ローザタニア王国物語

 昔々ある時あるところ、深い森と山に囲まれた自然豊かな小さな国がありました。
その国は色とりどりのたくさんの花が年中咲き乱れる、とても美しい国でした。
その王国の名前は『ローザタニア』。
そしてさまざまな花々に囲まれるようにそびえ立つ白い大きなお城には、若くして国王となった聰明で清廉な青年のウィリアム国王陛下と、その妹で光り輝く宝石のように美しく可憐と評判のプリンセス、シャルロット様が住んでおりました。
 さて今日もお城は穏やかに時が流れております。どこからともなく優雅なピアノの旋律が奏でられ、木々にとまる小鳥は朗らかに歌を奏でるようにさえずり、ポカポカと暖かな午後の日差しは庭でお昼寝をしている猫に優しく降り注いでおりました。
そんな優雅な午後の昼下がりでしたが、何やらバタバタと一人の女性がお城の中を駆け回っております。白髪頭の髪を結い上げて帽子の中に詰め込み、眼鏡が曇るくらいの勢いで走り回り誰かを探している様子です。廊下ですれ違う人に会うたび何かを聞いておりましたが皆首を左右に振り、そのたびにその老女はがっくりと肩を落としておりました。
探し疲れた老女が壁に手をついて溜息をついていると、そこに真っ白な制服に身を包んだ一人の青年と出くわしました。ことの経緯を説明するとその青年は眉間に思いっきり皺を寄せ、腕組みをして大きな溜息をつきだしました。しかしふと何か思い出され、その老女に告げると老女は青年の手を握り感謝を述べてまたバタバタと走り出しました。青年はやれやれ…と息を大きく吐かれると老女の後を追って歩き出しました。
今日も大変賑やかなローザタニア王国―――…少し一緒に覗いてみましょう。
24h.ポイント 0pt
0
小説 192,134 位 / 192,134件 ファンタジー 44,612 位 / 44,612件

あなたにおすすめの小説

夢見るピルタの昏睡魔法っ!

来我 春天(らいが しゅんてん)
ファンタジー
『俺の相棒になれよ。俺が力をつけるのに協力してくれたら、もしかしたら元の世界に帰れるかもしれないぜ?』 『ふぇっ!?』 ある日、夢の中から異世界へと『落っこちて』しまった少女、ピルタ。 何故か超強力な昏睡魔法を使えるようになっていたピルタは、偶然出会った幻獣ネムとともに 人々の『悪夢』を祓う依頼を受けながら、元の世界へと帰る手段を探す事となった。 一瞬で眠りに就かせるほどの強力な昏睡魔法を操るピルタと、『悪夢』を食べる事で力をつけていくネム。 いつものように『悪夢』を祓う仕事を請けたあと、報酬で美味しい夕ご飯を食べていたところ、 いきなり王家の騎士たちが押し掛けてきて、『王様があなたを探しています』と言う。 急遽王城へ赴いたピルタとネムは、異世界の王国を統治する国王レアリーダ三世より 『娘であり姫であるクエリが、毎夜のように『悪夢』に悩まされているので、その『悪夢』を消してほしい』 との依頼を受けるのだが……その依頼は、姫から実母の記憶を消してしまうための策略だった。 王の計略を知ったピルタとネムは、クエリ姫を連れて王城から逃げ出す。 二人の力により、クエリ姫は北の地ノルトアイルに追放されていた実母、マドラとの再会を果たしたが そこに疾風のごとく追跡してきた国王と騎士たちが迫り来る。 異常なまでの変貌を見せる国王と対峙したピルタとネムは、クエリ姫とマドラを守るために戦う。 異世界の月が照らす夜の丘で繰り広げられる戦いの最中、大勢の騎士たちに囲まれた二人は 王の計略を打破するために脅威の手段を採るのだった──────── ……なーんて、真面目っぽい雰囲気はここまでだッ! 『あらすじは淡々と書かれているほうがいいかなぁ?』……なんて思ったので上のように書きましたけどね! 物語の内容はほんわかコメディチックなギャグ小説です! 『幻獣ネム』ぅ!? 誰だそいつはッ! 作中じゃそんな名前で呼ばれませんよ! 『ネムちゃん』は小さなバクっぽい見た目の小動物! 盗んだ修道服を来て勝手に聖女を名乗る『ピルタ』! なんだオイ、ろくな登場人物ががいねぇなぁ!? そんな二人が繰り広げる、転移系異世界ファンタジー! ぜひご覧くださいませー!

聖女国盗り物語。-転移先は今日も雨だった。長崎じゃないよ、なぜって異世界だから-

ジェルミ
ファンタジー
魔力を溜めやっと脱出できた先は異世界だった。 その世界は千年前に魔法は廃れ、使える人はほとんどいない世界。 政権争いに巻き込まれた王女は、自分の父を次の王にするため聖女召喚を試みる。 召喚された半神、妖精のミリアと一緒に世界を周り、次元のほころびを塞いでいく。そして最後の1つとなった時に、次元のほころびに飲み込まれてしまった2人。 そこは争いが絶えず、王の権威も無くなった時代。 そんな群雄割拠の世界を、1つにまとめる国盗り物語。 ※カクヨム様にも掲載しております。

【取り下げ予定】愛されない妃ですので。

ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。 国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。 「僕はきみを愛していない」 はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。 『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。 (ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?) そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。 しかも、別の人間になっている? なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。 *年齢制限を18→15に変更しました。

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

もうすぐ、お別れの時間です

夕立悠理
恋愛
──期限つきの恋だった。そんなの、わかってた、はずだったのに。  親友の代わりに、王太子の婚約者となった、レオーネ。けれど、親友の病は治り、婚約は解消される。その翌日、なぜか目覚めると、王太子が親友を見初めるパーティーの日まで、時間が巻き戻っていた。けれど、そのパーティーで、親友ではなくレオーネが見初められ──。王太子のことを信じたいけれど、信じられない。そんな想いにゆれるレオーネにずっと幼なじみだと思っていたアルロが告白し──!?

お嬢様はお亡くなりになりました。

豆狸
恋愛
「お嬢様は……十日前にお亡くなりになりました」 「な……なにを言っている?」

強制無人島生活

デンヒロ
ファンタジー
主人公の名前は高松 真。 修学旅行中に乗っていたクルーズ船が事故に遭い、 救命いかだで脱出するも無人島に漂着してしまう。 更に一緒に流れ着いた者たちに追放された挙げ句に取り残されてしまった。 だが、助けた女の子たちと共に無人島でスローライフな日々を過ごすことに…… 果たして彼は無事に日本へ帰ることができるのか? 注意 この作品は作者のモチベーション維持のために少しずつ投稿します。 1話あたり300~1000文字くらいです。 ご了承のほどよろしくお願いします。

〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。

藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった…… 結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。 ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。 愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。 *設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 *全16話で完結になります。 *番外編、追加しました。