底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂

文字の大きさ
上 下
54 / 247
第2章

第19話

しおりを挟む

「ところでコレを孤児院として使おうと思っているんだけど止めた方がいいかな?
 今回連れて来た全ての子供達が入れる様にしたんだけど」
「やや大きいですけどいいと思いますよ」
「俺もそう思う」
「ミーツさんの子供達に対する思い遣りを考えると仕方ない事ですね」
「確かにな、あんたの非常識さを考えたら仕方ないな」

 ダニエル、ジョージ、アンソニー迄は良いと言ってくれてが、いつの間にか賢が復活して俺の非常識さを批判している。
 俺はコイツらの前でアパートとこの建物以外では魔法を使ってない筈だけど、何で俺の称号に常識が無い者があるの知っているんだろうか。

「結論から言うと孤児院として子供達のみんなの家として見たら問題ない!って事でいいんだよね。それと、賢は俺の何が非常識かキッチリと話し合わないといけない様だ」
「勘だ!俺のスキルの一つでもある直感力で分かるんだ。
鑑定スキルも持ってるが、アンタのステータスかレベルが高い所為で、名前とスキル以外は何も見えないからな!
 そして、スキルは変なスキル名で見えるんだ。俺たちは全員鑑定スキル持ちだけど、全員でアンタを鑑定しても、スキルは全員バラバラで見えるから、多分アンタ魔導具装着しているか隠蔽か偽装スキルを持ってるだろ?」
「ああ、偽装の魔導具をギルド証に装着している。ギルドの登録後にある取引でギルマスに付けてもらった」
「やっぱりな。因みに今の俺から見えるアンタのスキルは臭魔法、汚魔法、便魔法と見えるからな」
「俺からは火、水、土魔法で見える」
「俺からはハゲ魔法、メタボ魔法で見える」
「私からは虫歯魔法、頻尿魔法と見えます」

 賢から見たのが臭、汚、便魔法って何なんだよ!と思いつつも、訓練場で見たときコレだったから俺に使わせるのを止めさせたかったのだろうか。

 それに、ジョージのハゲにメタボってメタボ体型ではあるけど禿げてはないはずだ。
 アンソニーの虫歯、頻尿もってか魔法と関係無くないだろうに。
 完全に巫山戯ている。さっき言ってた建築物創造が入ってない。

「何なんだ!ダニエル以外は完全に悪口じゃないか!本当にそう見えているのか?
悪意を感じるぞ!」
「だからさっきアンタのスキルについてこっちで憶測で話しあったんだ」
「賢。イヤイヤそのまんまスルーするなよ。
鑑定持ってる人は、その鑑定を人に見せる事が出来るんじゃないか?」
「それ出来るの鑑定持ってる人なら誰でもじゃないんですよね。
俺たちの中では俺と賢とジョージだけが出来るから、俺が見たのは普通だからジョージが見たステータスで出します。
 ジョージお前が見たミーツさんのを出してくれ」
「分かった」

そうダニエルがジョージに指示をし、彼が返事をしてすぐに俺の名前などが宙に出てきた。


《名前》ミーツ
年齢40
レベルHPMP鑑定不能
筋力、体力、魔力、敏捷度、運、鑑定不能
《称号》鑑定不能
《スキル》****、****

「な?書いてあるだろ?」
「へえ、ジョージにはこう見えているのか」
「ですね。鑑定持ちでも、人によって見える物が違うみたいですね」


 ジョージが出した俺のステータス表記に賢は少し驚いたように見て、アンソニーはそう人によって違うことを言った。
 だけど、自分自身のステータスは見えるから鑑定持ってる人から見た状態がアレなんだろう。

「わかった。疑って悪かった。でも、無闇矢鱈と人を鑑定するのはどうかと思うよ」
「誰でもはしてねえよ。
黒髪と俺の直感や、コイツらのスキルに引っかかった奴くらいしかしてねえよ」

 成る程、賢の直感力のスキルは正直ヤバイみたいだ。仲間のスキルも、どんなスキルを持ってるか気になるけど、詮索はしないようにしないといけない。

「じゃ、シスター達を探そうか!」
「その必要は無さそうですよ?」
「どういう事だ?アンソニー」

 そう俺がアンソニーに聞くとアンソニーは廊下の先を指差した。
俺がそちらを見ると、タイミングよくシスター達が、玄関入口にいる俺達の方向に向かって来ていた。
 シスター達は我に返った時に俺が居なかったから部屋を探しに行ったのだろうか。

