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第百十三話
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今夜の当番はサナ、アリア、セイラ、未希だ。
サナとは朝も昼もセックスしたけど、夜だってしてもいいじゃないか!
当番も今夜で一巡することになるわけだが、なんだか凄く長かった。
あずさだけは経験済みだったが、処女の人数は総勢三十六名。
人数を改めて確認すると、何だか偉業を達成したような気分になって来る。
異世界に来てから、主にサナと毎日セックスをしているが、これだけセックスしても飽きることが無いのが不思議だ。
一度抱いた女の子はそれ以降二度と抱いていないかと言えば、そうでもない。
頻繁に二度三度とセックスを楽しんでいる。
訓練中に林の中で青姦したり…、掃除中のメイドをベッドルームに連れ込んだり…。
巡回中の騎士を全裸に剥いてプールに放り込んでみたり…。
遠慮せず好き放題にヤラせてもらっていたりする。
だって、生理中でもなければ誰も拒否しないんだもん!
嬉しくなってついつい手を出しちゃうのは仕方がないじゃないか!
今日の昼食後はサナが料理の研究会をしていたので、屋敷の中をウロウロと見て回っていた。
あと二日で引き渡しになる温泉を見に行って、そのついでと言っちゃなんだが、ミコトとセックスをしようかと思っていた。
でもミコトも忙しそうにしていたので、黙ってその場を離れた。
一人で淋しく歩いていると、二号館に差し掛かった所で人影を見掛けた。
あの赤髪のロングヘアと細い体にプリッと突き出されたように形の良いお尻は、騎士のアリシアだな。
クリップボードを持って歩いているところから、巡回任務の途中なんだろう。
うちの屋敷には『アリシア』という名前の女性が二人いる。
騎士のアリシアと、使用人のアリシアだ。
あと、エイミーという名前も二人だ。
これだけ人数が居れば、名前が被ることだって有るだろう。
声を掛けようと思ったら、アリシアがサッと振り返った。
右手がホルスターに収められた拳銃のグリップに掛かっていることから、不審者と思ったのかも知れない。
まぁ、騎士隊の居住棟である二号館は、この時間帯は無人なはずだからな。
そこに人の気配がすれば、警戒するのが当たり前だ。
つまり、アリシアは本来の仕事をしたのであって、巡回警備とは斯くあるべきだ。
「やぁ、アリシア。見回りお疲れ様」
右手を上げて、明るく声を掛ける。
「英樹様♡ お一人で如何なさったのです?」
アリシアは拳銃のグリップから手を離し、嬉しそうに駆け寄って来る。
駆け寄って来たアリシアを抱きとめて、キスをする。
アリシア・ローズマリー 19歳 真っ白な肌に赤髪で、ゴールドの瞳が美しい。
ローズマリー女爵家の長女で、妹が居ると聞いている。
植物が好きで自分の部屋でも鉢植えを育てている。小動物や子供にも好かれる優しい人柄で、本人も子供好きで街中でも子供たちの人気者だ。
髪や瞳の色は違うけれどサナと同じタイプの美少女で、見た目だけでなくその声にさえも癒し効果が有る。
一昨日処女を捧げてくれたばかりだが、どうやら本人はおっぱいの大きさにコンプレックスが有るようだ。
確かに屋敷の中では小振りなおっぱいかも知れないが、それはカラダが細いことが起因していると思う。
サナも細いカラダにHカップだが、アリシアは同じくらいカラダが細くてEカップ。
サナのたわわなおっぱいに比べたら確かに小さいし、他の騎士やメイドもGカップ以上が多いから、彼女たちから比べても小さめなのは事実かも知れない。
でも、日本の基準で見れば十分に美乳だし、ボリュームも十分だ。
比較するのもどうかと思うが、陽菜と同じくらいのサイズ感だしな。
