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第12話 パーティー
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「さ、どうぞどうぞ、遠慮しないで食べてよ。おかわりならスーちゃんに頼めばくれるよ。」
『どんどん焼き上げていくので遠慮なく食べてくださいね。あとでさきほどのグリズリーも焼いていくので楽しみにしてくださいね。』とエルの言葉に同調するように触手を揺らす。
「わかりました。」
「イノシシもいい感じに焼けてきたし、ラーちゃんこれを薄く切ってくれるかな?」
ラーちゃんに仕上げを頼む。薄く綺麗に切っていき、ガラスの皿に盛り付けて提供してくれる。
「ありがとうラーちゃん!みんなも食べていってね。」
「あ、ありがとうこざいます。」
「ん!?うまい!リーダー、これってプールスボアの肉じゃないですか?」
「ええ、おそらくそうね。こんなものが平気で料理に出されるなんてちょっと異常だけど。」
「スーちゃん何作ってるの?」
エルフたちがイノシシの丸焼きに警戒していることを知らないエルは、スーちゃんの新たに作っている料理に夢中だった。
「スープかー、いいねー。イノシシの骨を使って出汁をとってるの?へー。」
スーちゃんはエルフたちに近づくと、『新たにスープも完成しました。召し上がってくださいね。』と触手を動かした後スープ鍋の方に戻った。
「これも美味しいですね。特に卵がとても美味しいです。」
エルフたちはスーちゃん特製のスープ、特にその中にある卵が美味しいと高評価していた。
「いや、このコクはただの卵じゃない。高級卵にしか出ない味だ。」
「どうみんなー、最近コカトリスたちがたくさん卵を産んでくれたおかげで美味しい卵料理を作ることができるんだー。」
「「「「え、、」」」」
彼女らはエルのコカトリスという言葉にゾッとした。コカトリスの卵は高級食材として扱われているが、その味はストレスのない快適な環境でこそ出る味。通常出回るコカトリスではここまでの味は出ない。つまり、そんな高級食材が平然ととれる環境を作れていることに驚いた。ちなみになぜコカトリスがストレスがないかといえば、エルの魔力だ。
「リーダー、このスープ1杯どれくらいしますかね。」
「おそらく1000バッズはくだらないだろう。しかもそれが多分あと30杯分はありそうだ。」
この国の共通通貨バッズは10万あれば家族1月暮らせる金額であり、スープは200バッズぐらいだ。
「しかも、味だけの評価ですよね。調理技術とか材料入手の難易度も含めたら4000バッズいきそうですね。」
「加えてあの建築技術。エルフどころか人間にもあの技術は無いんじゃないか?」
「多分その道のプロのドワーフにも勝るとも劣らない技術力ですね。」
~~~~~~~~
エルフ宅にて
「それで、エルさんの魔力のことを話すんですか?」
「話しちゃ絶対ダメよ。」
「え、あの魔力を使えばさらに良くなるんじゃ?」
「下手に使い方を教えると、きっと魔力災害が起こりうるわよ。」
魔力災害、魔力が乱れた状態のまま大量放出された際に魔力がすべて爆発に変換される現象。
「そうですね。しかも一般の魔力災害に対してエルさんの魔力、多分国1つ吹っ飛びますね。」
魔力災害とは言ってもだいたいは家が吹き飛ぶ程度ではあるが、エルの場合は魔力が多すぎるため災害の規模も拡大する。
「しばらくここに住んで慣れてきたらほかのエルフの一派も呼びましょ。」
「しかし、すぐに見つかりますかね?」
「そこはエルさんに掛け合って探索に出かける許可をもらわないとわからないね。」
密かにエルフ探しの探索チームが結成されていた。
~~~~~~~~
「ピイー!」
「ん?どうした?」
突然ハッピーが家にいる俺を呼び出した。遊びに行っててすぐには戻ってこないと思ったんだけど。
「ピイー♪」
「どこに行くの?森の中?」
ハッピーは家から出ると、そのまま森の方についてきてと羽を伸ばして呼び寄せる。トコトコと歩くハッピーについていく。
「ピイー♪」
「ここ?ハッピーが来たかった場所は?」
ハッピーに連れられて来たのは普通に森の中。特に何もない。
ポテ、
「ん?なんだこれ?芋虫?」
ゴニョゴニョと動く芋虫のような緑色のモンスターを見てみる。
「これは一体なんだろう?」
「ピイー!」
「え?家に連れてきた方がいいの?でもついてくるかな?」
ハッピーは連れてこようと言うが、ついてくるかわからん。とか言ってると、ハッピーはその芋虫に近づく。何か動いて伝えるとハッピーの後ろを付いてくようになった。
「ピイー♪」
「ついてくるようになったんだ。それじゃ大丈夫か。最悪何かあればスーちゃんに聞けば大丈夫だよね。」
「ピイー♪」
俺とハッピーはもうすっかりスーちゃんに大助かりだ。何かあれば頼めばなんとかなる感がある。
~~~~~~~~
「おーいスーちゃん!!」
スーちゃんを呼ぶ。聞こえたのか、普通に遠くからぴょんぴょんと跳ねて近づいてくる。
「ハッピーがこの子を連れてきたんだけどどうすればいいかな?」
スーちゃんにどうすべきか聞いてみると触手を伸ばして芋虫を撫でるとその芋虫は喜んでいるのか糸をいきなり吐き出し始めた。
「うわ、糸を出した!?え!スーちゃん食べるの?」
芋虫が出した糸をスーちゃんが取り込んでしまった。しかししばらくすると綺麗なハンカチがスーちゃんから出てきた。
「わー、すごいな。ハッピーはこれに気づいてたの?」
「ピイー♪」
