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第13話 小さな布職人
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「スーちゃんこの子の名前わかる?」
スーちゃんにこの芋虫の名前を聞いてみるも、わからないのか申し訳なさそうに触手を動かす。
「うーん、わからないか。そうだ!エルフさん達に聞けばいいんだ!」
エルは芋虫を抱き上げハッピーとスーちゃんを連れてエルフの家の方に走って向かった。
「ねえねえ、これなんだかわかる?」
「どうされましたか?……こ、これは!?」
エルはリーダーのエレルにこの芋虫のことについて聞く。エレルは突然の訪問に少し驚きながらエルのことを見るとその腕にいる存在にさらに驚く。
「これは、ハイシルクと呼ばれる個体ですね。ハイシルクから出てくる糸はとても上質と有名ですね。」
「へえー俺は知らなかったなー。」
「ま、まあ人間の方にはなかなか寄り付かないモンスターですから。」
エレルは冷や汗を流しながらそう答える。エレルはこの時エルに対して嘘をついていた。ハイシルクという種族自体は存在するが、今エルが持っているのはそれを超えた芋虫だった。シレイユガと呼ばれる個体で古代の人々に乱獲された種族で現在では絶滅されたとされている。
しかし、エルの魔力で進化を遂げたのだ。だがそのことを知る者はこの場において誰一人いない。エレルはなるべくエルに応えたかったのだ。
「そっかー、でも他の名前にしようかな。」
「はい、その方がよろしいかと思います。」
「そうだね、キャタピーにしよう。君は今日からキャタピーね。」
キャタピーと呼ばれた芋虫は喜び、糸を再度吐き出し玉状にしてエルに渡す。
「ありがとう。これからこの子を世話することになるけどどうすればいいんだろう。」
「でしたら小屋を作りそこに小さな木や葉を置くといいですよ。なるべく森の環境にした方がいいと思います。あと、なるべけ暖かくしてストレスを感じさせないようにするとより上質になります。」
「そっかー、それじゃあスーちゃん頼めるかな?」
スーちゃんに頼むと『了解しました。小屋の設計はラーちゃんに、木の採取はミニスーちゃんに任せ、火の魔石を置いて専用のミニスーちゃんを配置して管理させますね。』と触手を動かして行動に移った。
その後スーちゃんの采配通りきれいなキャタピー用の小屋が出来上がった。この時に新たにミニスーちゃんが3匹生まれ交代してキャタピーが吐き出した糸を集めて管理していた。ミニスーちゃんは『管理スーちゃん』と名前が変わり、コカトリスのミニスーちゃんもその名前になった。
「すごいねこの小屋。サイズに合った木もあるしたくさん落ち葉もあるしキャタピーにとって最高の環境だね。」
翌日、ハッピーとスーちゃんとキャタピーの小屋に入るとキャタピーはとてとリラックスしていた。その周りではせっせと落ち葉を回収したり、掃除をしたり糸を集めたりと管理人スーちゃんが分担して頑張っていた。
「キャタピーの糸って本当にふかふかで肌触りいいよね。スーちゃんに作ってもらったハンカチが本当に上質だよ。」
エルの手元にあるハンカチはここで集められた糸玉を加工して作り上げたもので、その肌触りの良さにエルは愛用している。
「ピイ、」
「ん?畑に行きたい?わかったよ。それじゃあキャタピーと管理人スーちゃん、これからも糸づくり頑張ってね。」
キャタピー達に別れを告げ、ハッピーが行きたいと言ってる畑に行く。畑に特に何かあったかな?と疑問に思いながら向かう。
畑では管理人スーちゃんの手によっていい畑を維持していた。時々食べにくる虫をバシッと捕まえたり、新たに種をまいて育てたりと完璧な仕事をしていた。
「ピイ!」
「この野菜がどうかした?キャタピーに渡した方がいいって?わかった。管理人スーちゃん、ここの作物をもらってもいいかな?」
ハッピーに頼まれ、管理人スーちゃんに聞くと籠に案内され今日収穫された野菜を渡してくれた。緑野菜が多いことからどうやら考えてることがわかってるようだ。
「おーい、キャタピー。ご飯だよ。」
キャタピーの小屋に入り、皿に野菜を盛り付けて渡す。すると見つけた瞬間にかぶりつきモシャモシャと音を立てながら食べ始める。
「おお、そんなにお腹が空いてたんだ。ハッピーも気づいて偉いね。」
「ピイ♪」
エルはキャタピーはお腹が空いていると解釈したが、かぶりついた理由はその野菜の魔力の含有量に気づいたからである。エルに懐いた理由と一緒で魔力を摂取するために食べていた。
「管理人スーちゃん、これから畑に野菜をもらって来てもらえるかな?キャタピーがお腹すかせたらダメかもしれないから。大丈夫?ありがとう。」
管理人スーちゃんに新しく仕事を増やしてしまったけど触手上げ了解と伝えてくれた。そしてスーちゃんに駆け寄り触手を動かすと、スーちゃんもコクリと頷き、体を震わせてピョコンと新たなミニスーちゃんを生み出した。
「おおー、やっぱり生まれる様子を見ると可愛いね。これからこの小屋に野菜を届けて欲しいんだけど頼めるかな?」