だから決して『ちっぱい』ではないのだが、本人は納得していないようだ。
でも、毎日牛乳を飲んだり、未希やあずさから聞いたバストアップ効果のあるトレーニングを取り入れたりして努力していることは知っている。
その効果なのかは解らないが、すごく形が綺麗で魅力的なおっぱいであることも俺は知っている。
前回の初セックスでは試せなかったが、そのおっぱいの美しさは騎乗位で乱れさせると間違いなく映えるだろうから、是非とも試してみたい。
「珍しいですね。お一人でお散歩だなんて」
「たまにはね。仕事中に声を掛けてごめんね」
俺は暇を持て余した暇人だが、アリシアは仕事中の身だ。
「私、『英樹様に会いたい』って、ちょうど考えてました」
そうなんだ。可愛いことを言うなぁ。
「それは嬉しいな。ここで会えたのは運命かもね?」
「そうだといいな…。いいえ!きっとこれは運命です!」
俺に抱き付いたまま、力強く宣言するアリシアが可愛い。
「アリシアが良ければ、一緒に見回っても良いかい?」
「はい!ぜひ!!」
本当に嬉しそうな笑顔で応えてくれる。
その笑顔が可愛すぎて、本当に癒される。
三階建ての二号館は各階に十一の部屋が有るんだが、使っていない部屋も数部屋有るが、各員が自分の好きな部屋を選んで使ってもらっている。
二号館の巡回当番は各部屋のドアを開けられるマスターキーを持って巡回を行う。
これはメイドたちの居住棟である三号館の巡回当番も同じで、毎朝の点呼の時に宿直当番から引き継がれる。
アリシアも一階の巡回を終えて二階に移る所だったらしいので、一緒に階段を上がる。
「英樹様が二号館に来られるのは初めてではないですか?」
アリシアが楽しそうに聞いて来る。
「そう言われてみたら、そうだね」
確かに、受け渡しの日に各階をチラッと見ただけで、騎士たちが住み始めてから足を踏み入れるのは初めてだ。
各部屋のドアを一つずつ開けながら、巡回を進めて行く。
「こちらはサテラ隊長のお部屋です」
二階の真ん中の部屋の鍵を開けるが、ドアを開けてすぐの所に暖簾が掛けてあり、中が見えないようになっている。
「ん?中が見えないじゃないか」
思わず心の声が漏れてしまう。
「はい…。サテラ隊長はお部屋の中を見られるのがお好きではないようなんです…」
「ふぅん…」
お構いなしに部屋の中に入って行き、暖簾の中に首を突っ込む。
「な…なんだ?」
「こ…これは…?」
「ここはサテラの部屋だよね?」
「…はい。間違いなく、サテラ隊長のお部屋です」
そこはぬいぐるみやかわいい雑貨で埋め尽くされた、如何にも乙女な部屋だった。
いつも冷静で落ち着いていて、モデルの様にゴージャスなルックスでクールビューティーを絵に描いたようなサテラは、部屋もクールな装いなのかと思っていた。
しかし、そこはそれとは対極にあるような装いの部屋だった。
思わずセクシーなランジェリーに身を包んで、大きなぬいぐるみを抱き締めるサテラの姿を想像してしまった。
きっと、騎士隊長として部下には知られたくないんだろうな。
どこで手に入れたのか、デスクの上には俺の写真が額に入れて飾られている。
俺の写真と並べるように一冊の可愛らしいノートが置いてあったので、手に取って読んでみる。
『今日は朝から愛しい英樹様に声を掛けていただいた…』
『今日は巡回中に愛しの英樹様とお会いして、キスをしていただいた…』
『今日は愛しい英樹様の執務室で、愛する英樹様に抱いていただいた…』
等々、俺とのことが些細なことまで詳しく書かれていた。
「…アリシア、見なかったことにしてあげよう…」
「はい…」
きっと、この日記は俺には一番見られたくなかっただろうからな。
そっとドアを閉め、サテラの部屋を後にする。
仕事中のサテラは実に凛とした女性で見た目はSっぽいんだが、セックス中は従順なMっ娘になる。
