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第七十話
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深夜になって、俺の牢屋の前でランプを持った人物が止まる。
「安田伯爵…起きてください。…起きてください」
コソコソとした小声ではあるが、ハッキリ聞こえた。
腕時計を見ると午前一時を過ぎたばかり時間だが、こっちの世界じゃ未明もいいところだ。
ローブを着てフードを被っているから顔は見えないけど、声から推察すると若い女性のようだ。
「すぐに此処からお出しします」
そう言って鍵の束を取り出して扉の鍵を探そうとしている。
「どなたです?」
漸く鍵を探し当てて牢の中に入って来た女性は俺の問いに答える。
「私はバルバス帝国国王の王女、フレデリカと申します」
そう言って被っていたフードを外すと、綺麗な女性が顔を見せた。
「王女殿下ですか?」
「この度は私の父が大変なご無礼を致しました。誠に申し訳ありませんでした」
そう言って俺に頭を下げる仕草には、気品や育ちの良さを感じさせる。
王女と言うのは嘘ではないだろうけど、本当にあのデブの娘か?
「殿下が謝られるようなことではありません。お気になさらずに」
何事も無い風に手をヒラヒラと振る。
「寛大なお言葉、有り難く存じます」
そう言って、また深々と頭を下げる。
「それよりも殿下、こんな場所に如何なさったのです?」
「安田伯爵、貴方をお助けしに参りました」
はい?俺を助けるって、どういうこと?
「後のことは私たちで何とか致します。どうぞこのままお逃げになってください」
「何とかって…何をどうなさるおつもりなんですか?」
「私たちのことは良いのです。さぁ、どうぞお逃げください」
王女は俺の腕を引っ張り、牢屋から出そうとする。
「いや、私は逃げようと思えばすぐに逃げられるんです」
立ち上がって、鉄格子に手を伸ばすとそのままひん曲げて見せる。
「ほらね。いつだって逃げられたんですよ」
「まさかそんな!鉄格子がそんなに簡単に…!」
王女は信じられない物を見たような顔で俺を見る。
「そんなことは良いんです。それよりも少し話しませんか?お力になれることが有るかも知れません」
王女は話してくれた。
高額な税金に苦しめられる国民を見ていられないこと。
好き勝手に粛清を行い、自分と考えの合わない貴族や家臣を次々に処刑すること。
父王の考え方ややり方にはもう付いて行けないことなどだ。
明日には叔母である王妹と共に父王を打倒するために蜂起するとも教えてくれた。
なので、その前に関係の無い被害者を一人でも逃がしておこうと俺の所に来たそうだ。
「安田伯爵、少しだけお待ちいただいても構いませんか?」
「ご覧の通り囚われの身です。お待ちしますよ」
「すぐに戻って参ります」
王女は廊下を音も無く去って行ったが、程なくしてもう一人女性を連れて戻って来た。
その女性は三十代後半くらいだろうか?俺の好みではないけど成熟した女性だ。
「お待たせ致しました。此方は父王の妹、アイレス殿下です」
なるほど、さっき言ってた王妹か。
「安田伯爵、この度は他国の貴族であり大臣であられる貴殿にこのような失礼を働いてしまい、申し訳ございません。どうかお許しください」
アイレス殿下はそう言って王女と同じように頭を下げる。
「牢に投獄されるなんて初めての経験ですので、それなりに楽しんでましたよ」
まぁ、食事は酷かったけどな。食ってはいないけど。
「私たちとしては、レムリア王国との和平を心から願っています。ましてこの様に疲弊した国と対等に和平を結んで下さるなど、願っても無いことです」
普通に考えりゃそうだよな。
この国力が衰えまくった国と対等に和平を結びたがる国なんて、存在しないと思うよ。
俺の目を真っ直ぐに見つめて話すこの人たちは信用できそうだ。
「国王の意見に反対している言うのは、貴女方で間違いありませんね?」
「はい。私たちは王族ですのでこれまで生かされていましたが、これ以上はもう見ていられません。私たちと同様に兄王に反感を持つ者は家臣や貴族、騎士の中にも大勢います。その同志たちと、明日、蜂起致します」
と語ってくれた。
「解りました。私にお手伝い出来ることが有りますか?」
