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第2章 成長と訓練編

第19話 クマは繁殖するんですね

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周りにいるのは、子グマのようなモンスターだ。
数がかなり多い。多分30体いそうだな。

 「アクアとリーンは左と右にいる5体ずつ倒してくれ。残りは俺がやる。」

 「キュー!」「ピュー!」

アクアとリーンがそれぞれの場所に行って、引きつけてくれてる。

俺は前方にいる20体ぐらいと相手だ。

 「『フレイムランス』」

近く前に一度魔法である程度ばらけさせる。そしてクマの動きに合わせて居合斬り。すると一気に10体近くが俺を囲む。ならば。

 「くらえ!『フラッシュ』」

唱えると俺の指先から光が現れる。そしてその光をもろに浴びたクマは目を覆い苦しむ。

 「『ウインドカバー』、いけー!」

剣に風魔法を纏わせ、剣のリーチと切れ味をあげる。そして、その場で飛んで回し斬りをする。腹を斬ると、解体が少し厄介だからそこは避ける。

斬られたクマの後ろにいた光を浴びてないクマが襲いかかる。そいつらも斬っていくと、後ろから今までのクマより一際でかいのが来る。

恐らくリーダー格のクマだろう。爪もかなりでかい。背丈は2メートルはゆうに越してる。俺は剣をしまう。

 「面白い。なら素手で倒すかな。」

構えると、クマが一気に走り込んでくる。避けると後ろの大木がバキバキと一気に破壊される。

 「おー、あれには要注意だな。」

もう一度走り込んでくるが、速さは俺の方がかなり速い。ギリギリでかわし、腹部を思い切り蹴る。

 「グガ!」

クマが痛めた腹部を抑える。そのため構えれなくなり顔が空いたところにハイキック。巨体が一気に転がっていき、木にぶつかり完全に倒れた。

 「ふー、さてあっちはどうかな。」

アクアはいつも通り、溶解液を中心に戦っている。最近状態異常付きの溶解液も使えるようになったらしい。痺れているクマがいる。

リーンの方はっと、、、あれ?いつもと違って風魔法を使ってない。まぁ、使わなくてもふつうに倒せてるから大丈夫だけど。

2匹とも戦い終わって、吸収と解体作業に入る。終わると、ぴょんぴょんと跳ねて来る。

 「お疲れ様。リーン何かあった?珍しく魔法を使わなかったな。」

リーンに聞くと『実は先ほどの霊薬草の成長にかなり魔力を使い、あまり残ってなかったんです。』と、しょんぼりしながら腕をゆらゆらして伝える。

 「いや、別に気にしてないけど、結構魔力使うだなあれ。」

あんまり連発はできなさそうだな。あ、

 「大丈夫か?」

クマを倒した理由を思い出して、急いで駆けつける。

 「助けていただきありがとうございます。私はカイコガの長のシーンと申します。」

 「俺はシンジ、そしてアクアとリーンだ。」

 「キュー。」「ピュー。」

 「シンジ、アクア、リーン。あなた方のお陰で我ら一族、滅亡から逃れることができました。」

 「いえいえ、たまたまなので、そんなに気にすることは。」

 「ぜひあなた方にお礼がしたいです。この者達にあの品を。」

すると木の茂みから、1匹の蚕のような虫が出てくる。そして、糸玉を吐き出し、俺に渡してくる。

 「その糸は我ら一族の最も希少価値のある絹糸。売るもよし、加工するもよし、何かに使えるはずです。」

 「わかりました。」

カバンにしまおうとすると、

 「それはマジックバックですね。でしたら、」

女性は腕を伸ばし、俺のカバンに何かを入れた。

 「そのカバンには今の絹糸を無制限で入れました。こちら側が枯渇しない限り、そのカバンから取り出せます。」

試しにさっきの糸玉を想像して手を入れる。すると手に先ほどの糸玉が出てくる。しかし何に使おう。

すると、俺の手にある糸玉をリーンが取って、体に取り込む。

 「どうした、リーン。何かするのか?」

リーンは食べ物以外はあまり食べない。それでも糸玉を体に取り込むということは何かをするんだろう。

すると、リーンの体から一枚のハンカチが出てくる。

 「すごい肌触りだ。柔らかい。」

 「すごいですね。それはこの絹糸を使ったハンカチですね。」

 「ええ、こんないい物をありがとうございます。リーンもありがとうな。」

 「ピュ~♪」

リーンを撫でると嬉しいのかとんでもなく震える。撫でてると、シーンが突然倒れ出す。

 「どうしました!?」

 「実は、魔力がかなり無くなり、生命エネルギーも底をつき始めて。」

どうやら一族の主食の生態系が突然壊れ、食糧難になり、魔力が尽きかけたところで先ほどのモンスターに出くわし、滅亡しかけたそうだ。

 「うーーーん。あ、そうだ。シーンさんって俺らの食べ物って食べれます?」

 「はい、問題ありません。」

 「でしたら、ご一緒に食事をしましょう。」

実はさっきからアクアが俺の足元によって、足をスリスリとしている。これはお腹すいた合図だ。

 「そんな、いいんですか!?」

 「はい、多分量も問題ないです。」

というわけでカイコガ一族と食事会になりました。
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