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第九十一話(短編)
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朝、いつもの様にサナの『おはようフェラ』で起こしてもらう。
サナがエリスたちを起こしに行っている間に、トイレと洗面を済ませる。
それから戻ると、サナが着替えをさせてくれる。
今日もいつもと変わらず、サナは靴下まで履かせてくれる。
「本当にいつも済まないねぇ。サナさんや」
と、ふざけて言ってみる。
「良いんですよ~」
サナはおばあちゃんっぽく言って、俺に合わせてくれる。
そして二人で笑い合う。
今日も素敵な一日になりそうだ。
朝食を食べにダイニングに行くと、もうほとんどの者が集まっている。
朝と夜はバイキング形式なので俺を待つ必要は無いんだが、何故か皆は俺が席に着くのを待っていてくれる。
「忙しいだろうし、俺を待つ必要は無いぞ」
と言っているんだが、俺が『いただきます』と言うのを待つのが習慣になっている。
俺の席は何故かいつも決められていて、誰もその席には座らない。
そして俺の左隣がサナの席で、右隣がエリス。これも決まっている。
エリスの横に魔王討伐隊の面々が並ぶんだが、俺の対面やサナの左隣がいつも取り合いになっている。
レイナが俺の対面を騎士団長の権力で奪取しようとしたことが有るが
「団長、それは反則ですよ」
とサテラ、ルコア、アイナに咎められて以来、早い者勝ちになったようだ。
まぁ、仲良くやってくれれば、それで良いよ。
今日の朝食はアジの開きと焼き鮭、味噌汁、卵焼き、ひじき、野菜の煮物、紅白なます、納豆、漬物、海苔、生卵。そして炊き立ての白米。
正真正銘、日本の朝ごはんだ。
これがまた、すごく評判が良い。
来たばかりの新人使用人たちも、モリモリ食べてくれている。
ご飯のおかわりに立った時に
「異世界料理はどうだ?口に合うかい?」
と新人たちに尋ねると
「これは御館様の世界の食べ物なんですね。凄く美味しいです!」
と、嬉しそうに答えてくれた。
新人のミレーユから
「御館様…。これからは毎日、こんなに美味しいご飯が食べられるんですか?」
と恐る恐る聞かれた。
「そうだよ。昼ご飯は一人当たりの量が決まっているけど、朝と夜は好きなだけ食べて良いんだよ。さぁ、もっとおかわりをして、たくさん食べなさい」
と言ってあげたら、喜んでおかわりに行ってくれた。
メイドのクリスティーナが、隣に座る新人のドナに卵かけご飯を教えている。
「本当に美味しいから、食べてごらん」
と促されて恐々と一口目を食べたドナだが、その先はスプーンが止まらなくなっていた。
ドナは右腕を欠損していたが、今は復活した右手でスプーンやフォークを器用に動かして美味しそうにごはんを食べている。
長い間右手の無い生活を強いられていたせいか、まだ右手の動かし方に慣れないようだが、若いしすぐに慣れて、他の使用人たち同様にお箸も使えるようになるだろう。
その光景が嬉しくて眺めていると
「ダーリン、如何なさいましたか?」
とサナが声を掛けてくれる。
「サナ、嬉しいと思わないか?」
ドナだけではなく、全ての新人を指して聞く。
「そうですね。昨日はあんなに悲しそうな目をしていたのに、今の彼女たちはとても嬉しそうな目をしていますね」
サナもその光景を微笑みながら見つめる。
「ダーリンはいつも正しいことしかなさいませんけど、奴隷解放は本当に素晴らしいお考えですね。ますますダーリンの事が大好きになりました♡」
嬉しいことを言ってくれるなぁ。
「お嬢さん、俺に惚れると火傷するぜ?」
またふざけて言う。
「ダーリンに惚れて火傷するのなら、その火傷は大歓迎です♡」