その言葉に、アイレス殿下は俺が曲げた鉄格子を振り返る。
「フレデリカから聞きましたが、本当に凄い力をお持ちなんですね…」
呆れたように首を振りながら溜息を吐く。
「えぇ。以前は戦うことを生業としていましたので、戦闘は得意中の得意です」
それから少し、明日の朝からの段取りを話した。
やはり国王や家臣の一部は俺を利用したかったようだ。
「明日の朝、兄王は貴方を謁見の間に呼び出し、この国に仕えるよう言ってくる筈です。それに従わなければ殺せとも命じていました」
そんなことだろうと思ってたよ。
「それは怖いですね。従うつもりは有りませんし、殺されるつもりも無いですけど」
「はい。それはハッキリと断ってください。その直後に私たちが一斉に蜂起し、王宮を制圧します。その際に戦闘が起きると思いますので、お力添え願えますか?」
断る理由など無いが、肝心の所が決まっていない。
「お力添えをすることはお約束します。ですが、確認したいことが有ります」
「はい。何なりとお聞きください」
「クーデターが成功したら、現国王の処遇は如何なさるおつもりですか?」
「…それはやはり…」
言葉に窮しているが、処刑にしたいのが本音だろうな。
「私は今、『失敗した場合は処刑されて命を落とし、成功した暁には国王を処刑して命を奪う。その覚悟は有るか?』と問うております」
畳み掛けるようなその問いに、二人は黙り込む。
アイレス殿下は王女のことを気に掛けているようだ。
そりゃそうだろうな。実の兄や親の命を奪うって話だもの。
どんな毒親だって親は親だ。躊躇いもするだろうよ。
「混乱に乗じて命を落としてもらう…のは如何ですか?」
二人に代わって俺が提案する。
「安田伯爵、私は覚悟できています。これ以上…これ以上、大事な民に苦難は強いることは出来ません」
王女は顔を上げ、俺の目を真っ直ぐに見て答えた。
「王女殿下、貴女は国王の娘です。クーデターが成功したところで、残った家臣や国民から何らかの責を問われる可能性が有ります。それでもそう言えますか?」
「それでも、これ以上父の横暴を許すことは出来ないです」
王女の瞳には確固とした決意が見える。
「ご覚悟、承りました。そのお役目、私が引き受けましょう」
俺はその瞳にそう応えた。
結局は明け方まで三人で話し合い、詳細を詰めた。
そして早朝、俺はまた屋敷に戻り、サナに事の次第を伝える。
そして朝風呂に入って、いつもの朝フェラをお願いしてサッパリしてから朝食を摂り、着替えを済ませて牢屋に戻る。
昨日と服装が変わっているが、誰も気付かないだろう。
それに気付かれたとしても、逆に脅威にしかならないと思う。
手ぶらで牢屋に入れた相手が着替えてたら、怖くないか?
つまり、それを狙ってのことだ。
八時半頃に騎士が朝食を持って来た。
もう朝飯は済ませてお腹は満足しているんだけどな。
しかし、この騎士は何か目配せをしている。
よく見ると器が乗ったトレーを支える手に、何か紙を持っている。
この騎士は王女やアイレス殿下のスパイか。
そう言えば、穏健派の騎士や貴族の席次を渡してくれると言っていた。
『であれば、貴族の方々は椅子に座ったままで頭を屈めるように。騎士の方々は武器を放棄してその場で伏せてください。でなければ、身の安全はお約束出来ません。席を立ったり武器を手にしていたら、容赦なく攻撃します』
と言い含めてある。
俺が誤って撃ってしまわないようにするための席次だが、どうやら穏健派を一か所に集めてくれたようだ。
そうしてくれるならば、誤射の危険性は減らすことが出来る。
俺が一読したことを確認した騎士は
「宜しくお願い致します」
と小声で言い残して去って行った。
九時半、先ほどとは違う騎士が扉を開けた。
「出るんだ」
また大勢の騎士に囲まれてフカフカの廊下を歩き、謁見室に通される。
端の方にアイレス殿下と王女が居る。その隣五人と後ろの騎士が穏健派だな。
互いにアイコンタクトを送り、それを確認する。
昨日と同様に遅れて来たおデブは、下卑たニヤニヤ顔で言った。
「最後のチャンスをくれてやろうじゃないか」
要らねーよ。クソが。
「余の家臣になれ。断るならば死刑だ」
このデブ、俺がそれで動じると思ってるのか?殺してみろよ。逆に殺してやる。
「この国のために働くのなら、相応の地位を与えると仰っているのだ。さぁ、答えよ」