『どんどん焼き上げていくので遠慮なく食べてくださいね。あとでさきほどのグリズリーも焼いていくので楽しみにしてくださいね。』とエルの言葉に同調するように触手を揺らす。
「わかりました。」
「イノシシもいい感じに焼けてきたし、ラーちゃんこれを薄く切ってくれるかな?」
ラーちゃんに仕上げを頼む。薄く綺麗に切っていき、ガラスの皿に盛り付けて提供してくれる。
「ありがとうラーちゃん!みんなも食べていってね。」
「あ、ありがとうこざいます。」
「ん!?うまい!リーダー、これってプールスボアの肉じゃないですか?」
「ええ、おそらくそうね。こんなものが平気で料理に出されるなんてちょっと異常だけど。」
「スーちゃん何作ってるの?」
エルフたちがイノシシの丸焼きに警戒していることを知らないエルは、スーちゃんの新たに作っている料理に夢中だった。
「スープかー、いいねー。イノシシの骨を使って出汁をとってるの?へー。」
スーちゃんはエルフたちに近づくと、『新たにスープも完成しました。召し上がってくださいね。』と触手を動かした後スープ鍋の方に戻った。
「これも美味しいですね。特に卵がとても美味しいです。」
エルフたちはスーちゃん特製のスープ、特にその中にある卵が美味しいと高評価していた。
「いや、このコクはただの卵じゃない。高級卵にしか出ない味だ。」
「どうみんなー、最近コカトリスたちがたくさん卵を産んでくれたおかげで美味しい卵料理を作ることができるんだー。」
「「「「え、、」」」」
彼女らはエルのコカトリスという言葉にゾッとした。コカトリスの卵は高級食材として扱われているが、その味はストレスのない快適な環境でこそ出る味。通常出回るコカトリスではここまでの味は出ない。つまり、そんな高級食材が平然ととれる環境を作れていることに驚いた。ちなみになぜコカトリスがストレスがないかといえば、エルの魔力だ。
「リーダー、このスープ1杯どれくらいしますかね。」
「おそらく1000バッズはくだらないだろう。しかもそれが多分あと30杯分はありそうだ。」
この国の共通通貨バッズは10万あれば家族1月暮らせる金額であり、スープは200バッズぐらいだ。
「しかも、味だけの評価ですよね。調理技術とか材料入手の難易度も含めたら4000バッズいきそうですね。」
「加えてあの建築技術。エルフどころか人間にもあの技術は無いんじゃないか?」
「多分その道のプロのドワーフにも勝るとも劣らない技術力ですね。」
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エルフ宅にて
「それで、エルさんの魔力のことを話すんですか?」
「話しちゃ絶対ダメよ。」
「え、あの魔力を使えばさらに良くなるんじゃ?」
「下手に使い方を教えると、きっと魔力災害が起こりうるわよ。」
魔力災害、魔力が乱れた状態のまま大量放出された際に魔力がすべて爆発に変換される現象。
「そうですね。しかも一般の魔力災害に対してエルさんの魔力、多分国1つ吹っ飛びますね。」
魔力災害とは言ってもだいたいは家が吹き飛ぶ程度ではあるが、エルの場合は魔力が多すぎるため災害の規模も拡大する。
「しばらくここに住んで慣れてきたらほかのエルフの一派も呼びましょ。」
「しかし、すぐに見つかりますかね?」
「そこはエルさんに掛け合って探索に出かける許可をもらわないとわからないね。」
密かにエルフ探しの探索チームが結成されていた。
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「ピイー!」
「ん?どうした?」
突然ハッピーが家にいる俺を呼び出した。遊びに行っててすぐには戻ってこないと思ったんだけど。
「ピイー♪」
「どこに行くの?森の中?」
ハッピーは家から出ると、そのまま森の方についてきてと羽を伸ばして呼び寄せる。トコトコと歩くハッピーについていく。
「ピイー♪」
「ここ?ハッピーが来たかった場所は?」
ハッピーに連れられて来たのは普通に森の中。特に何もない。
ポテ、
「ん?なんだこれ?芋虫?」
ゴニョゴニョと動く芋虫のような緑色のモンスターを見てみる。
「これは一体なんだろう?」
「ピイー!」
「え?家に連れてきた方がいいの?でもついてくるかな?」
ハッピーは連れてこようと言うが、ついてくるかわからん。とか言ってると、ハッピーはその芋虫に近づく。何か動いて伝えるとハッピーの後ろを付いてくようになった。
「ピイー♪」
「ついてくるようになったんだ。それじゃ大丈夫か。最悪何かあればスーちゃんに聞けば大丈夫だよね。」
「ピイー♪」
俺とハッピーはもうすっかりスーちゃんに大助かりだ。何かあれば頼めばなんとかなる感がある。
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「おーいスーちゃん!!」
スーちゃんを呼ぶ。聞こえたのか、普通に遠くからぴょんぴょんと跳ねて近づいてくる。
「ハッピーがこの子を連れてきたんだけどどうすればいいかな?」
スーちゃんにどうすべきか聞いてみると触手を伸ばして芋虫を撫でるとその芋虫は喜んでいるのか糸をいきなり吐き出し始めた。
「うわ、糸を出した!?え!スーちゃん食べるの?」
芋虫が出した糸をスーちゃんが取り込んでしまった。しかししばらくすると綺麗なハンカチがスーちゃんから出てきた。
「わー、すごいな。ハッピーはこれに気づいてたの?」
「ピイー♪」
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