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第1章 異世界召喚
第10話 この世界のスライムと報復
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「どういうことですか?」
俺と肩に乗っているアクアが疑問に思う。肩に乗っているだけだと思うが。
「それじゃあまずは、スライムの生態について話そうか、シリア頼む。」
「はい。まずスライムは基本知性が極端に低いです。ほとんど本能で動いているといっていいでしょう。」
「それと、うちのアクアはどう違うんですか?」
「通常、テイマーがモンスターを使役した場合、多少の意思疎通を図ることはできます。しかし、それは高ランクのモンスターができる話で、ましてスライムができるわけがないのです。」
たしかに俺とアクアは意思疎通ができてる。だいたい話しかければ反応するしな。
「そして、スライムはテイムされても知性が低いというのはほとんど変わらないのです。ですので、スライムをテイムした場合、すぐに自身の手で持っていないと、どこかへいってしまうこともあるのです。」
「え、スライムってそういう風なんですか。」
「はい、ですので肩に乗っているというのは、自我がある上に、主人の命令にも従えるという表れ。異常であることに違いはありません。」
確かに俺のスキルのテイム(神)でアクアはかなり賢くなったらしいが、それでもそこまでスライム自体が知能が低いとは思わなかった。
「さてと、そこでさっきの件についてだ。まあ、うちのあの受付がすまねえな。」
「どういうことですか。」
「実はな、あいつは冒険者上がりじゃねえんだ。」
「ん?」
「ギルド委員ってのはな、俺やシリアのように元々は冒険者っていうのが多いのよ。だから普通に考えればスライムが抱きかかえられてないことがすでに異常事態だ。だが、あいつみたいな知識だけで来た奴には分からねえんだ。」
「それだけでなんですか?」
「それが大きい理由だが、他にはそのスライムからかなりすごい魔力が漂ってるな。」
え?アクアを見てみるが「キュ?」と、いつも通りの反応で、とてもそんな風には見えない。
「ああ、多分お前さんには見えてない。そしてお前さんをバカにしてる連中にも見えてない。まずお前さんが見えない理由は、主人だからだな。多分そのスライムはお前さんには見えないようにしてるな。そして、バカどもはまず感知ができてない。昨日担当した奴はちゃんと感知してたから気づいてたけどな。」
「昨日から見てたんですか。」
「いや、正確には来た時からだな。」
そんな早くから。
「さっき言った通り、肩にスライムが乗ってるだけでも話題になるさ。普通はな。だが、うちは高ランカーが少ねえからああなるんだ。」
それじゃあ、評判が悪いとか言ってた前の受付さんは、知ってたが、場所的に言わなかったのか。
「というわけで、お前さんを信用している理由がこれだ。ああ、お前さんが強いのも重々承知してるからな。」
「そうなんですか。」
「ああ、それでそこのスライムはあと何ができる。ああ、もちろん他人には言わない。」
「アクア、こう言ってるけどお前はいいか?
「キュ♪」
「大丈夫みたいです。うちのアクアが出来ることは解体と消化、あと洗浄ですかね。」
「 「解体!?」」
2人揃って驚いた。
「それは本当か?基本なんでも吸収するはずじゃ、」
「それじゃあ一度実演しますか。」
俺はオーク肉をアクアに渡す。そしてアクアは取り込み、しばらく体を動かし、そのあと体から切り下ろされた肉が出てくる。
「な、本当に解体しちまった。しかも血抜きまで完璧じゃねえか。」
「ええ、スライムの特性のなんでも吸収するのを使い、血だけを抜くことができるようです。」
「なるほどな。シリア、絶対にこのことを言うんじゃないぞ。」
「もちろんです、マスター。」
「どういうことですか。」
「お前さんは強いがまだGランクだ。このことを知られれば、他の冒険者に狙われる可能性は高いぞ。」
そういうことか。たしかに解体技術の低い人からすれば欲しいだろう。
「わかりました。早く強くなっていきたいと思います。」
「うん、その通りだ。それじゃあカウンターに戻って、清算するか。」
「はい。」
その後、カウンターに戻ったら、あの受付がこちらに走ってく来た。
「マスター、どうなりました。」
「ああ、すでに結論は出た。」
受付がギルドマスターの言葉を待っている。
「お前の完全な間違いだ。」
「な、なんででですか。おかしいでじゃないですか。スライムしかいないGランクがオーガを狩れるわけないじゃないですか。」
「それなら直接戦えばいいじゃないか。お前もEぐらいの実力はあるだろう。」
「はーー、わかりました。さっさとケリつける。」
すると、受付がこちらに一気に走り込む。おそらく俺を舐めてるから一直線に来るのだろう。適当にかわすか。
「な、(なぜ避けられた。しかも全然当たらない。)」
突進してから30発ぐらい殴りかかってきたが、遅かった。
ズゴ!
