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キンモクセイ
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金木犀の匂いが嫌いだ。
何だか甘ったるくて、気持ち悪いとさえ感じる。
自転車に乗りながら金木犀のそばを通ると、大量の匂いの塊を浴びることになる。
「オエー!」
そんな感じだ。
だからなるべく金木犀のそばを通らないようにしていた。
金木犀の匂いが好きだという人を遠ざけていた。
あの匂いを好んでいるのは、きっと何処かおかしいからだ。そう思っているから。
あの甘い匂い。吐き気を催す甘い匂い。
金木犀はその匂いで人を釣るんだ。
そしてその人を食ってしまう。
そんな気がしてならない。
「オエェ」
ここも金木犀の匂いがする。
気持ち悪い。
道を変えよう。
「オエェ」
気持ち悪い。
あっちへ行こう。
「オエェ」
こっちへ行こう。
「オエェ」
どこに行っても金木犀の匂いがする。
気持ちが悪い。
皆みんな金木犀の匂いに当てられておかしくなってるんだ。
だから庭に植えたりしてるんだ。
これじゃあ逃げ場がないじゃないか。
あっちへ行こう。
こっちへ行こう。
そっちへ行こう。
どっちへ行こう。
「オエェ」
「オエェ」
「オエェ」
そうか。そういうことか。
僕は金木犀に誘われていたんだ。
金木犀に釣られてしまったんだ。
「オエェ」
「オエェ」
もう、この匂いから逃げられないのかもしれない。
「オエェ」
ここから離れられないのかもしれない。
「存外、甘くていい匂いなのかもしれない」
「見て見て、また金木犀に釣られている人がいるよ。」
何だか甘ったるくて、気持ち悪いとさえ感じる。
自転車に乗りながら金木犀のそばを通ると、大量の匂いの塊を浴びることになる。
「オエー!」
そんな感じだ。
だからなるべく金木犀のそばを通らないようにしていた。
金木犀の匂いが好きだという人を遠ざけていた。
あの匂いを好んでいるのは、きっと何処かおかしいからだ。そう思っているから。
あの甘い匂い。吐き気を催す甘い匂い。
金木犀はその匂いで人を釣るんだ。
そしてその人を食ってしまう。
そんな気がしてならない。
「オエェ」
ここも金木犀の匂いがする。
気持ち悪い。
道を変えよう。
「オエェ」
気持ち悪い。
あっちへ行こう。
「オエェ」
こっちへ行こう。
「オエェ」
どこに行っても金木犀の匂いがする。
気持ちが悪い。
皆みんな金木犀の匂いに当てられておかしくなってるんだ。
だから庭に植えたりしてるんだ。
これじゃあ逃げ場がないじゃないか。
あっちへ行こう。
こっちへ行こう。
そっちへ行こう。
どっちへ行こう。
「オエェ」
「オエェ」
「オエェ」
そうか。そういうことか。
僕は金木犀に誘われていたんだ。
金木犀に釣られてしまったんだ。
「オエェ」
「オエェ」
もう、この匂いから逃げられないのかもしれない。
「オエェ」
ここから離れられないのかもしれない。
「存外、甘くていい匂いなのかもしれない」
「見て見て、また金木犀に釣られている人がいるよ。」
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