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第3章 次の街へ編

第29話 最終局面

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 「うわ、火の玉も速くなってやがる。」

突然の火の玉に驚いた。今までならよそ見しても避けれるほど遅かったが、今のは警戒してもギリギリの速さだ。かなりまずいな。まだ、さっきの戦法が使えるので、周りを駆け回って隙を見つけて攻撃する。

 「ドロップキック」

ドラゴンの首元でジャンプして、ドロップキックを浴びせる。先ほどのラリアット同様体を大きく傾けるが、まだまだというところ。まだスピードは勝ってるので反撃はなんとか避けられる。すると、後ろにいたリーンがいきなり風魔法を放つ。

 「な、リーン何やってるんだ!?危ない『フレイムランス』」

慌てて顔に向けて火魔法を放つ。すると、腹部に向かっていた風魔法、顔に向かっていた火魔法がいきなり混ざり合った。そして大きな一つの魔法となってドラゴンめがけて放たれた。

 「どういうことな……ええ!?」

その大きな魔法は先ほどまで一切通らなかった腹部の方に強烈なダメージを与えた。それにドラゴンも叫ばずにはいられないほどだった。

 「どういうことだ。リーン何が起こった?」

俺は訳が分からなくなり、リーンに尋ねる。すると『恐らく私の風魔法とシンジ様の火魔法が合わさって合成魔法として発動したと思われます。』と腕を揺らして伝えてくれた。それによって威力が跳ね上がったためドラゴンにダメージが入ったようだ。
そういえば、某忍者漫画にも火と風は互いを助け合って威力を高めるってあったな。

 「よし、これなら勝機がみえてきた。アクア!あいつの牽制できるか?」

 「キュー!」

アクアにドラゴンを引きつけてもらう。先ほどまで恐怖でブルブル震えていたが、それも収まりいつもの元気いっぱいのアクアだ。早速飛び出していく。アクアも素早い。その上からだが小さいのでドラゴンはなかなか攻撃を当てることができてない。

 「アクアが引きつけているうちに、一気に魔法で仕留めるぞ、リーン。」

 「ピュー!」

俺とリーンは魔法を唱える。一気に倒すつもりで強力な魔法を唱える。ただこれには時間がかかる。だからアクアに引きつけてもらった。集中を切らさないように。

 「キュー!」

 「グ…グラー!」

アクアの方はぴょんぴょんと、ドラゴンの攻撃を避けてる。音だけだと間抜けに聞こえるが、スピードは並のスライムではない。ドラゴンもアクアの異常な速さに困惑気味だ。火の玉は水魔法で打ち消され、腕などの攻撃も次々と避けていく。とても厄介な存在になっている。

それにしても、さっきまでの様子が嘘みたいだな、2匹とも。なききっかけがあったのだろうか?

 「リーン!もうできるか?」

 「ピュー……ピュ!」

 「できたか!?よし、行くぞ。」

俺も魔法の準備が完了し、リーンも整ったようだ。

 「喰らえ!『バスターフレイム』」

 「ピュー!(『ヘビーウィンドカッター』)

二つの魔法を同時に放つ。すると、さっきと同様に互いに混ざり合い、大きな火ができた。元の火魔法と比べ物にならないくらい大きい。そして一気にドラゴンの胸元に突き刺さる。

 「グ!?グーーーーーアーー!」

ドラゴンの胸元には焦げ跡がついた。さっきまでは綺麗だったのが、黒焦げだ。それでもまだギリギリ耐えてる。俺は一気に走り込む。

 「これで終わりだ!!ネックブリーカー!」

ドラゴンの後ろの首元を掴み、魔力で一気に力を高めて、後ろにある丘に向かってネックブリーカーで首を叩きつける。

 「クギャー!グ……」

丘は完全に崩れて、ドラゴンも完全に倒れた。もう倒せただろう。鬼気迫るような魔力ももう感じられない。

 「はあ、はあ、なんとか、はぁ、倒せた。」

 「キュー!」「ピュー!」

 「うわっと、アクアにリーン、それにミニスラ達まで危ないよ。」

うちのスライム達が一斉に飛びついてきた。思わず尻餅ついてしまった。


 「ははは、けど、流石に疲れ…た…な、」

シンジは疲れて寝てしまった。今までで一番出力の高い魔法を放った上に、ネックブリーカーの時にドラゴンという巨体を動かすためにはとてつもない量の魔力が必要としていたため、魔力切れで疲れてしまったのだ。スキルによって多量の魔力をゲットしたものの、元々のパワーや、魔力の伝導の質もまだ悪かったので、無駄が出てしまったのだ。

倒れた様子を見て、リーンは『シンジ様を安全な木陰に避難させないさい。そして交代制常に警戒もしておきなさい。』とミニスライム達に指示を出す。そして、アクアはすでにドラゴンの元に来ていた。
解体作業を始めようとしたのだが、鱗は強度が高く、現時点では溶かし切れない。仕方なく首元を切っていく。

 「キュー?キュ!?」

首元を切って、血抜きをしようとドラゴンの血を吸収すると、突然アクアが光り出した。

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 「ウーーンよく寝た……え!?ここどこ!?」

起きたら小屋の中にいて、ベットの上に寝ていた。

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