異世界召喚されて神様貴族生活

シロイイヌZ

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第百話

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 夕食を済ませて、デザートを食べながら全体ミーティングを行う。
今夜の配膳当番と巡回当番には夕食が遅くなって申し訳ないけど、事が事だけに仕方がない。
「明日からラズロフ王国の砦奪還作戦を開始する」
と言う旨と
「新人使用人の射撃訓練の教官と留守中の警備主任に、未希を任命する」
という発表を行った。
 明日から砦の偵察と多目的誘導弾と機動戦闘車、榴弾砲の展開場所を視察する。
ラズロフ王城と砦が直線距離で十五キロメートルほどなのだが、もう少し砦に近付いて展開しようと思う。
併せて、狙撃要員と機銃要員を砦を左右から挟む形で一キロメートルほどの場所で展開し、砦から脱出を試みる魔族や魔物を迎撃。
俺と魔王討伐隊のメンバーは突撃班兼着弾観測員として待機する。
これと併せて誘導弾の赤外線照射も俺たちが担うことになった。
 砦には馬車でも行けるように道は整備されていると情報を貰っている。
馬車で行けるのなら軽装甲機動車や高機動車でも問題無く行けるはずなので、今回は二台に分乗して突撃する。
 騎士隊は榴弾砲要員を残して、多目的誘導弾要員は全弾発射して撤収後は即座にラズロフ側に出て来た敗残兵を殲滅する。
残った榴弾砲要員は、砦の制圧後に砦の頭上を越えて最大射程で魔族領内に有りったけの弾頭をぶち込む。
こちらの戦闘力の高さを思い知らせるためだ。

 「以上が今回の作戦の概略となる。質問が有る者は?」
レイナが隊員の挙手を請う。
「団長、私たち榴弾砲要員は突撃任務には当たらないとのことですが、それでもフル装備で現場に臨んでも構わないのでしょうか?」
第二騎士隊のハナが挙手して立ち上がり、質問する。
「うむ。敗残兵を撃ち漏らしたりした場合、自棄になって突撃してくる可能性も否めない。近接戦も視野に入れておかなければならないから、フル装備で現場に就いてくれ」
「了解しました」
 騎士たちの戦闘服にも、当然の様に魔術を付与してある。
だから怪我はしても死ぬことは無いんだが、俺はそれを騎士たちに伝えていない。
やっぱり、そんなことは知らなくて良い事だと思うんだ。
矢で射られても死ぬことは無い。顔や頭に当たっても撥ね返すだろう。
魔術付与のおかげで、戦闘服さえ着ていればゴーグルやヘルメットも必要ないはずだ。
銃の無いこの世界では、プレートキャリアだって無用の長物かも知れない。
 それでも、俺はそれらの装備を装着することを厳命している。
見た目がカッコイイからではない。
俺の大切な彼女たちが怪我をするリスクを、少しでも減らしたい。
『死なないから』と無謀な行動をせず、無傷で帰って来て欲しい。
それを願っているんだ。
 その後、数人が銃器の取り扱いや弾薬の補充について質問をして来たが、全てレイナやサテラ、ルコアが答えてくれていたので、俺は特に話すことは無かった。
 ただ、最後の締めで
「今回の作戦は訓練ではない。だが、今後の魔王城攻略に向けた演習であるとも言えなくもない。そして、騎士団が新しく編成されてから初めて全隊をあげての大きな作戦となる。諸君の日頃の働きを見ている限り不安は無いが、心して各々の任務に就いて欲しい。これまでの訓練の成果を発揮し、必ず作戦を成功させてくれると俺は確信している。騎士隊だけではない。メイドや使用人の皆の日々の働きや支えが有ってこそ、俺たちは戦う事が出来る。心から感謝する」
と発言すると、騎士隊からだけではなくメイドや使用人達からも歓声が上がる。
この屋敷の女性たちの結束の強さを、改めて感じることが出来た。

 奪還作戦のミーティングを終えて、今度はメイドたちを集める。
「朝食と夕食の時に『温かい食事を温かいままで提供したい』って言ってたよね?だから、保温機能が付いているトレーを用意しようと思うんだ。ここにカタログが有るから、〇印の付いている物から好きなのを皆で選んでよ」
と、皆の前にカタログを差し出す。
印を付けてある物は、全て電気を使わずお湯で保温できる物だ。
だから温まり過ぎず優しい温度で保温してくれるので、スクランブルエッグなども硬くならない。
「これは素敵ですね。特にこの品はお屋敷の雰囲気にも合ってますね」
サナが指さしたのは、ステンレス製で脚に飾りの付いたタイプだ。
「うん。良いと思うよ。急ぐ必要はないしそれ一つでなくて構わないから、皆でバイキングの品数やレイアウトを考えて、好きなのを選んでよ。あと、縫製工場の四人にも聞いてあげてね」
そう言うと、メイドも使用人も入り乱れて、皆でキャッキャと嬉しそうに話し合いを始める。
 美少女たちのこういう光景は、何度見ても和むなぁ。
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