横にいる家臣が鷹揚に言う。
「お断りだ。ボケカス」
そう言ってやった。
穏健派以外は誰も断ると思っていなかったんだろう。周囲がざわついている。
「なんと馬鹿な男だ!もうよい、今すぐ処刑して首をレムリアに送り付けてやれ!」
デブ王は俺の返答が相当に気に食わなかったのか、顔を真っ赤にしてそう叫んだ。
俺の後ろにいた騎士たちが俺を取り囲み、身体を押さえつけようとする。
それを振り払い、昨日と同じように騎士を投げ飛ばす。
その中の一人の首を左手で掴み、持ち上げる。
「貴様にも選ばせてやる。我がレムリア王国と和平を結ぶか?断るなら貴様を殺す」
デブ王に向かってハッキリと言ってやる。
「黙れぇっ!騎士ども、此奴を殺せぇっ!!」
なるほどね。それが答えというわけか。なら好都合だ。
騎士たちが一斉に剣を抜いて向かってくる。
穏健派を確認すると、指示通り貴族は頭を屈め、騎士は武器を棄てて伏せている。
掴んでいた騎士を放り投げて素早く自動小銃を呼び出し、チャージングハンドルを引いて弾丸を装填すると、向かってくる騎士をフルオートで掃射する。
「ぎゃぁぁぁっ!!」
「ぐわぁぁぁっ!!」
「ぐえぇぇぇっ!!」
騎士や衛兵たちが次々と真っ赤な血を吹き出して倒れて行く。
ペラペラな鎧なんて、矢には有効でも弾丸に対しては無力だな。
頭上に隠れている弓兵も察知していたので、それも撃ち殺す。
マガジンをタクティカルリロードして片っ端から騎士を撃ち、さらにリロードしてデブ王の側にいる家臣や立ち尽くしている貴族も撃ち殺す。
もう一度リロードして構え直す。
「やる気の有る者は来い。無いなら武器を棄て、両手を上げて降伏しろ」
「うおぉぉぉ…っ」
一人だけ立ち向かって来ようとしたガッツの有る騎士が居たが、ヘッドショットをキメてやる。
その光景を見て、死体の山の向こうで生き残りの騎士たちが武器を棄てる。
「両手を上げておけ。さもなければ容赦なく殺す」
再度そう通告すると、穏健派も含めてその場に居た全員が両手を上げる。
その中には、デブ王も居た。
「貴様はダメだ。和平を断ったら殺すと言ったはずだ」
自動小銃をデブ王に向けて言い放つ。
「和平を結ぼう!良いじゃないか!和平!!余も良い案だと思っていた!」
「ウソを吐くな。見苦しいぞ」
「助けてくれ!なんでもくれてやる!何が欲しい?金か!?地位か!?」
「そんなもん要らん。今のままで十分満足している」
「そうだ!娘をやろ…」
「残念ながら!俺には三十四人もの妻と婚約者たちが居る。それ以上増やすつもりは無い」
そう言って間合いを詰めていく。
ひでぇ父親だな。命欲しさに娘を差し出すってか。
デブ王は後退り、家臣の死体に躓いて派手に転び、小便を漏らす。
「ひぃっ!ひぃぃぃっ!お助けっ!お助けぇぇっ!」
激しくもがいて逃げようとするが、腰が抜けて立てないのか生まれたての小鹿のようになっている。
「滑稽だな。これが稀代の悪王の正体か」
そう言って嘲り笑ってやる。
「三秒やる。言い残したいことが有ったら言え」
「余…っ、余は…」
「1…」
「余は悪くないんだっ!悪いのは、魔族なんだ。余は騙されていただけで…」
「2」
言い残したいことを最後まで聞いてやらず、カウントも最後までせずにフルオートで全弾撃ち込んでやる。
「ぎぃやあぁぁぁぁっ!!!」
断末魔の叫びを上げて見るも無残な姿に変わり果てたデブ王を見る。
腸まで飛び散らせてボロ雑巾のようになっている。
5.56ミリ弾を三十発受けて生きているはずもないが、ダメ押しに拳銃で頭に9ミリ弾を一発撃ち込んでおいた。
俺の役目は終わった。
後はこの国に残った人たちの仕事だ。
俺が口を挟むことじゃない。
最後までこの場に残り顛末を見届けたアイレス殿下の所に行く。
「終わりましたね」
「はい…。安田伯爵にはどのようにお礼をすれば良いのか…」
「そんな物は必要ありません。それよりも大変なのはこれからです。クーデターは成功しましたが、どう国を立ち直らせるのか、それは貴女たち次第ですよ」
「安田伯爵、厚かましいお願いだと存じておりますが…、ご助力願えませんか…?」
「それは出来ません。部外者である私の役目は終わりました。後は貴女たち重臣が中心となって、国民のために立ち上がらなくてはならないのですよ」
「それは解っています!ですが…」
