異世界召喚されて神様貴族生活

シロイイヌZ

文字の大きさ
上 下
91 / 121

第九十一話(短編)

しおりを挟む
 朝、いつもの様にサナの『おはようフェラ』で起こしてもらう。
サナがエリスたちを起こしに行っている間に、トイレと洗面を済ませる。
それから戻ると、サナが着替えをさせてくれる。
今日もいつもと変わらず、サナは靴下まで履かせてくれる。
「本当にいつも済まないねぇ。サナさんや」
と、ふざけて言ってみる。
「良いんですよ~」
サナはおばあちゃんっぽく言って、俺に合わせてくれる。
そして二人で笑い合う。
今日も素敵な一日になりそうだ。

 朝食を食べにダイニングに行くと、もうほとんどの者が集まっている。
朝と夜はバイキング形式なので俺を待つ必要は無いんだが、何故か皆は俺が席に着くのを待っていてくれる。
「忙しいだろうし、俺を待つ必要は無いぞ」
と言っているんだが、俺が『いただきます』と言うのを待つのが習慣になっている。
俺の席は何故かいつも決められていて、誰もその席には座らない。
そして俺の左隣がサナの席で、右隣がエリス。これも決まっている。
エリスの横に魔王討伐隊の面々が並ぶんだが、俺の対面やサナの左隣がいつも取り合いになっている。
 レイナが俺の対面を騎士団長の権力で奪取しようとしたことが有るが
「団長、それは反則ですよ」
とサテラ、ルコア、アイナに咎められて以来、早い者勝ちになったようだ。
まぁ、仲良くやってくれれば、それで良いよ。
 今日の朝食はアジの開きと焼き鮭、味噌汁、卵焼き、ひじき、野菜の煮物、紅白なます、納豆、漬物、海苔、生卵。そして炊き立ての白米。
正真正銘、日本の朝ごはんだ。
これがまた、すごく評判が良い。
 来たばかりの新人使用人たちも、モリモリ食べてくれている。
ご飯のおかわりに立った時に
「異世界料理はどうだ?口に合うかい?」
と新人たちに尋ねると
「これは御館様の世界の食べ物なんですね。凄く美味しいです!」
と、嬉しそうに答えてくれた。
 新人のミレーユから
「御館様…。これからは毎日、こんなに美味しいご飯が食べられるんですか?」
と恐る恐る聞かれた。
「そうだよ。昼ご飯は一人当たりの量が決まっているけど、朝と夜は好きなだけ食べて良いんだよ。さぁ、もっとおかわりをして、たくさん食べなさい」
と言ってあげたら、喜んでおかわりに行ってくれた。
 メイドのクリスティーナが、隣に座る新人のドナに卵かけご飯を教えている。
「本当に美味しいから、食べてごらん」
と促されて恐々と一口目を食べたドナだが、その先はスプーンが止まらなくなっていた。
ドナは右腕を欠損していたが、今は復活した右手でスプーンやフォークを器用に動かして美味しそうにごはんを食べている。
長い間右手の無い生活を強いられていたせいか、まだ右手の動かし方に慣れないようだが、若いしすぐに慣れて、他の使用人たち同様にお箸も使えるようになるだろう。
 その光景が嬉しくて眺めていると
「ダーリン、如何なさいましたか?」
とサナが声を掛けてくれる。
「サナ、嬉しいと思わないか?」
ドナだけではなく、全ての新人を指して聞く。
「そうですね。昨日はあんなに悲しそうな目をしていたのに、今の彼女たちはとても嬉しそうな目をしていますね」
サナもその光景を微笑みながら見つめる。
「ダーリンはいつも正しいことしかなさいませんけど、奴隷解放は本当に素晴らしいお考えですね。ますますダーリンの事が大好きになりました♡」
嬉しいことを言ってくれるなぁ。
「お嬢さん、俺に惚れると火傷するぜ?」
またふざけて言う。
「ダーリンに惚れて火傷するのなら、その火傷は大歓迎です♡」
なんて可愛いことも言ってくれる。
つくづくサナと結婚して良かったな。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

月が導く異世界道中

あずみ 圭
ファンタジー
 月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。  真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。  彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。  これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。  漫遊編始めました。  外伝的何かとして「月が導く異世界道中extra」も投稿しています。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

処理中です...