どちらが本当のサテラなのかと思っていたが、『従順でピュアな少女』というのがサテラ本来の姿なんだろう。
次の部屋に向かう。
「こちらはミスティー副長のお部屋になります」
アリシアがドアを開くと、そこには信じられない光景が広がっていた。
「なんだこりゃ!?」
思わず声を上げてアリシアを見るが、アリシアも『見られたくない物を見られた』という顔をしている。
どうやらこの状況を知っていたようだ。
「その…ミスティー副長は…お片付けが苦手なようでして…」
ミスティーの部屋は、足の踏み場も無いほどに散らかり放題だった。
それぞれの居室は各自に管理を任せているから、メイドたちが片付けに入ることは無い。
それにしたって、この散らかり具合はどうだろうか。
見る限り、どうやら菓子袋などのゴミは無いようだ。
主にパジャマやTシャツなど、様々な着替えが散らばっている。
勿論、ブラやパンティーも例外ではない。
ミスティーはちゃんと洗濯された下着や服を身に付けているのか心配になって来る。
なんせ人数が多いので、メイドたちが大変だし洗濯物もゴチャゴチャになって誰の物か解らなくなってしまいそうなので、洗濯やアイロン掛けは各自でやってもらうシステムにしている。
自衛隊でもそうなっているし、制服を大事にしてもらう意味でもそうした方が良いと思ったんだ。
ちなみに、俺の洗濯物はサナが自分の物と一緒に洗濯してくれている。
「私は毎日お風呂の後で洗濯をしますけど、ミスティー副長とも何度かランドリー室でお会いしてますよ?」
アリシアは庇うように言うが、それはフォローになっていない。
洗濯の頻度は個人によって異なるようだが、アリシアのように毎日洗濯するか、少なくとも二日に一度は洗濯するのが平均的なようだ。
戦闘服なんかは一度の訓練で汚れるし、着替えの数も限られているはずだ。
ミスティーは一体、どうやって着回しているんだろうか?
そんなことを考えていたら
「英樹様!?どうしてここに!?」
ミスティーのTバックを手にしたまま振り向くと、ミスティーが立っていた。
「どうしてって、巡回に同行してたからだよ」
至極当たり前の事を当たり前に答える。
「それよりミスティー、この部屋の惨状を説明してくれるか?」
手にしたTバックをブンブンと回しながら追及する。
「そ…それは…!」
俺の手からTバックをひったくると、慌てて後ろに隠す。
どうやらこの状況を『恥ずかしい』ことだとは認識しているらしい。
「ミスティー、ちゃんと洗濯はしてるのか?」
「はい!それはちゃんと…!今も洗濯をしようと洗濯物を取りに来たんです!洗濯はしているんですが…、畳んで片付けるのが苦手で…」
そう言われてクローゼットを開いてみれば、制服や戦闘服はハンガーにちゃんと掛けてある。
なるほど。乾わかした後の事が出来ないわけか。
箪笥の引き出しを開いてみたが、数枚の新品らしい下着と靴下が入っている程度だった。
「ミスティー…、これは一度サテラやレイナに指導してもらった方が良さそうだな」
さっき見た隣のサテラの部屋は、乙女チックが過ぎることを除けばキチンと片付けられたキレイな部屋だった。
「それは…その…」
「サテラが怖いなら、使用人頭のクロエに指導してもらうか?」
使用人の皆の部屋は先日視察したが、すごく綺麗に片付けられていた。
「いえ!自分で…!必ず自分で片付けますので!」
「そうか。なら、洗濯機を回してる間に片付けるんだぞ」
「はい!すぐに片付けます!」
「後でまた見に来るからな。それまでに片付いてなかったら、王宮に返すぞ」
「はい!承知しました!!」
実際、ミスティーのことも愛しているのは事実だから、王宮に返すつもりは無い。
脅しとしては十分だろう。
サナとは朝も昼もセックスしたけど、夜だってしてもいいじゃないか!