「そろそろお暇いたします。妻が屋敷で待っておりますし、私も妻に会いたいので」
殿下の言葉を手で制すると、そう言い残して謁見の間を出た。
城内は騒然としている。
どうやら、妃も死んだらしい。
いや、俺は何もしてないぞ。
教えてもらった階段の下を見ると、ど派手で悪趣味なドレスを着たおばさんが首をおかしな方向に曲げて死んでいる。
周辺にあらゆる宝物が散らばっているから、それを持って逃げようとして階段を踏み外したようだ。
なんて残念な最期なんだろうか。
でもまぁ、あの様子からして妃もデブ王の横暴に乗っかって良い思いをしていたみたいだし、自業自得だな。
階段を降りると妃の死体の横に王女が居た。
「これからが大変ですね」
と声を掛けた。
「安田伯爵…。母も失ってしまいました」
「そうですか…。失礼ながら、此方は実のお母上ですか?」
「はい…。父と一緒に好き放題でしたが、私には優しい母でした」
「それは残念ですね。お気落しの無きよう。こう言ってはなんですが、捕らえられて死刑にされるよりは良かったのではないでしょうか?」
「そうかも知れませんね。安田伯爵、この度はありがとうございました」
王女はそう言って頭を下げる。
「いいえ。私に出来ることをしたまでですよ」
「そんなことはありません!こんなにも助けていただけるとは思ってもいませんでした」
そう言って俺の両手を強く握って来る。
「先ほどの戦い、勇ましくて素敵でした。私、とても…」
あ、これはダメなヤツだ。
「そこまでに致しましょう」
そっと王女の手を離す。
「私には妻と婚約者が三十四人もおりますので」
「私もその中に加えてください!妻や婚約者でなくとも、妾でも構いません!どうか私を…!」
「王女殿下、今は気持ちが昂っているだけです。熱が冷めればこんなおっさんのことなど忘れてしまいますよ。それに、今はお国の大事な時です。そんな事をしている場合じゃないでしょう?」
「ですが、もうこの国に私の居場所は在りません…」
「だからこそ、ですよ」
口から出任せだ。
無責任だが、これ以上増えられても困るんだよな。
「今は貴女にしか出来ないことがきっと有ります。それが済んでからゆっくりと考えれば良い事です。きっと貴女のことを想うもっと素敵な男性が見つかりますよ」
そう言い残し、王女の肩をポンと叩いて小走りでその場を去る。
まぁ、これで諦めてくれるだろう。
王城の前の車寄せの混乱は治まっているようだが、俺が昨日錬成した車は見るも無残に破壊されて横転していた。
この世界には珍しい乗り物だし、デブ王の持ち物と勘違いされたんだろう。
錬成した物を再錬成したことは無いが、試してみよう。
破壊された車に手を当てて、日本で従姉妹が乗っているのと同じSUV風の軽自動車を錬成してみたんだが、思いの外上手く錬成できてしまった。
これは屋敷に帰ったら、メイドの皆に買い物用としてあげても良いかもな。
転移魔法で屋敷に帰ると、サナが飛び付いて来て放してくれない。
そのまま寝室に連れて行かれて、報告も済んでいないのにベッドに押し倒されて騎乗位でガッツリ抜かれてしまう。
こんなに積極的に髪を振り乱して腰を振りまくるサナも珍しい。
「淋しくて怖くて…昨夜は一睡も出来ませんでした…」
サナの欲望丸出しのセックスが済んでから、泣きながらそう言ってくれた。
もう二度と、サナにこんな思いはさせたくないな。
「安田伯爵…起きてください。…起きてください」
コソコソとした小声ではあるが、ハッキリ聞こえた。
腕時計を見ると午前一時を過ぎたばかり時間だが、こっちの世界じゃ未明もいいところだ。
ローブを着てフードを被っているから顔は見えないけど、声から推察すると若い女性のようだ。
「すぐに此処からお出しします」
そう言って鍵の束を取り出して扉の鍵を探そうとしている。
「どなたです?」
漸く鍵を探し当てて牢の中に入って来た女性は俺の問いに答える。
「私はバルバス帝国国王の王女、フレデリカと申します」
そう言って被っていたフードを外すと、綺麗な女性が顔を見せた。
「王女殿下ですか?」
「この度は私の父が大変なご無礼を致しました。誠に申し訳ありませんでした」
そう言って俺に頭を下げる仕草には、気品や育ちの良さを感じさせる。
王女と言うのは嘘ではないだろうけど、本当にあのデブの娘か?
