煽りスキルMAXのメスガキ、異世界で無双するも時々敗北する件

八戸三春

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第一章

8話 メスガキ、ついに受付嬢に勝利!? !? !?

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「……はぁ、もうダメ……」

私はギルドの訓練場の片隅で、地面に突っ伏していた。

異世界に転生してからというもの、煽りスキル**《煽りの言霊》**で無双してきた私。

しかし、魔物にはスキルが効かず、普通に戦闘力がないことを痛感し、強くなるために修行を決意。

だが──

修行がキツすぎて即サボろうとする
サボり計画(影武者・仮病・逃亡)すべて失敗
結局、レイナに監視されながら地獄の修行へ

……という完全敗北コースをたどってしまった。

「ねぇ、ちょっと休憩しようよ……」

私は隣で素振りをしているレイナをチラッと見た。

「休憩はあと10分後です」

「えぇ~~~……マジ無理なんだけど」

「……あなた、少しは体力がついてきましたよ」

「えっ?」

レイナの意外な言葉に、私は驚いた。

◇ メスガキ、初の成長を実感する ◇
「……ちょっと待って、どういうこと?」

私は素振りをしていた木の棒を持ち直しながら、レイナを見る。

「最初は5回も振れなかったのに、今は50回続けられるようになっています」

「……あっ」

言われてみれば、そうかもしれない。

最初は5回振るだけで腕がガクガクになっていたのに、今はそこそこ続けられている。

「それに、昨日よりも呼吸の乱れが少ないです」

「えっ、マジで!?」

「……それはそうでしょう。あなた、鍛えられているのですから。」

レイナは涼しい顔で言う。

「……私、ちょっとは強くなってる?」

「少しずつ、ですが」

「……おおお……」

私は生まれて初めて修行の成果を感じた。

「……このままいけば、マジで無双できるんじゃね?」

調子に乗り始めた私に、レイナはすかさず冷静な言葉を浴びせた。

「それは、まだまだ先の話です」

「ぐぬぬ……」

やっぱりレイナは手厳しい。

◇ 初の試し斬り!? ◇
「よし、そろそろ実戦形式の訓練をしましょう」

「おおっ!? ついに戦う時が来たのか!!」

私は興奮しながら立ち上がる。

「剣を持ってください」

レイナが訓練用の木剣を差し出す。

私はそれを受け取り、少し重さを確かめた。

「おお……意外としっくりくる?」

今まで素振りばっかりだったけど、実際に剣を構えると、なんとなくカッコいい気がする。

「では、私と模擬戦をしましょう」

「おっしゃ!! ボコボコにしてやる!!」

私は意気込んで構えた。

──しかし、次の瞬間。

「……あれ?」

視界がブレたと思ったら、私の足が宙を舞っていた。

ドゴォォォン!!!

「ぎゃああああああああ!!!!!」

──気がついたら、地面に倒れていた。

「……何、今の?」

「あなたが構えた瞬間、隙だらけだったので攻撃しました」

「早ええええええ!!!??」

「相手が攻撃を待つと思わないことです」

「ちょ、ちょっと待て!!私、まだ剣の扱いに慣れてねぇんだよ!!」

「だから模擬戦なのです」

「くっそおおおおおおお!!!」

私は再び立ち上がり、剣を構える。

「今度こそ、私が煽りながら……」

「《風刃(ウインドカッター)》」

ズバァァン!!

「ぎゃああああああああ!!!」

──二度目の瞬殺。

◇ まさかの新スキル発動!? ◇
何度も吹っ飛ばされ、私は地面に転がったまま呻く。

「……もう……無理……」

「まだ始まったばかりですよ」

「ぐぬぬぬぬ……!!」

クソが!! 煽りが通じない上に、普通に戦っても勝てないとか、この世界ほんと理不尽すぎるだろ!!

「……いや、ちょっと待てよ」

私はふと思った。

「別に、直接戦わなくても勝てるんじゃね?」

レイナに剣で勝つのは無理。

でも、剣を使わなくても勝つ方法はあるはず。

例えば──

「お前ってさ……意外とドジだよな?」

「……?」

「いやいや、いつも冷静ぶってるけどさ~、実はけっこう天然だったりして?」

「何を言って──」

その瞬間。

《煽りの言霊》が発動した。

「え?」

次の瞬間、レイナの足がつるっと滑った。

「えっ、ちょ──」

ドシャァァン!!!

「……え?」

まさかの、レイナが転倒。

ギルドの受付嬢、最強の女が、見事にスッ転んだのだ。

「え……お……お、おおおおおお!? !? 私の煽りが効いた!!」

まさかの勝利に、私は思わず叫んだ。

「ついに……! ついにレイナに一矢報いた!!」

地味すぎる勝利だったが、私にとっては異世界転生後初めての快挙だった。
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