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第15話 出会いに感謝
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「うーーん、おはようスーちゃん。いつも起こしてくれてありがとね。」
エルの朝はスーちゃんがプルプルと体を震わせて起こされる。スーちゃんベッドはあまりの気持ち良さを持ち起こさなければ永遠に寝てしまうかもしれないぐらいに。
「ピイ!」
「ん、、ハッピーもおはよ。よしよし、」
「ピイー♪」
ハッピーへなでなでするのも毎朝の日課になってる。朝は寝癖がひどくハッピーの羽毛もそれなりに跳ねている。エルは気づいてないが魔力のこもった手で撫でることでワックスに似た作用が起きて一回で寝癖が治るのだろう。
「ピイ!」
「うんうん、寝癖も治ったね。うお、スーちゃん?あー、俺にも寝癖があったのかー。ありがとう。」
スーちゃんはエルとハッピーを見守りながらもエルの寝癖を触手を伸ばして治していた。そして1匹のミニスーちゃんがぴょんぴょんとやってきて『お食事の準備ができました!』と触手を使って伝える。
「朝ごはんできたのか。いつも報告ありがとうね。」
エルはよしよしと伝令役のミニスーちゃんを持ち上げて撫でる。ミニスーちゃんは喜んでいて触手を暴れるように動かす。
「あ、エルフさん達も来てるんだ。」
「あ、エルさん。おはようございます。実は私たちだけで食事をしていたんですが、昨日ハッピーちゃんから一緒に食べようとお誘いいただいて。」
「え!?そうだったの。ハッピー偉いね。」
「ピイー!」
ハッピーはスーちゃんと違い割と自由行動が多い。時には森の中へ行き、時には地下室、時にはエルフさん達の元にも行く。その時に誘ったのだ。
「ここの料理は美味しいですからね。」
「そうなんだよね。野菜とかお肉とか素材から美味しいんだよね。」
エルは故郷の味と比較するが前の味が劣ることは仕方がないことだったのだ。魔力のこもった土に魔力水で育てた野菜は格段に美味しくなっており、肉に関しても国に出回る肉は全てただの動物が多く、味がより美味しい魔物肉はなかなか食べられないからであった。
森の魔物肉は現在ではスーちゃんの管理下で一定の期間で狩が行われていた。理由は生態系の保全とエルの見えないところで狩るのが目的だった。エルはコカトリスを食べることを時々躊躇することがある。それに気づいたスーちゃんはなるべく制限している。
「ところでエルさんはなぜここにいるのですか?」
「あー、実は国からの派遣?みたいな形でここ一帯を任されたんだよ。多分追い出されたのかもしれないけどさー。」
「い、いえ。そ、そんなことはないんじゃないでしょうか?」
「そう、まあ今はスーちゃんとハッピーに出会って、他のみんなにも出会えたからいいんだけど。」
エレルは焦りながら答えた。この森はどんな種族であっても近づくことはタブーに近いものだった。まさに死にに行くような行為なのだ。彼が国から派遣されたとなれば、そういうことなのだ。
エルがこうして平和に暮らせるのも彼の魔力、そして最初にあったのがスライムのスーちゃだったからだ。一般人では1時間でこの世を去ることになる。
「それでもエルさんがいなければわたし達は生き延びれかったかもしれません。」
「そう言ってくれるとありがたいよ。」
エルはふと思い出した、最初の頃を。あの時は一面木しかなく、とてもじゃないが人が住むにはありえない場所だった。しかしいろんな出会いで今では村ぐらいに発展しつつある。
「ピイー!」
「畑行きたいの?わかったよ。エレル、俺たちはもう行くね。」
エルは食器を片付けてハッピーと一緒に畑に向かった。ハッピーは意外と畑作業とかが好きでよく手伝っている。
「あ、畑ミニスーちゃん頑張ってるね。いつも美味しい野菜をありがとうね。」
畑に着くと、そこでは畑ミニスーちゃんが器用に触手を使って鍬で耕したり、触手に溶解液を纏わせて刈り取ってた。エルに気づくと、作業を中断してエルの元にぴょんぴょんと近づく。
「すごいさらに増えてるね、ここには何匹いるの?」
当初5匹程度しかいなかった畑に今では20匹はいる光景に驚き数を聞く。1匹のミニスーちゃんが27匹いて畑1つに9匹ずつの配置になっているとエルに伝える。
「そっかー、畑もかなり発展してきてるね。いろんな野菜が増えてきてるね。」
広さだけでなく質も向上しており、最初以上に作物の種類が増えていた。この原因はハッピーが面白そうな木のみや種を見つけてスーちゃんに判断してもらい植えているからだ。その結果野菜だけにとどまらず穀物も増えてきている。
「ハッピー森に行くのはいいけど、あんまりいると危ないよ。」
「ピイ……」
「ああ、怒ってるんじゃないよ。ただ心配なんだよ。せっかく出会ったのにここで離れ離れになったら嫌じゃないか。」
「ピイ!ピイー♪」