「殿下が謝られるようなことではありません。お気になさらずに」
何事も無い風に手をヒラヒラと振る。
「寛大なお言葉、有り難く存じます」
そう言って、また深々と頭を下げる。
「それよりも殿下、こんな場所に如何なさったのです?」
「安田伯爵、貴方をお助けしに参りました」
はい?俺を助けるって、どういうこと?
「後のことは私たちで何とか致します。どうぞこのままお逃げになってください」
「何とかって…何をどうなさるおつもりなんですか?」
「私たちのことは良いのです。さぁ、どうぞお逃げください」
王女は俺の腕を引っ張り、牢屋から出そうとする。
「いや、私は逃げようと思えばすぐに逃げられるんです」
立ち上がって、鉄格子に手を伸ばすとそのままひん曲げて見せる。
「ほらね。いつだって逃げられたんですよ」
「まさかそんな!鉄格子がそんなに簡単に…!」
王女は信じられない物を見たような顔で俺を見る。
「そんなことは良いんです。それよりも少し話しませんか?お力になれることが有るかも知れません」
王女は話してくれた。
高額な税金に苦しめられる国民を見ていられないこと。
好き勝手に粛清を行い、自分と考えの合わない貴族や家臣を次々に処刑すること。
父王の考え方ややり方にはもう付いて行けないことなどだ。
明日には叔母である王妹と共に父王を打倒するために蜂起するとも教えてくれた。
なので、その前に関係の無い被害者を一人でも逃がしておこうと俺の所に来たそうだ。
「安田伯爵、少しだけお待ちいただいても構いませんか?」
「ご覧の通り囚われの身です。お待ちしますよ」
「すぐに戻って参ります」
王女は廊下を音も無く去って行ったが、程なくしてもう一人女性を連れて戻って来た。
その女性は三十代後半くらいだろうか?俺の好みではないけど成熟した女性だ。
「お待たせ致しました。此方は父王の妹、アイレス殿下です」
なるほど、さっき言ってた王妹か。
「安田伯爵、この度は他国の貴族であり大臣であられる貴殿にこのような失礼を働いてしまい、申し訳ございません。どうかお許しください」
アイレス殿下はそう言って王女と同じように頭を下げる。
「牢に投獄されるなんて初めての経験ですので、それなりに楽しんでましたよ」
まぁ、食事は酷かったけどな。食ってはいないけど。
「私たちとしては、レムリア王国との和平を心から願っています。ましてこの様に疲弊した国と対等に和平を結んで下さるなど、願っても無いことです」
普通に考えりゃそうだよな。
この国力が衰えまくった国と対等に和平を結びたがる国なんて、存在しないと思うよ。
俺の目を真っ直ぐに見つめて話すこの人たちは信用できそうだ。
「国王の意見に反対している言うのは、貴女方で間違いありませんね?」
「はい。私たちは王族ですのでこれまで生かされていましたが、これ以上はもう見ていられません。私たちと同様に兄王に反感を持つ者は家臣や貴族、騎士の中にも大勢います。その同志たちと、明日、蜂起致します」
と語ってくれた。
「解りました。私にお手伝い出来ることが有りますか?」
その言葉に、アイレス殿下は俺が曲げた鉄格子を振り返る。
「フレデリカから聞きましたが、本当に凄い力をお持ちなんですね…」
呆れたように首を振りながら溜息を吐く。
「えぇ。以前は戦うことを生業としていましたので、戦闘は得意中の得意です」
それから少し、明日の朝からの段取りを話した。
やはり国王や家臣の一部は俺を利用したかったようだ。
「明日の朝、兄王は貴方を謁見の間に呼び出し、この国に仕えるよう言ってくる筈です。それに従わなければ殺せとも命じていました」
そんなことだろうと思ってたよ。
「それは怖いですね。従うつもりは有りませんし、殺されるつもりも無いですけど」