最後に膝で腹部に蹴りを入れた。すると女性は倒れこむ。
「さて、これがお前がバカにしてた冒険者だ。お前は今日限りで解雇だ。」
「な、そんな待ってくだ…」
「俺はな、スライムが肩に乗ってるのを見て見下すような受付はいらないんだよ。さぁ、早く出てけ。」
「く、」
受付はフラフラっと、奥の方に行ってしまった。
「さてと、それじゃあ報酬を渡しとかないとな。」
「はい。」
この日以降、俺をスライムテイマーとバカにする奴はほとんどいなくなった。どうやらバカにしてた奴らはあの受付に一度からんで倒された経験があったそうだ。
俺と肩に乗っているアクアが疑問に思う。肩に乗っているだけだと思うが。
「それじゃあまずは、スライムの生態について話そうか、シリア頼む。」
「はい。まずスライムは基本知性が極端に低いです。ほとんど本能で動いているといっていいでしょう。」
「それと、うちのアクアはどう違うんですか?」
「通常、テイマーがモンスターを使役した場合、多少の意思疎通を図ることはできます。しかし、それは高ランクのモンスターができる話で、ましてスライムができるわけがないのです。」
たしかに俺とアクアは意思疎通ができてる。だいたい話しかければ反応するしな。
「そして、スライムはテイムされても知性が低いというのはほとんど変わらないのです。ですので、スライムをテイムした場合、すぐに自身の手で持っていないと、どこかへいってしまうこともあるのです。」
「え、スライムってそういう風なんですか。」
「はい、ですので肩に乗っているというのは、自我がある上に、主人の命令にも従えるという表れ。異常であることに違いはありません。」
確かに俺のスキルのテイム(神)でアクアはかなり賢くなったらしいが、それでもそこまでスライム自体が知能が低いとは思わなかった。
「さてと、そこでさっきの件についてだ。まあ、うちのあの受付がすまねえな。」
「どういうことですか。」
「実はな、あいつは冒険者上がりじゃねえんだ。」
「ん?」
「ギルド委員ってのはな、俺やシリアのように元々は冒険者っていうのが多いのよ。だから普通に考えればスライムが抱きかかえられてないことがすでに異常事態だ。だが、あいつみたいな知識だけで来た奴には分からねえんだ。」
「それだけでなんですか?」
「それが大きい理由だが、他にはそのスライムからかなりすごい魔力が漂ってるな。」
え?アクアを見てみるが「キュ?」と、いつも通りの反応で、とてもそんな風には見えない。
「ああ、多分お前さんには見えてない。そしてお前さんをバカにしてる連中にも見えてない。まずお前さんが見えない理由は、主人だからだな。多分そのスライムはお前さんには見えないようにしてるな。そして、バカどもはまず感知ができてない。昨日担当した奴はちゃんと感知してたから気づいてたけどな。」
「昨日から見てたんですか。」
「いや、正確には来た時からだな。」
そんな早くから。
「さっき言った通り、肩にスライムが乗ってるだけでも話題になるさ。普通はな。だが、うちは高ランカーが少ねえからああなるんだ。」
それじゃあ、評判が悪いとか言ってた前の受付さんは、知ってたが、場所的に言わなかったのか。
「というわけで、お前さんを信用している理由がこれだ。ああ、お前さんが強いのも重々承知してるからな。」
「そうなんですか。」
「ああ、それでそこのスライムはあと何ができる。ああ、もちろん他人には言わない。」
「アクア、こう言ってるけどお前はいいか?
「キュ♪」
「大丈夫みたいです。うちのアクアが出来ることは解体と消化、あと洗浄ですかね。」
「 「解体!?」」
2人揃って驚いた。
「それは本当か?基本なんでも吸収するはずじゃ、」
「それじゃあ一度実演しますか。」
俺はオーク肉をアクアに渡す。そしてアクアは取り込み、しばらく体を動かし、そのあと体から切り下ろされた肉が出てくる。
「な、本当に解体しちまった。しかも血抜きまで完璧じゃねえか。」
「ええ、スライムの特性のなんでも吸収するのを使い、血だけを抜くことができるようです。」
「なるほどな。シリア、絶対にこのことを言うんじゃないぞ。」
「もちろんです、マスター。」
「どういうことですか。」
「お前さんは強いがまだGランクだ。このことを知られれば、他の冒険者に狙われる可能性は高いぞ。」
そういうことか。たしかに解体技術の低い人からすれば欲しいだろう。
「わかりました。早く強くなっていきたいと思います。」
「うん、その通りだ。それじゃあカウンターに戻って、清算するか。」
「はい。」
その後、カウンターに戻ったら、あの受付がこちらに走ってく来た。
「マスター、どうなりました。」
「ああ、すでに結論は出た。」
受付がギルドマスターの言葉を待っている。
「お前の完全な間違いだ。」
「な、なんででですか。おかしいでじゃないですか。スライムしかいないGランクがオーガを狩れるわけないじゃないですか。」
「それなら直接戦えばいいじゃないか。お前もEぐらいの実力はあるだろう。」
「はーー、わかりました。さっさとケリつける。」
すると、受付がこちらに一気に走り込む。おそらく俺を舐めてるから一直線に来るのだろう。適当にかわすか。
「な、(なぜ避けられた。しかも全然当たらない。)」
突進してから30発ぐらい殴りかかってきたが、遅かった。
ズゴ!
最後に膝で腹部に蹴りを入れた。すると女性は倒れこむ。
「さて、これがお前がバカにしてた冒険者だ。お前は今日限りで解雇だ。」
「な、そんな待ってくだ…」
「俺はな、スライムが肩に乗ってるのを見て見下すような受付はいらないんだよ。さぁ、早く出てけ。」
「く、」
受付はフラフラっと、奥の方に行ってしまった。
「さてと、それじゃあ報酬を渡しとかないとな。」
「はい。」
この日以降、俺をスライムテイマーとバカにする奴はほとんどいなくなった。どうやらバカにしてた奴らはあの受付に一度からんで倒された経験があったそうだ。
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