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第2章 成長と訓練編

第15話 ゴブリン洞窟破壊と新たな出会い

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 「すみません!」 

ダンジョン攻略を終え、変動したステータスを見ながら歩いてたら、ある女性に声をかけられる。

 「どうしたんですか。」
 「実は娘がゴブリンにさらわれてしまい、ゴブリンの巣に連れてかれたんです。」
 「な、なんだって!?」
 「私には娘を助ける力がありません。どうかさらわれた娘を助けてくれませんか。」

女性の目が少し潤んでいる。すごい心配しているんだ。

 「キュー!キュ!」
 「アクア、助けだしたいか?」
 「キュー!」

どうやらアクアはやる気満々なようだ。なら俺も助けてあげるしかない。

 「わかりました。急いでゴブリンの巣に行って、娘さんを助けだします。」
 「ああ、冒険者さんありがとうございます。」
 「あなたは危ないですので、安全な場所でお待ちください。必ず助けだします。」

女性に案内され、ゴブリンの巣に行く。どうやらゴブリンの巣は洞窟だった。しかもダンジョンと違い常に暗かった。

仕方ないので、常時光魔法であたりを照らす。ゴブリンは暗視機能の付いている目らしい。うちのアクアも余裕で見えてる。

進んでいくと、いくつかの部屋が出て行く。5つはあるな。何があるかわからんから全て潰して行く。

 「アクア、この部屋から行くぞ。」
 「キュー!」

アクアも腕を上げ、やるぞ!と返事をする。

 「クギャア?ギャアー!!」

俺たちの突然の来訪に最初は戸惑い、驚いたご様子だ。俺とアクアは、ゴブリンたちが臨戦態勢に入る前にさっさと倒す。

 「キュー!(水弾スプラッシュ)」

アクアが水魔法で水の銃弾のような物を飛ばし、ゴブリンに当てている。的確にヘッドショットを決めるから顔が飛んでってエグい。しかもマシンガンのように飛んでる。

 「よし、この部屋は終わりだ。次行こう。」
 「キュ!」

この部屋を後にし次の部屋に向かう。

 「あれ、一体もいない。」

次の部屋に入ると、そこはもぬけの殻だった。何体かはいそうだったが。

 「キュー……キュ!キュー!」
 「ん、どうした、『この部屋にいたゴブリンはさっきの騒ぎが聴こえて奥の広間に逃げた』だって?なるほど。じゃあ他の部屋にもいないんだな。」
 「キュ!」

レベルが上がったからか、少しアクアの言ってることがなんとなくわかるようになってきた。まだ会話が出来るほどではないが。

部屋を通り過ぎて、奥の大広間に行くと大勢のゴブリンたちが俺たちを待ち構えてた。そして、大型のゴブリンの後ろには少女がいた。あの子が娘さんだな。

 「よし、アクア!一気に仕留めるぞ。」
 「キュー!!」

おそらく100は超える大勢のゴブリン達に突撃する。もうゴブリンは飽きるぐらい倒してきたんだ。
………やっぱ日本にいた時と性格変わったよな。モンスターに普通に突撃するって。

 「キュー♪」

アクアも喜んで倒しに行くし、俺たち結構ヤバイかな。と、こんなこと考えてる場合ではないな。

 「『フレイムアーマーブレード。 』」

火魔法を剣に纏わせ、火力を高める技だ。通常の斬撃ダメージと火の攻撃も合わさり、簡単に倒すことができる。

その後もトラースキックやヒザ蹴り、フランケンシュタイナーで簡単に倒していく。アクアも溶解液を飛ばしどんどん数を減らしていく。すると、大型ゴブリンが俺の元に現れる。

ただ多少知恵があるのか、むやみやたら飛びつきはしない。様子を伺いつつ近づいてる。2メートルないぐらいの大きさだ。この大きさならあの技が使いやすいかもな。

俺が走ってゴブリンに急接近するとゴブリンが殴りかかるが、それはしっかりはらって、飛びつき、右腕で首の裏側を掴み、ゴブリンの頭を地面に突き刺す。DDTだ。完全に突き刺さったゴブリンは倒れたままビクともしない。

 「よし、これで親玉も終わりだな。さて、アクアの方はどうかな……あ、もう終わってるのね。」

アクア側を見ると、ぴょんぴょんと跳ねている。そして俺の方に駆け寄る。

 「よし良くやった。それじゃあ、あとはここの掃除かな。」

ゴブリンの死骸がたくさんあり、血もかなり出ており臭いもひどい。ここはアクアに任せよう。

 「え!?アクア?どうしたんだ。」

アクアが突然四方八方に伸びて体を震わす。心配して駆け寄ると、アクアが腕を伸ばし俺を止める。するとドンドン勢いが高まり、ポン!という音が鳴った。

 「えー!?アクアが分裂した!?」

動きが止まると、アクアが二つに分かれた。すると2体ともぴょんぴょんと跳ねる。なんとなく左がアクアっていうのはわかる。

2体ともぴょんぴょんとゴブリンの方に行って、吸収、掃除をする。分裂は確か何か必要があるときに、本能的に行うはずだ。

 「アクア、掃除を早く終わらせるために分裂したのか?」
 「キュー!」

作業はすごいスピードで進んだ。血の跡の掃除も苦労することなくやれている。分裂したもう一体もアクアと変わらないスピードで作業をしている。

 「キュー!」
 「ピュー!」
 「2匹ともお疲れ。アクア、そして新しく増えた子もありがとうな。」

するとアクアが後ろに下がり、新しいスライムを腕を伸ばし俺の方に押す。なるほど。俺は新しいスライムを抱き上げる。

 「名前を決めないといけないな。そうだな……!
お前の名前は『リーン』だ」
 「ピュー!」
 「キュー!」
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