「はい。それはハッキリと断ってください。その直後に私たちが一斉に蜂起し、王宮を制圧します。その際に戦闘が起きると思いますので、お力添え願えますか?」
断る理由など無いが、肝心の所が決まっていない。
「お力添えをすることはお約束します。ですが、確認したいことが有ります」
「はい。何なりとお聞きください」
「クーデターが成功したら、現国王の処遇は如何なさるおつもりですか?」
「…それはやはり…」
言葉に窮しているが、処刑にしたいのが本音だろうな。
「私は今、『失敗した場合は処刑されて命を落とし、成功した暁には国王を処刑して命を奪う。その覚悟は有るか?』と問うております」
畳み掛けるようなその問いに、二人は黙り込む。
アイレス殿下は王女のことを気に掛けているようだ。
そりゃそうだろうな。実の兄や親の命を奪うって話だもの。
どんな毒親だって親は親だ。躊躇いもするだろうよ。
「混乱に乗じて命を落としてもらう…のは如何ですか?」
二人に代わって俺が提案する。
「安田伯爵、私は覚悟できています。これ以上…これ以上、大事な民に苦難は強いることは出来ません」
王女は顔を上げ、俺の目を真っ直ぐに見て答えた。
「王女殿下、貴女は国王の娘です。クーデターが成功したところで、残った家臣や国民から何らかの責を問われる可能性が有ります。それでもそう言えますか?」
「それでも、これ以上父の横暴を許すことは出来ないです」
王女の瞳には確固とした決意が見える。
「ご覚悟、承りました。そのお役目、私が引き受けましょう」
俺はその瞳にそう応えた。
結局は明け方まで三人で話し合い、詳細を詰めた。
そして早朝、俺はまた屋敷に戻り、サナに事の次第を伝える。
そして朝風呂に入って、いつもの朝フェラをお願いしてサッパリしてから朝食を摂り、着替えを済ませて牢屋に戻る。
昨日と服装が変わっているが、誰も気付かないだろう。
それに気付かれたとしても、逆に脅威にしかならないと思う。
手ぶらで牢屋に入れた相手が着替えてたら、怖くないか?
つまり、それを狙ってのことだ。
八時半頃に騎士が朝食を持って来た。
もう朝飯は済ませてお腹は満足しているんだけどな。
しかし、この騎士は何か目配せをしている。
よく見ると器が乗ったトレーを支える手に、何か紙を持っている。
この騎士は王女やアイレス殿下のスパイか。
そう言えば、穏健派の騎士や貴族の席次を渡してくれると言っていた。
『であれば、貴族の方々は椅子に座ったままで頭を屈めるように。騎士の方々は武器を放棄してその場で伏せてください。でなければ、身の安全はお約束出来ません。席を立ったり武器を手にしていたら、容赦なく攻撃します』
と言い含めてある。
俺が誤って撃ってしまわないようにするための席次だが、どうやら穏健派を一か所に集めてくれたようだ。
そうしてくれるならば、誤射の危険性は減らすことが出来る。
俺が一読したことを確認した騎士は
「宜しくお願い致します」
と小声で言い残して去って行った。
九時半、先ほどとは違う騎士が扉を開けた。
「出るんだ」
また大勢の騎士に囲まれてフカフカの廊下を歩き、謁見室に通される。
端の方にアイレス殿下と王女が居る。その隣五人と後ろの騎士が穏健派だな。
互いにアイコンタクトを送り、それを確認する。
昨日と同様に遅れて来たおデブは、下卑たニヤニヤ顔で言った。
「最後のチャンスをくれてやろうじゃないか」
要らねーよ。クソが。
「余の家臣になれ。断るならば死刑だ」
このデブ、俺がそれで動じると思ってるのか?殺してみろよ。逆に殺してやる。
「この国のために働くのなら、相応の地位を与えると仰っているのだ。さぁ、答えよ」
横にいる家臣が鷹揚に言う。
「お断りだ。ボケカス」
そう言ってやった。
穏健派以外は誰も断ると思っていなかったんだろう。周囲がざわついている。