当番も今夜で一巡することになるわけだが、なんだか凄く長かった。
あずさだけは経験済みだったが、処女の人数は総勢三十六名。
人数を改めて確認すると、何だか偉業を達成したような気分になって来る。
異世界に来てから、主にサナと毎日セックスをしているが、これだけセックスしても飽きることが無いのが不思議だ。
一度抱いた女の子はそれ以降二度と抱いていないかと言えば、そうでもない。
頻繁に二度三度とセックスを楽しんでいる。
訓練中に林の中で青姦したり…、掃除中のメイドをベッドルームに連れ込んだり…。
巡回中の騎士を全裸に剥いてプールに放り込んでみたり…。
遠慮せず好き放題にヤラせてもらっていたりする。
だって、生理中でもなければ誰も拒否しないんだもん!
嬉しくなってついつい手を出しちゃうのは仕方がないじゃないか!
今日の昼食後はサナが料理の研究会をしていたので、屋敷の中をウロウロと見て回っていた。
あと二日で引き渡しになる温泉を見に行って、そのついでと言っちゃなんだが、ミコトとセックスをしようかと思っていた。
でもミコトも忙しそうにしていたので、黙ってその場を離れた。
一人で淋しく歩いていると、二号館に差し掛かった所で人影を見掛けた。
あの赤髪のロングヘアと細い体にプリッと突き出されたように形の良いお尻は、騎士のアリシアだな。
クリップボードを持って歩いているところから、巡回任務の途中なんだろう。
うちの屋敷には『アリシア』という名前の女性が二人いる。
騎士のアリシアと、使用人のアリシアだ。
あと、エイミーという名前も二人だ。
これだけ人数が居れば、名前が被ることだって有るだろう。
声を掛けようと思ったら、アリシアがサッと振り返った。
右手がホルスターに収められた拳銃のグリップに掛かっていることから、不審者と思ったのかも知れない。
まぁ、騎士隊の居住棟である二号館は、この時間帯は無人なはずだからな。
そこに人の気配がすれば、警戒するのが当たり前だ。
つまり、アリシアは本来の仕事をしたのであって、巡回警備とは斯くあるべきだ。
「やぁ、アリシア。見回りお疲れ様」
右手を上げて、明るく声を掛ける。
「英樹様♡ お一人で如何なさったのです?」
アリシアは拳銃のグリップから手を離し、嬉しそうに駆け寄って来る。
駆け寄って来たアリシアを抱きとめて、キスをする。
アリシア・ローズマリー 19歳 真っ白な肌に赤髪で、ゴールドの瞳が美しい。
ローズマリー女爵家の長女で、妹が居ると聞いている。
植物が好きで自分の部屋でも鉢植えを育てている。小動物や子供にも好かれる優しい人柄で、本人も子供好きで街中でも子供たちの人気者だ。
髪や瞳の色は違うけれどサナと同じタイプの美少女で、見た目だけでなくその声にさえも癒し効果が有る。
一昨日処女を捧げてくれたばかりだが、どうやら本人はおっぱいの大きさにコンプレックスが有るようだ。
確かに屋敷の中では小振りなおっぱいかも知れないが、それはカラダが細いことが起因していると思う。
サナも細いカラダにHカップだが、アリシアは同じくらいカラダが細くてEカップ。
サナのたわわなおっぱいに比べたら確かに小さいし、他の騎士やメイドもGカップ以上が多いから、彼女たちから比べても小さめなのは事実かも知れない。
でも、日本の基準で見れば十分に美乳だし、ボリュームも十分だ。
比較するのもどうかと思うが、陽菜と同じくらいのサイズ感だしな。
だから決して『ちっぱい』ではないのだが、本人は納得していないようだ。
でも、毎日牛乳を飲んだり、未希やあずさから聞いたバストアップ効果のあるトレーニングを取り入れたりして努力していることは知っている。
