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第7話 ハッピーの能力、スーの能力
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「これで植え終えたな。それじゃあ時間もいいし、お昼ご飯にしよう!ミニスーちゃんたちも一旦休休憩して。」
種を植えている間もずっと畑を管理していたミニスーちゃんたちに声をかける。
「まだオークの肉があったよね。それに枝も残ってるから昨日みたいに焚き火にして食べようか。」
皆を引き連れて一旦広場に戻った。
「よし、それじゃあお願いしてもいいかな?」
「ピイー!」
スーとハッピーはやる気を見せると、持ち場についてスーは溶解液を枝に飛ばし、それが燃えたところでハッピーが羽を扇いでより強くしていった。
「ウンウン、いい感じだね。あとはフルーツを用意してと、いただきます!」
今日もオーク肉が美味しい!というか腐ってないのか?肉の色は全く変色してなかったし。この草のおかげかな?(ここもやはりエルの魔力により草が進化したことで腐りにくさが強化された。)
「ピイー♪」
「うん、今日も美味しいね。」
羽で持ちにくそうではあるが、なんとか持って食べてるハッピーの様子を見る。本当早めにほかの食材も見つけられたらいいんだが。そんなことを考えながら後片付けをする。
「それじゃあ、この後も畑の管理を頼むね。」
ミニスーちゃんに伝えると『了解しました!』と触手をあげるとそのまま持ち場にポヨンポヨンと跳ねて行った。そんな可愛らしい姿を見ながら午後の予定を考える。
「これからどうしようか?まだ広場もあんまり広くないし、広げようかな?どうかしたスー?え、狩りに行きたいの?」
スーが火の後処理をしたところで近づいてきてそんなことを言ってきた。
「スーがそう言うならそうしようか!一人だけで行くの?大丈夫なの?」
一緒に行こうと思ったが、スーは自信を持っているのかすごい跳ねてるので、任せることにした。
「それじゃあ二人?で広場の拡張をしようか。」
「ピイー!」
スーの背中を見送り、ハッピーに声をかけて広場の拡張を始める。
「ほ、ほ、ほ、はあ、はあ、はあ、やっぱり全然切れない。」
昨日もそうだったが、簡単には木が切れない。(ここの森の木々も森特有の魔力で強化されているため常人ではなかなか切ることができない強度になっている。)
「ピイー♪」
ピューーン!
「ん?どうしたの?それは俺が切っている途中の木だ……!?」
目の前でとんでもない光景が起きた。切れないと悔しい思いをしているところにハッピーがトコトコと歩いてきた。何をするかと思ったら鳴き声を出した。
そう、鳴き声を出したのだ。そしたらいきなり突風が吹いて切っている途中の木がスパーンと切れた。
「ピイー!」
「ん?あ、ありがとう。偉いねー、こんなことができるなんて。」
「ピイー♪」
終始驚いている俺だったが、ハッピーは切れた木を持ち上げて俺の足元に置いて、『私がやったんだよ!』と言いたげに羽をバサバサとする。撫でてあげると嬉しそうな鳴き声をあげた。ハッピーって魔法使えたんだ。
「もしかしてスーはハッピーがこういうことできるって知っていたのか?」
スーは明らかに賢い。その上気がきく。畑の管理のためにミニスーちゃんを生んだりとするぐらいだ。そんなスーが俺のつぶやきとは違うことをしたいと言ったのはこういうことだったのか。
~~~~~~~~
その頃のスー。
ぴょんぴょんぴょんぴょん!
エルのためにたくさんのものを手に入れるために森の散策に奮闘していた。スーの体内にはすでに果物や薬草類、枝、鉱石が入っていた。
スーの能力の1つに『体内収納』があり、体の中にアイテムボックスが入っている。食べるときは能力を発動しないが、保管したいなどの時はこの能力を使い、様々なものを保管している。自身より巨大なものでも取り込める。
この能力にはほかの特徴もあり、時間経過がない。食べ物は腐らない、熱いものは熱いままと別次元になっているためなんでも取り込むことができる。
「クエ!クエーーー!」
スーの前に5体のコカトリスが現れた。コカトリスは本来おとなしい性格で、植物を好む種類であるが、この森の魔力に侵されたため凶暴になり、目の前のものを全て食らおうとする、まさに野生の動物と成り果ててしまった。
「クエ!」
ビュ!