エルがしょんぼりとするハッピーを見て慌てて言い直すとハッピーはパアッと顔を上げてスリスリと頭を擦り始めた。
「でもなんか刺激があるといいなー。」
「おーーい、だれか、、、だれカーーー!!」
エルの朝はスーちゃんがプルプルと体を震わせて起こされる。スーちゃんベッドはあまりの気持ち良さを持ち起こさなければ永遠に寝てしまうかもしれないぐらいに。
「ピイ!」
「ん、、ハッピーもおはよ。よしよし、」
「ピイー♪」
ハッピーへなでなでするのも毎朝の日課になってる。朝は寝癖がひどくハッピーの羽毛もそれなりに跳ねている。エルは気づいてないが魔力のこもった手で撫でることでワックスに似た作用が起きて一回で寝癖が治るのだろう。
「ピイ!」
「うんうん、寝癖も治ったね。うお、スーちゃん?あー、俺にも寝癖があったのかー。ありがとう。」
スーちゃんはエルとハッピーを見守りながらもエルの寝癖を触手を伸ばして治していた。そして1匹のミニスーちゃんがぴょんぴょんとやってきて『お食事の準備ができました!』と触手を使って伝える。
「朝ごはんできたのか。いつも報告ありがとうね。」
エルはよしよしと伝令役のミニスーちゃんを持ち上げて撫でる。ミニスーちゃんは喜んでいて触手を暴れるように動かす。
「あ、エルフさん達も来てるんだ。」
「あ、エルさん。おはようございます。実は私たちだけで食事をしていたんですが、昨日ハッピーちゃんから一緒に食べようとお誘いいただいて。」
「え!?そうだったの。ハッピー偉いね。」
「ピイー!」
ハッピーはスーちゃんと違い割と自由行動が多い。時には森の中へ行き、時には地下室、時にはエルフさん達の元にも行く。その時に誘ったのだ。
「ここの料理は美味しいですからね。」
「そうなんだよね。野菜とかお肉とか素材から美味しいんだよね。」
エルは故郷の味と比較するが前の味が劣ることは仕方がないことだったのだ。魔力のこもった土に魔力水で育てた野菜は格段に美味しくなっており、肉に関しても国に出回る肉は全てただの動物が多く、味がより美味しい魔物肉はなかなか食べられないからであった。
森の魔物肉は現在ではスーちゃんの管理下で一定の期間で狩が行われていた。理由は生態系の保全とエルの見えないところで狩るのが目的だった。エルはコカトリスを食べることを時々躊躇することがある。それに気づいたスーちゃんはなるべく制限している。
「ところでエルさんはなぜここにいるのですか?」
「あー、実は国からの派遣?みたいな形でここ一帯を任されたんだよ。多分追い出されたのかもしれないけどさー。」
「い、いえ。そ、そんなことはないんじゃないでしょうか?」
「そう、まあ今はスーちゃんとハッピーに出会って、他のみんなにも出会えたからいいんだけど。」
エレルは焦りながら答えた。この森はどんな種族であっても近づくことはタブーに近いものだった。まさに死にに行くような行為なのだ。彼が国から派遣されたとなれば、そういうことなのだ。
エルがこうして平和に暮らせるのも彼の魔力、そして最初にあったのがスライムのスーちゃだったからだ。一般人では1時間でこの世を去ることになる。
「それでもエルさんがいなければわたし達は生き延びれかったかもしれません。」
「そう言ってくれるとありがたいよ。」
エルはふと思い出した、最初の頃を。あの時は一面木しかなく、とてもじゃないが人が住むにはありえない場所だった。しかしいろんな出会いで今では村ぐらいに発展しつつある。
「ピイー!」
「畑行きたいの?わかったよ。エレル、俺たちはもう行くね。」
エルは食器を片付けてハッピーと一緒に畑に向かった。ハッピーは意外と畑作業とかが好きでよく手伝っている。
「あ、畑ミニスーちゃん頑張ってるね。いつも美味しい野菜をありがとうね。」
畑に着くと、そこでは畑ミニスーちゃんが器用に触手を使って鍬で耕したり、触手に溶解液を纏わせて刈り取ってた。エルに気づくと、作業を中断してエルの元にぴょんぴょんと近づく。
「すごいさらに増えてるね、ここには何匹いるの?」
当初5匹程度しかいなかった畑に今では20匹はいる光景に驚き数を聞く。1匹のミニスーちゃんが27匹いて畑1つに9匹ずつの配置になっているとエルに伝える。
「そっかー、畑もかなり発展してきてるね。いろんな野菜が増えてきてるね。」
広さだけでなく質も向上しており、最初以上に作物の種類が増えていた。この原因はハッピーが面白そうな木のみや種を見つけてスーちゃんに判断してもらい植えているからだ。その結果野菜だけにとどまらず穀物も増えてきている。
「ハッピー森に行くのはいいけど、あんまりいると危ないよ。」
「ピイ……」
「ああ、怒ってるんじゃないよ。ただ心配なんだよ。せっかく出会ったのにここで離れ離れになったら嫌じゃないか。」
「ピイ!ピイー♪」
エルがしょんぼりとするハッピーを見て慌てて言い直すとハッピーはパアッと顔を上げてスリスリと頭を擦り始めた。
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