その効果なのかは解らないが、すごく形が綺麗で魅力的なおっぱいであることも俺は知っている。
前回の初セックスでは試せなかったが、そのおっぱいの美しさは騎乗位で乱れさせると間違いなく映えるだろうから、是非とも試してみたい。
「珍しいですね。お一人でお散歩だなんて」
「たまにはね。仕事中に声を掛けてごめんね」
俺は暇を持て余した暇人だが、アリシアは仕事中の身だ。
「私、『英樹様に会いたい』って、ちょうど考えてました」
そうなんだ。可愛いことを言うなぁ。
「それは嬉しいな。ここで会えたのは運命かもね?」
「そうだといいな…。いいえ!きっとこれは運命です!」
俺に抱き付いたまま、力強く宣言するアリシアが可愛い。
「アリシアが良ければ、一緒に見回っても良いかい?」
「はい!ぜひ!!」
本当に嬉しそうな笑顔で応えてくれる。
その笑顔が可愛すぎて、本当に癒される。
三階建ての二号館は各階に十一の部屋が有るんだが、使っていない部屋も数部屋有るが、各員が自分の好きな部屋を選んで使ってもらっている。
二号館の巡回当番は各部屋のドアを開けられるマスターキーを持って巡回を行う。
これはメイドたちの居住棟である三号館の巡回当番も同じで、毎朝の点呼の時に宿直当番から引き継がれる。
アリシアも一階の巡回を終えて二階に移る所だったらしいので、一緒に階段を上がる。
「英樹様が二号館に来られるのは初めてではないですか?」
アリシアが楽しそうに聞いて来る。
「そう言われてみたら、そうだね」
確かに、受け渡しの日に各階をチラッと見ただけで、騎士たちが住み始めてから足を踏み入れるのは初めてだ。
各部屋のドアを一つずつ開けながら、巡回を進めて行く。
「こちらはサテラ隊長のお部屋です」
二階の真ん中の部屋の鍵を開けるが、ドアを開けてすぐの所に暖簾が掛けてあり、中が見えないようになっている。
「ん?中が見えないじゃないか」
思わず心の声が漏れてしまう。
「はい…。サテラ隊長はお部屋の中を見られるのがお好きではないようなんです…」
「ふぅん…」
お構いなしに部屋の中に入って行き、暖簾の中に首を突っ込む。
「な…なんだ?」
「こ…これは…?」
「ここはサテラの部屋だよね?」
「…はい。間違いなく、サテラ隊長のお部屋です」
そこはぬいぐるみやかわいい雑貨で埋め尽くされた、如何にも乙女な部屋だった。
いつも冷静で落ち着いていて、モデルの様にゴージャスなルックスでクールビューティーを絵に描いたようなサテラは、部屋もクールな装いなのかと思っていた。
しかし、そこはそれとは対極にあるような装いの部屋だった。
思わずセクシーなランジェリーに身を包んで、大きなぬいぐるみを抱き締めるサテラの姿を想像してしまった。
きっと、騎士隊長として部下には知られたくないんだろうな。
どこで手に入れたのか、デスクの上には俺の写真が額に入れて飾られている。
俺の写真と並べるように一冊の可愛らしいノートが置いてあったので、手に取って読んでみる。
『今日は朝から愛しい英樹様に声を掛けていただいた…』
『今日は巡回中に愛しの英樹様とお会いして、キスをしていただいた…』
『今日は愛しい英樹様の執務室で、愛する英樹様に抱いていただいた…』
等々、俺とのことが些細なことまで詳しく書かれていた。
「…アリシア、見なかったことにしてあげよう…」
「はい…」
きっと、この日記は俺には一番見られたくなかっただろうからな。
そっとドアを閉め、サテラの部屋を後にする。
仕事中のサテラは実に凛とした女性で見た目はSっぽいんだが、セックス中は従順なMっ娘になる。
どちらが本当のサテラなのかと思っていたが、『従順でピュアな少女』というのがサテラ本来の姿なんだろう。
次の部屋に向かう。