新たに生まれた管理人スーちゃんに仕事を依頼すると畑の方にぴょんぴょんと取りに向かった。
スーちゃんにこの芋虫の名前を聞いてみるも、わからないのか申し訳なさそうに触手を動かす。
「うーん、わからないか。そうだ!エルフさん達に聞けばいいんだ!」
エルは芋虫を抱き上げハッピーとスーちゃんを連れてエルフの家の方に走って向かった。
「ねえねえ、これなんだかわかる?」
「どうされましたか?……こ、これは!?」
エルはリーダーのエレルにこの芋虫のことについて聞く。エレルは突然の訪問に少し驚きながらエルのことを見るとその腕にいる存在にさらに驚く。
「これは、ハイシルクと呼ばれる個体ですね。ハイシルクから出てくる糸はとても上質と有名ですね。」
「へえー俺は知らなかったなー。」
「ま、まあ人間の方にはなかなか寄り付かないモンスターですから。」
エレルは冷や汗を流しながらそう答える。エレルはこの時エルに対して嘘をついていた。ハイシルクという種族自体は存在するが、今エルが持っているのはそれを超えた芋虫だった。シレイユガと呼ばれる個体で古代の人々に乱獲された種族で現在では絶滅されたとされている。
しかし、エルの魔力で進化を遂げたのだ。だがそのことを知る者はこの場において誰一人いない。エレルはなるべくエルに応えたかったのだ。
「そっかー、でも他の名前にしようかな。」
「はい、その方がよろしいかと思います。」
「そうだね、キャタピーにしよう。君は今日からキャタピーね。」
キャタピーと呼ばれた芋虫は喜び、糸を再度吐き出し玉状にしてエルに渡す。
「ありがとう。これからこの子を世話することになるけどどうすればいいんだろう。」
「でしたら小屋を作りそこに小さな木や葉を置くといいですよ。なるべく森の環境にした方がいいと思います。あと、なるべけ暖かくしてストレスを感じさせないようにするとより上質になります。」
「そっかー、それじゃあスーちゃん頼めるかな?」
スーちゃんに頼むと『了解しました。小屋の設計はラーちゃんに、木の採取はミニスーちゃんに任せ、火の魔石を置いて専用のミニスーちゃんを配置して管理させますね。』と触手を動かして行動に移った。
その後スーちゃんの采配通りきれいなキャタピー用の小屋が出来上がった。この時に新たにミニスーちゃんが3匹生まれ交代してキャタピーが吐き出した糸を集めて管理していた。ミニスーちゃんは『管理スーちゃん』と名前が変わり、コカトリスのミニスーちゃんもその名前になった。
「すごいねこの小屋。サイズに合った木もあるしたくさん落ち葉もあるしキャタピーにとって最高の環境だね。」
翌日、ハッピーとスーちゃんとキャタピーの小屋に入るとキャタピーはとてとリラックスしていた。その周りではせっせと落ち葉を回収したり、掃除をしたり糸を集めたりと管理人スーちゃんが分担して頑張っていた。
「キャタピーの糸って本当にふかふかで肌触りいいよね。スーちゃんに作ってもらったハンカチが本当に上質だよ。」
エルの手元にあるハンカチはここで集められた糸玉を加工して作り上げたもので、その肌触りの良さにエルは愛用している。
「ピイ、」
「ん?畑に行きたい?わかったよ。それじゃあキャタピーと管理人スーちゃん、これからも糸づくり頑張ってね。」
キャタピー達に別れを告げ、ハッピーが行きたいと言ってる畑に行く。畑に特に何かあったかな?と疑問に思いながら向かう。
畑では管理人スーちゃんの手によっていい畑を維持していた。時々食べにくる虫をバシッと捕まえたり、新たに種をまいて育てたりと完璧な仕事をしていた。
「ピイ!」
「この野菜がどうかした?キャタピーに渡した方がいいって?わかった。管理人スーちゃん、ここの作物をもらってもいいかな?」
ハッピーに頼まれ、管理人スーちゃんに聞くと籠に案内され今日収穫された野菜を渡してくれた。緑野菜が多いことからどうやら考えてることがわかってるようだ。
「おーい、キャタピー。ご飯だよ。」
キャタピーの小屋に入り、皿に野菜を盛り付けて渡す。すると見つけた瞬間にかぶりつきモシャモシャと音を立てながら食べ始める。
「おお、そんなにお腹が空いてたんだ。ハッピーも気づいて偉いね。」
「ピイ♪」
エルはキャタピーはお腹が空いていると解釈したが、かぶりついた理由はその野菜の魔力の含有量に気づいたからである。エルに懐いた理由と一緒で魔力を摂取するために食べていた。
「管理人スーちゃん、これから畑に野菜をもらって来てもらえるかな?キャタピーがお腹すかせたらダメかもしれないから。大丈夫?ありがとう。」
管理人スーちゃんに新しく仕事を増やしてしまったけど触手上げ了解と伝えてくれた。そしてスーちゃんに駆け寄り触手を動かすと、スーちゃんもコクリと頷き、体を震わせてピョコンと新たなミニスーちゃんを生み出した。
「おおー、やっぱり生まれる様子を見ると可愛いね。これからこの小屋に野菜を届けて欲しいんだけど頼めるかな?」
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