「がアーーーーーーー!クエーーー!」
飛び出してきた1匹のコカトリスが、スーの溶解液で一撃で倒された。
「ク、クエー……」
あっさりと仲間が倒されたのを見て、他のコカトリスは完全に戦意を失ってしまった。それどころか自分たちが食われかねないと思った。
しかし、スーはそこまで凶悪ではない。ここで考えた。コカトリスをもしエルの元に届けた時にどのような恩恵を得られるかを。
そしてスーは採取したばかりの薬草類を1つずつ渡していく。それをもらい口にしたコカトリスは飛び上がった。そしてスーに近づき忠誠を誓い始めた。
『こっちについてきてー!そうすればエル様の元で大切に飼われるよー』
そんな触手の動きをしながら、コカトリス4匹を引き連れてエルの元に戻るのだった。
種を植えている間もずっと畑を管理していたミニスーちゃんたちに声をかける。
「まだオークの肉があったよね。それに枝も残ってるから昨日みたいに焚き火にして食べようか。」
皆を引き連れて一旦広場に戻った。
「よし、それじゃあお願いしてもいいかな?」
「ピイー!」
スーとハッピーはやる気を見せると、持ち場についてスーは溶解液を枝に飛ばし、それが燃えたところでハッピーが羽を扇いでより強くしていった。
「ウンウン、いい感じだね。あとはフルーツを用意してと、いただきます!」
今日もオーク肉が美味しい!というか腐ってないのか?肉の色は全く変色してなかったし。この草のおかげかな?(ここもやはりエルの魔力により草が進化したことで腐りにくさが強化された。)
「ピイー♪」
「うん、今日も美味しいね。」
羽で持ちにくそうではあるが、なんとか持って食べてるハッピーの様子を見る。本当早めにほかの食材も見つけられたらいいんだが。そんなことを考えながら後片付けをする。
「それじゃあ、この後も畑の管理を頼むね。」
ミニスーちゃんに伝えると『了解しました!』と触手をあげるとそのまま持ち場にポヨンポヨンと跳ねて行った。そんな可愛らしい姿を見ながら午後の予定を考える。
「これからどうしようか?まだ広場もあんまり広くないし、広げようかな?どうかしたスー?え、狩りに行きたいの?」
スーが火の後処理をしたところで近づいてきてそんなことを言ってきた。
「スーがそう言うならそうしようか!一人だけで行くの?大丈夫なの?」
一緒に行こうと思ったが、スーは自信を持っているのかすごい跳ねてるので、任せることにした。
「それじゃあ二人?で広場の拡張をしようか。」
「ピイー!」
スーの背中を見送り、ハッピーに声をかけて広場の拡張を始める。
「ほ、ほ、ほ、はあ、はあ、はあ、やっぱり全然切れない。」
昨日もそうだったが、簡単には木が切れない。(ここの森の木々も森特有の魔力で強化されているため常人ではなかなか切ることができない強度になっている。)
「ピイー♪」
ピューーン!
「ん?どうしたの?それは俺が切っている途中の木だ……!?」
目の前でとんでもない光景が起きた。切れないと悔しい思いをしているところにハッピーがトコトコと歩いてきた。何をするかと思ったら鳴き声を出した。
そう、鳴き声を出したのだ。そしたらいきなり突風が吹いて切っている途中の木がスパーンと切れた。
「ピイー!」
「ん?あ、ありがとう。偉いねー、こんなことができるなんて。」
「ピイー♪」
終始驚いている俺だったが、ハッピーは切れた木を持ち上げて俺の足元に置いて、『私がやったんだよ!』と言いたげに羽をバサバサとする。撫でてあげると嬉しそうな鳴き声をあげた。ハッピーって魔法使えたんだ。
「もしかしてスーはハッピーがこういうことできるって知っていたのか?」
スーは明らかに賢い。その上気がきく。畑の管理のためにミニスーちゃんを生んだりとするぐらいだ。そんなスーが俺のつぶやきとは違うことをしたいと言ったのはこういうことだったのか。
~~~~~~~~
その頃のスー。
ぴょんぴょんぴょんぴょん!
エルのためにたくさんのものを手に入れるために森の散策に奮闘していた。スーの体内にはすでに果物や薬草類、枝、鉱石が入っていた。
スーの能力の1つに『体内収納』があり、体の中にアイテムボックスが入っている。食べるときは能力を発動しないが、保管したいなどの時はこの能力を使い、様々なものを保管している。自身より巨大なものでも取り込める。
この能力にはほかの特徴もあり、時間経過がない。食べ物は腐らない、熱いものは熱いままと別次元になっているためなんでも取り込むことができる。
「クエ!クエーーー!」
スーの前に5体のコカトリスが現れた。コカトリスは本来おとなしい性格で、植物を好む種類であるが、この森の魔力に侵されたため凶暴になり、目の前のものを全て食らおうとする、まさに野生の動物と成り果ててしまった。
「クエ!」
ビュ!
「がアーーーーーーー!クエーーー!」
飛び出してきた1匹のコカトリスが、スーの溶解液で一撃で倒された。
「ク、クエー……」
あっさりと仲間が倒されたのを見て、他のコカトリスは完全に戦意を失ってしまった。それどころか自分たちが食われかねないと思った。
しかし、スーはそこまで凶悪ではない。ここで考えた。コカトリスをもしエルの元に届けた時にどのような恩恵を得られるかを。
そしてスーは採取したばかりの薬草類を1つずつ渡していく。それをもらい口にしたコカトリスは飛び上がった。そしてスーに近づき忠誠を誓い始めた。
『こっちについてきてー!そうすればエル様の元で大切に飼われるよー』
そんな触手の動きをしながら、コカトリス4匹を引き連れてエルの元に戻るのだった。
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