なんて可愛いことも言ってくれる。
つくづくサナと結婚して良かったな。
サナがエリスたちを起こしに行っている間に、トイレと洗面を済ませる。
それから戻ると、サナが着替えをさせてくれる。
今日もいつもと変わらず、サナは靴下まで履かせてくれる。
「本当にいつも済まないねぇ。サナさんや」
と、ふざけて言ってみる。
「良いんですよ~」
サナはおばあちゃんっぽく言って、俺に合わせてくれる。
そして二人で笑い合う。
今日も素敵な一日になりそうだ。
朝食を食べにダイニングに行くと、もうほとんどの者が集まっている。
朝と夜はバイキング形式なので俺を待つ必要は無いんだが、何故か皆は俺が席に着くのを待っていてくれる。
「忙しいだろうし、俺を待つ必要は無いぞ」
と言っているんだが、俺が『いただきます』と言うのを待つのが習慣になっている。
俺の席は何故かいつも決められていて、誰もその席には座らない。
そして俺の左隣がサナの席で、右隣がエリス。これも決まっている。
エリスの横に魔王討伐隊の面々が並ぶんだが、俺の対面やサナの左隣がいつも取り合いになっている。
レイナが俺の対面を騎士団長の権力で奪取しようとしたことが有るが
「団長、それは反則ですよ」
とサテラ、ルコア、アイナに咎められて以来、早い者勝ちになったようだ。
まぁ、仲良くやってくれれば、それで良いよ。
今日の朝食はアジの開きと焼き鮭、味噌汁、卵焼き、ひじき、野菜の煮物、紅白なます、納豆、漬物、海苔、生卵。そして炊き立ての白米。
正真正銘、日本の朝ごはんだ。
これがまた、すごく評判が良い。
来たばかりの新人使用人たちも、モリモリ食べてくれている。
ご飯のおかわりに立った時に
「異世界料理はどうだ?口に合うかい?」
と新人たちに尋ねると
「これは御館様の世界の食べ物なんですね。凄く美味しいです!」
と、嬉しそうに答えてくれた。
新人のミレーユから
「御館様…。これからは毎日、こんなに美味しいご飯が食べられるんですか?」
と恐る恐る聞かれた。
「そうだよ。昼ご飯は一人当たりの量が決まっているけど、朝と夜は好きなだけ食べて良いんだよ。さぁ、もっとおかわりをして、たくさん食べなさい」
と言ってあげたら、喜んでおかわりに行ってくれた。
メイドのクリスティーナが、隣に座る新人のドナに卵かけご飯を教えている。
「本当に美味しいから、食べてごらん」
と促されて恐々と一口目を食べたドナだが、その先はスプーンが止まらなくなっていた。
ドナは右腕を欠損していたが、今は復活した右手でスプーンやフォークを器用に動かして美味しそうにごはんを食べている。
長い間右手の無い生活を強いられていたせいか、まだ右手の動かし方に慣れないようだが、若いしすぐに慣れて、他の使用人たち同様にお箸も使えるようになるだろう。
その光景が嬉しくて眺めていると
「ダーリン、如何なさいましたか?」
とサナが声を掛けてくれる。
「サナ、嬉しいと思わないか?」
ドナだけではなく、全ての新人を指して聞く。
「そうですね。昨日はあんなに悲しそうな目をしていたのに、今の彼女たちはとても嬉しそうな目をしていますね」
サナもその光景を微笑みながら見つめる。
「ダーリンはいつも正しいことしかなさいませんけど、奴隷解放は本当に素晴らしいお考えですね。ますますダーリンの事が大好きになりました♡」
嬉しいことを言ってくれるなぁ。
「お嬢さん、俺に惚れると火傷するぜ?」
またふざけて言う。
「ダーリンに惚れて火傷するのなら、その火傷は大歓迎です♡」
なんて可愛いことも言ってくれる。
つくづくサナと結婚して良かったな。
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