気づいたように手を叩く。すると俺たちに向かって顔を向ける。ああ、そういうことですか。
~~~~~~~~
「しかし、ギルドマスターも見る目が落ちたものだ。崇高なる私のための護衛がまさかスライムテイマーだとは、ドラゴンを倒したというのも怪しい。」
そんなわけで、楽しく鉱山探索しようとしたらこうなってしまった。ジーさんもめんどくさい仕事を押し付けてくれたもんだ。ミラノさん達も嫌々やってるように見えるし。
「お、コボルトか、シンジ早速見せ…」
「ここは私が行こう、偉大なる皇子の第一歩だ。」
ミラノさんが言うのを防ぐようにシャルケが勝手にモンスターの方に飛びかかる。
「ふん!雑魚どもはこうなるのが一番だ。」
シャルケの剣技は酷いものだった。まず、剣の振り方が、闇雲に振ってるようにしか見えなかった。コボルトはそこまで頭が良くないモンスターだから倒せれたのだが。それに、普通なら解体や素材回収の為に貴重な部位はなるべく傷つけずに倒すのが鉄板なのだが、シャルケはストレス発散のようにコボルトを切りまくった。
「これじゃあ回収のしようがないじゃねえか。」
ミラノさんは無残な姿になってしまったコボルトを見て悩んでいる。それもそのはず、顔以外はぐちゃぐちゃになってる。内臓も一部飛び出て見える。
「ああ、うちのスライムが多分してくれるので少し待っててください。」
アクアに頼む「キュー♪」と言ってぴょんぴょん跳ねて死体の方に駆け寄る。ミニスラが増えてからはこの光景を見なかったから久々だな。ミラノさん達はその光景に目を点にして見ている。
「ほう、」
シャルケはシンジにバレないように不敵な笑いを一つとる。
アクアが完全に終わるとコボルトの素材を出してくれる。あんな姿からよく取れたなと思うぐらい素晴らしい解体をしてくれた。
「すげえ、こんな綺麗になるんだな、しかも魔石まで取れてるし。」
アクアはミラノさん達に褒められて嬉しそうに飛び跳ね、ドヤ顔しながら戻ってくる。
「こいつはもらっとくぜ。」
「あ!何を」
シャルケが突然やってきて、コボルトの魔石やほかの素材全てを取っていった。
「まぁ、シンジ、そう言うな。これも仕事の一つなんだからな。」
俺は洞窟の中で一つため息をつき、今回のクエストパーティーのミラノさんと話していた。
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「今日は何かいい仕事があるかなー、」
ふむふむ、森の仕事はやはり少ないな。鉱山街なだけあって、運搬業や発掘作業の方が多いかな。
「お、シンジじゃねえか。」
「あ、ジーさん。おはようございます。どうかしたんですか?」
「いや、実はこのクエストお前にぴったりじゃないかと思ってな。」
ジーさんが渡してきたクエストは[鉱石採集]だった。内容は魔金鉱石の発掘だった。
「魔金鉱石なら、それなりの場所でも見つけられるし、武器も新しく作るんだろ?ならこの探索はきっといいものになるはずだ。」
「成る程、みんなはそれでいいかな?」
アクア達に聞くと、OKと肯定するように震えた。特にテイロはかなりやる気に満ちてる。テイロの能力は建築が得意だと言ってたし、鉱石系もいけるのかな?まぁ、ミニスライムがこの場合強いか。
「それじゃあ、これ受けますね。」
「了解だ。あと、このクエストはお前以外にもう一組のパーティーがいるから、ちょっと呼んでくるから顔合わせしといてな。」
そう言ってジーさんは一旦離れる。しばらくすると、3人ほどの男の人を連れてやってきた。
「こいつらがお前と一緒にクエストをこなす[紅蓮の星]だ。こっちはシンジだ……って知ってるな。」
「はい、まさかドラゴンスレイヤーのシンジだとは思わなかったけど。よろしく。俺はリーダーのミラノだ。」
「ヒデロだ。」
「レイトだ。」
「俺はシンジ、こちらはうちのスライムです。」
俺とアクア、リーン、テイロ、そしてファイ達を筆頭に装備から元に戻ったミニスライム達は挨拶をした。
「本当にすげえな。こんなスライム見たことねえぜ。」
「例の話は本当だったんだな。」
「例の話?」
「ああ、シンジが宿屋で飯を作ったって話だよ。その時にスライム達が配膳しているって聞いたからにわかには信じられなかったが今のを見れば信じるしかないな。」
料理っていうと昨日のやつか。確かにだいぶ人が多かったからな。でも、スライム達が評価されてるってことだよな。アクア達も今の話を聞いて『どうどう?凄いでしょー!』と言わんばかりに跳ねてくるし。
「それなら話は早いです。うちのスライムをそこら辺のスライムと一緒にしないでくださいね。多分行動一つとっても驚くと思うんで。」
「ああ、今まさに驚いてるよ。なんでスライムに感情があるんだ。」
スライム達が俺にすり寄っている様子を見てすでにミラノさん達は驚いていた。
「それじゃあ、早速鉱山の方に行こ……」
ドシーーーン!