「なんと馬鹿な男だ!もうよい、今すぐ処刑して首をレムリアに送り付けてやれ!」
デブ王は俺の返答が相当に気に食わなかったのか、顔を真っ赤にしてそう叫んだ。
俺の後ろにいた騎士たちが俺を取り囲み、身体を押さえつけようとする。
それを振り払い、昨日と同じように騎士を投げ飛ばす。
その中の一人の首を左手で掴み、持ち上げる。
「貴様にも選ばせてやる。我がレムリア王国と和平を結ぶか?断るなら貴様を殺す」
デブ王に向かってハッキリと言ってやる。
「黙れぇっ!騎士ども、此奴を殺せぇっ!!」
なるほどね。それが答えというわけか。なら好都合だ。
騎士たちが一斉に剣を抜いて向かってくる。
穏健派を確認すると、指示通り貴族は頭を屈め、騎士は武器を棄てて伏せている。
掴んでいた騎士を放り投げて素早く自動小銃を呼び出し、チャージングハンドルを引いて弾丸を装填すると、向かってくる騎士をフルオートで掃射する。
「ぎゃぁぁぁっ!!」
「ぐわぁぁぁっ!!」
「ぐえぇぇぇっ!!」
騎士や衛兵たちが次々と真っ赤な血を吹き出して倒れて行く。
ペラペラな鎧なんて、矢には有効でも弾丸に対しては無力だな。
頭上に隠れている弓兵も察知していたので、それも撃ち殺す。
マガジンをタクティカルリロードして片っ端から騎士を撃ち、さらにリロードしてデブ王の側にいる家臣や立ち尽くしている貴族も撃ち殺す。
もう一度リロードして構え直す。
「やる気の有る者は来い。無いなら武器を棄て、両手を上げて降伏しろ」
「うおぉぉぉ…っ」
一人だけ立ち向かって来ようとしたガッツの有る騎士が居たが、ヘッドショットをキメてやる。
その光景を見て、死体の山の向こうで生き残りの騎士たちが武器を棄てる。
「両手を上げておけ。さもなければ容赦なく殺す」
再度そう通告すると、穏健派も含めてその場に居た全員が両手を上げる。
その中には、デブ王も居た。
「貴様はダメだ。和平を断ったら殺すと言ったはずだ」
自動小銃をデブ王に向けて言い放つ。
「和平を結ぼう!良いじゃないか!和平!!余も良い案だと思っていた!」
「ウソを吐くな。見苦しいぞ」
「助けてくれ!なんでもくれてやる!何が欲しい?金か!?地位か!?」
「そんなもん要らん。今のままで十分満足している」
「そうだ!娘をやろ…」
「残念ながら!俺には三十四人もの妻と婚約者たちが居る。それ以上増やすつもりは無い」
そう言って間合いを詰めていく。
ひでぇ父親だな。命欲しさに娘を差し出すってか。
デブ王は後退り、家臣の死体に躓いて派手に転び、小便を漏らす。
「ひぃっ!ひぃぃぃっ!お助けっ!お助けぇぇっ!」
激しくもがいて逃げようとするが、腰が抜けて立てないのか生まれたての小鹿のようになっている。
「滑稽だな。これが稀代の悪王の正体か」
そう言って嘲り笑ってやる。
「三秒やる。言い残したいことが有ったら言え」
「余…っ、余は…」
「1…」
「余は悪くないんだっ!悪いのは、魔族なんだ。余は騙されていただけで…」
「2」
言い残したいことを最後まで聞いてやらず、カウントも最後までせずにフルオートで全弾撃ち込んでやる。
「ぎぃやあぁぁぁぁっ!!!」
断末魔の叫びを上げて見るも無残な姿に変わり果てたデブ王を見る。
腸まで飛び散らせてボロ雑巾のようになっている。
5.56ミリ弾を三十発受けて生きているはずもないが、ダメ押しに拳銃で頭に9ミリ弾を一発撃ち込んでおいた。
俺の役目は終わった。
後はこの国に残った人たちの仕事だ。
俺が口を挟むことじゃない。
最後までこの場に残り顛末を見届けたアイレス殿下の所に行く。
「終わりましたね」
「はい…。安田伯爵にはどのようにお礼をすれば良いのか…」
「そんな物は必要ありません。それよりも大変なのはこれからです。クーデターは成功しましたが、どう国を立ち直らせるのか、それは貴女たち次第ですよ」
