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サッカーボール
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公園のベンチで意味もなくスマホをいじっている。
バイトとバイトの間の隙間時間に、この公園でのんびりするのが好きだ。
スマホで何をするかも特に決めていない。
その日によって変わる。
今日はホントに何もすることがないから、元気にサッカーをして遊ぶ子どもたちをぼーっと眺めていた。
「何だか懐かしいな。あんな頃、俺にもあったなぁ」
まだ20代ではあるが、そんなセリフが出てくるくらいには生きている。
バイトバイトの毎日は楽しいときもあるが、虚しさが勝る夜も多い。
何者かに成りたい願望と、なれない現実。その葛藤に苦しむ。
意味もなくSNSを開いたとき、足先に何かがぶつかった。
見ると、それはサッカーボールだ。
きっと遊んでいて、あらぬ方向に飛ばしてしまったのだな。
ボールを抱え立ち上がる。
「おーい」
誰も居ない。
先程まで遊んでいた少年たちは一人も居らず、ガランとした空気が公園内を満たしている。
「怒ってないよ。ボール返すよ」
何度も声をかけたが、人っ子一人現れない。
逃げたにしても、その後ろ姿すら見えなかった。
「おーい」
これ、どうしよう。
置き場に困ったサッカーボールを見る。
「あれ?落としたかな?」
サッカーボールは確かに右手で持っていたはずなのに、どこにもない。
落とした音もしなかったし、足元に転がってもいない。
「あれ?」
うーん、と首をひねっていると、どこからか声が聞こえてきた。
子どもたちが遊んでいるような、楽しそうな声だった。
バイトとバイトの間の隙間時間に、この公園でのんびりするのが好きだ。
スマホで何をするかも特に決めていない。
その日によって変わる。
今日はホントに何もすることがないから、元気にサッカーをして遊ぶ子どもたちをぼーっと眺めていた。
「何だか懐かしいな。あんな頃、俺にもあったなぁ」
まだ20代ではあるが、そんなセリフが出てくるくらいには生きている。
バイトバイトの毎日は楽しいときもあるが、虚しさが勝る夜も多い。
何者かに成りたい願望と、なれない現実。その葛藤に苦しむ。
意味もなくSNSを開いたとき、足先に何かがぶつかった。
見ると、それはサッカーボールだ。
きっと遊んでいて、あらぬ方向に飛ばしてしまったのだな。
ボールを抱え立ち上がる。
「おーい」
誰も居ない。
先程まで遊んでいた少年たちは一人も居らず、ガランとした空気が公園内を満たしている。
「怒ってないよ。ボール返すよ」
何度も声をかけたが、人っ子一人現れない。
逃げたにしても、その後ろ姿すら見えなかった。
「おーい」
これ、どうしよう。
置き場に困ったサッカーボールを見る。
「あれ?落としたかな?」
サッカーボールは確かに右手で持っていたはずなのに、どこにもない。
落とした音もしなかったし、足元に転がってもいない。
「あれ?」
うーん、と首をひねっていると、どこからか声が聞こえてきた。
子どもたちが遊んでいるような、楽しそうな声だった。
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