【一話完結】３分で読める背筋の凍る怖い話

鏡

最近、鏡に違和感を抱いている。
鏡に映る自分が、おかしい。

ほんの、ほんのコンマ何秒か、遅れて動いている気がする。

違和感に気づいたのは1週間ほど前で、そのときは本当に些細なズレだった。

しかし、今日見てみると、ズレは大きくなっているように感じる。

誰かと一緒に映ったとき、自分の姿だけが遅れている。

しかし、自分以外の誰も、そのズレに気づかないようだった。









どんどんズレは開いていく。





ひずんでいく。




ゆがんでいく。




あれから何年か経った。




鏡に映る自分は、もうどれくらい過去の自分なのかわからない。
自分の今の姿を知ることができない。

今、鏡の前にたったとして、その姿がはっきりと映し出されるのは、いつになるのか。















はは、ははは。
ははは、はは。