「こちらはミスティー副長のお部屋になります」
アリシアがドアを開くと、そこには信じられない光景が広がっていた。
「なんだこりゃ!?」
思わず声を上げてアリシアを見るが、アリシアも『見られたくない物を見られた』という顔をしている。
どうやらこの状況を知っていたようだ。
「その…ミスティー副長は…お片付けが苦手なようでして…」
ミスティーの部屋は、足の踏み場も無いほどに散らかり放題だった。
それぞれの居室は各自に管理を任せているから、メイドたちが片付けに入ることは無い。
それにしたって、この散らかり具合はどうだろうか。
見る限り、どうやら菓子袋などのゴミは無いようだ。
主にパジャマやTシャツなど、様々な着替えが散らばっている。
勿論、ブラやパンティーも例外ではない。
ミスティーはちゃんと洗濯された下着や服を身に付けているのか心配になって来る。
なんせ人数が多いので、メイドたちが大変だし洗濯物もゴチャゴチャになって誰の物か解らなくなってしまいそうなので、洗濯やアイロン掛けは各自でやってもらうシステムにしている。
自衛隊でもそうなっているし、制服を大事にしてもらう意味でもそうした方が良いと思ったんだ。
ちなみに、俺の洗濯物はサナが自分の物と一緒に洗濯してくれている。
「私は毎日お風呂の後で洗濯をしますけど、ミスティー副長とも何度かランドリー室でお会いしてますよ?」
アリシアは庇うように言うが、それはフォローになっていない。
洗濯の頻度は個人によって異なるようだが、アリシアのように毎日洗濯するか、少なくとも二日に一度は洗濯するのが平均的なようだ。
戦闘服なんかは一度の訓練で汚れるし、着替えの数も限られているはずだ。
ミスティーは一体、どうやって着回しているんだろうか?
そんなことを考えていたら
「英樹様!?どうしてここに!?」
ミスティーのTバックを手にしたまま振り向くと、ミスティーが立っていた。
「どうしてって、巡回に同行してたからだよ」
至極当たり前の事を当たり前に答える。
「それよりミスティー、この部屋の惨状を説明してくれるか?」
手にしたTバックをブンブンと回しながら追及する。
「そ…それは…!」
俺の手からTバックをひったくると、慌てて後ろに隠す。
どうやらこの状況を『恥ずかしい』ことだとは認識しているらしい。
「ミスティー、ちゃんと洗濯はしてるのか?」
「はい!それはちゃんと…!今も洗濯をしようと洗濯物を取りに来たんです!洗濯はしているんですが…、畳んで片付けるのが苦手で…」
そう言われてクローゼットを開いてみれば、制服や戦闘服はハンガーにちゃんと掛けてある。
なるほど。乾わかした後の事が出来ないわけか。
箪笥の引き出しを開いてみたが、数枚の新品らしい下着と靴下が入っている程度だった。
「ミスティー…、これは一度サテラやレイナに指導してもらった方が良さそうだな」
さっき見た隣のサテラの部屋は、乙女チックが過ぎることを除けばキチンと片付けられたキレイな部屋だった。
「それは…その…」
「サテラが怖いなら、使用人頭のクロエに指導してもらうか?」
使用人の皆の部屋は先日視察したが、すごく綺麗に片付けられていた。
「いえ!自分で…!必ず自分で片付けますので!」
「そうか。なら、洗濯機を回してる間に片付けるんだぞ」
「はい!すぐに片付けます!」
「後でまた見に来るからな。それまでに片付いてなかったら、王宮に返すぞ」
「はい!承知しました!!」
実際、ミスティーのことも愛しているのは事実だから、王宮に返すつもりは無い。
脅しとしては十分だろう。
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