突然ドアが開いた。あ、このパターンは、
「ふはははははは、シャルケ参上だ。おい、だれか私の護衛をするものはいないか。」
やっぱり、現れたのはシャルケだ。でもあいつは一応皇子なんだろ?なんでここに来るんだ?
「お、ギルドマスターじゃないかー。実はなうちの父上が領主になるための修行だと言って私を鉱山に行かせるんだ。だから安全のためにもだれか私に護衛として派遣しろ。」
ここのトップのジーさんにあの口調。もうバカとかではすまなさそうだ。
「はーー、うーん、誰かいるかな………あ、」
ジーさんは一旦悩んだあと、突然気づいたように手を叩く。すると俺たちに向かって顔を向ける。ああ、そういうことですか。
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「しかし、ギルドマスターも見る目が落ちたものだ。崇高なる私のための護衛がまさかスライムテイマーだとは、ドラゴンを倒したというのも怪しい。」
そんなわけで、楽しく鉱山探索しようとしたらこうなってしまった。ジーさんもめんどくさい仕事を押し付けてくれたもんだ。ミラノさん達も嫌々やってるように見えるし。
「お、コボルトか、シンジ早速見せ…」
「ここは私が行こう、偉大なる皇子の第一歩だ。」
ミラノさんが言うのを防ぐようにシャルケが勝手にモンスターの方に飛びかかる。
「ふん!雑魚どもはこうなるのが一番だ。」
シャルケの剣技は酷いものだった。まず、剣の振り方が、闇雲に振ってるようにしか見えなかった。コボルトはそこまで頭が良くないモンスターだから倒せれたのだが。それに、普通なら解体や素材回収の為に貴重な部位はなるべく傷つけずに倒すのが鉄板なのだが、シャルケはストレス発散のようにコボルトを切りまくった。
「これじゃあ回収のしようがないじゃねえか。」
ミラノさんは無残な姿になってしまったコボルトを見て悩んでいる。それもそのはず、顔以外はぐちゃぐちゃになってる。内臓も一部飛び出て見える。
「ああ、うちのスライムが多分してくれるので少し待っててください。」
アクアに頼む「キュー♪」と言ってぴょんぴょん跳ねて死体の方に駆け寄る。ミニスラが増えてからはこの光景を見なかったから久々だな。ミラノさん達はその光景に目を点にして見ている。
「ほう、」
シャルケはシンジにバレないように不敵な笑いを一つとる。
アクアが完全に終わるとコボルトの素材を出してくれる。あんな姿からよく取れたなと思うぐらい素晴らしい解体をしてくれた。
「すげえ、こんな綺麗になるんだな、しかも魔石まで取れてるし。」
アクアはミラノさん達に褒められて嬉しそうに飛び跳ね、ドヤ顔しながら戻ってくる。
「こいつはもらっとくぜ。」
「あ!何を」
シャルケが突然やってきて、コボルトの魔石やほかの素材全てを取っていった。
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