「安田伯爵、厚かましいお願いだと存じておりますが…、ご助力願えませんか…?」
「それは出来ません。部外者である私の役目は終わりました。後は貴女たち重臣が中心となって、国民のために立ち上がらなくてはならないのですよ」
「それは解っています!ですが…」
「そろそろお暇いたします。妻が屋敷で待っておりますし、私も妻に会いたいので」
殿下の言葉を手で制すると、そう言い残して謁見の間を出た。
城内は騒然としている。
どうやら、妃も死んだらしい。
いや、俺は何もしてないぞ。
教えてもらった階段の下を見ると、ど派手で悪趣味なドレスを着たおばさんが首をおかしな方向に曲げて死んでいる。
周辺にあらゆる宝物が散らばっているから、それを持って逃げようとして階段を踏み外したようだ。
なんて残念な最期なんだろうか。
でもまぁ、あの様子からして妃もデブ王の横暴に乗っかって良い思いをしていたみたいだし、自業自得だな。
階段を降りると妃の死体の横に王女が居た。
「これからが大変ですね」
と声を掛けた。
「安田伯爵…。母も失ってしまいました」
「そうですか…。失礼ながら、此方は実のお母上ですか?」
「はい…。父と一緒に好き放題でしたが、私には優しい母でした」
「それは残念ですね。お気落しの無きよう。こう言ってはなんですが、捕らえられて死刑にされるよりは良かったのではないでしょうか?」
「そうかも知れませんね。安田伯爵、この度はありがとうございました」
王女はそう言って頭を下げる。
「いいえ。私に出来ることをしたまでですよ」
「そんなことはありません!こんなにも助けていただけるとは思ってもいませんでした」
そう言って俺の両手を強く握って来る。
「先ほどの戦い、勇ましくて素敵でした。私、とても…」
あ、これはダメなヤツだ。
「そこまでに致しましょう」
そっと王女の手を離す。
「私には妻と婚約者が三十四人もおりますので」
「私もその中に加えてください!妻や婚約者でなくとも、妾でも構いません!どうか私を…!」
「王女殿下、今は気持ちが昂っているだけです。熱が冷めればこんなおっさんのことなど忘れてしまいますよ。それに、今はお国の大事な時です。そんな事をしている場合じゃないでしょう?」
「ですが、もうこの国に私の居場所は在りません…」
「だからこそ、ですよ」
口から出任せだ。
無責任だが、これ以上増えられても困るんだよな。
「今は貴女にしか出来ないことがきっと有ります。それが済んでからゆっくりと考えれば良い事です。きっと貴女のことを想うもっと素敵な男性が見つかりますよ」
そう言い残し、王女の肩をポンと叩いて小走りでその場を去る。
まぁ、これで諦めてくれるだろう。
王城の前の車寄せの混乱は治まっているようだが、俺が昨日錬成した車は見るも無残に破壊されて横転していた。
この世界には珍しい乗り物だし、デブ王の持ち物と勘違いされたんだろう。
錬成した物を再錬成したことは無いが、試してみよう。
破壊された車に手を当てて、日本で従姉妹が乗っているのと同じSUV風の軽自動車を錬成してみたんだが、思いの外上手く錬成できてしまった。
これは屋敷に帰ったら、メイドの皆に買い物用としてあげても良いかもな。
転移魔法で屋敷に帰ると、サナが飛び付いて来て放してくれない。
そのまま寝室に連れて行かれて、報告も済んでいないのにベッドに押し倒されて騎乗位でガッツリ抜かれてしまう。
こんなに積極的に髪を振り乱して腰を振りまくるサナも珍しい。
「淋しくて怖くて…昨夜は一睡も出来ませんでした…」
サナの欲望丸出しのセックスが済んでから、泣きながらそう言ってくれた。
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