 それとも、単純に部屋を見て回っただけなのかは分からないが、戻って来たから探す手間が省けて、このままコレを孤児院として使う事にすると話してみるつもりでいた。

 そして、俺がシスターを呼ぼうとした瞬間、俺の腰辺りに後ろから衝撃が来て何が起きたか分からなかったが盛大に前方に転がった。
 俺が立ってた場所を見るとロイスが腰に手を着いて仁王立ちしていた。
 俺が口を開く前に彼女が俺に近寄り、馬乗りになって来た。

「昨日からの今日までのこの短時間でどうやって作ったのさ!」
「その前に俺からどけ!腰が痛いだろうが!」


 さっきの衝撃で腰を痛めた。
 だが、ロイスは気にせずに質問してきた。

「ボクの聞いた事を先に答えなよ!
そしたら退いてやるからさ!」
「じゃあ、賢たちにでも聞け!」
「何で賢達なのさ!関係無いじゃないか!」
「確かにな、でも俺が逆にロイスに何故言わないといけないんだ?」
「今、キミが言ったら外にいる冒険者達に説明できるだろ?
 ボクは皆んなの代表としてキミに着いてきたんだからさ!」

 確かに、こんな建物に壁に堀を見た後じゃ、依頼を達成しましたから、依頼料払ってハイさようならじゃ納得出来ないってのも頷けるが、依頼人である俺が隠したいのだから、あまり詮索しないのも冒険者としての在り方ではないのかと思ったが、帰ったあとにある程度報告しなければならない彼女らにどう話そうか悩む。

 俺が考えていると、俺とロイスを見下ろした天性のメンバーが俺の代わりに彼女に答えてくれた。

「ロイス、この建物や外のはコイツのミーツのスキルと無駄に有り余った体力で作ったものなんだぜ!」
「そうそう、賢の言う通りだよ。
スキルなんてそう簡単に人に言えないだろ?」

 そう賢とダニエルが答えてくれた。
 俺も彼らの話に乗ろうと思った。

「ダニエルの言う通りで秘密のスキルで作った物だ」
「ロイスも人に言えないスキルや称号はいくつか有るでしょう?あまり詮索はしない方がよろしいと思いますよ?」


 そう最後にアンソニーが、彼女を諭すように話してくれた。


「何だよ、何なんだよ!皆んなしてボクを非難するのかい?」
「非難じゃないさ、ただ簡単に誰にでもは言えないスキルがあるから賢たちは庇ってくれたんだよ。それで納得してくれないか?
特殊なスキルで作ったって事でさ」

 これで納得してくれないと俺が困る。
 実際に想像魔法なんて言ったってなんじゃそりゃ?って感じだし説明をしたくない。

「分かった!じゃあ、一回だけキミがそのスキルを使ってる所を見せてよ!」
「それは確かに気になるな!
俺たちも興味があるぜ」

彼女と賢がそう言ったことにより、俺が彼らの前で披露しなければならない状況になって、正直面倒だし嫌だけど、仕方なく彼らに見せるしかないと深いため息を吐いた。

「それしか無いなら仕方ない。
分かった!ただし、俺がこれから行うスキルについては他言無用だし、質問も無しだ!
分かったか?」
「見せてくれるならいいよ」
「俺たちは大体の予測はしているから分かっているが、見てみたいからな」

 そう簡単に言うけど何を作れば良いだろうか。賢たちの予測では建築物創造だった筈だから、一軒家でも建てれば良いかと思いつつも、井戸なんかじゃ納得してくれないよね。かなり、面倒だけどログハウスを作ることにした。

 一から基礎から皆んなに見られても大丈夫な様に手作りの動画を早送りで見ている様な想像をしようと思って皆を外に出てもらう事にした。





しおりを挟む
感想 302

あなたにおすすめの小説

病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~

於田縫紀
ファンタジー
 ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。  しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。  そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。  対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。

異世界でリサイクルショップ!俺の高価買取り!

理太郎
ファンタジー
坂木 新はリサイクルショップの店員だ。 ある日、買い取りで査定に不満を持った客に恨みを持たれてしまう。 仕事帰りに襲われて、気が付くと見知らぬ世界のベッドの上だった。

5歳で前世の記憶が混入してきた  --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--

ばふぉりん
ファンタジー
 「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」   〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は 「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」    この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。  剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。  そんな中、この五歳児が得たスキルは  □□□□  もはや文字ですら無かった ~~~~~~~~~~~~~~~~~  本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。  本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。  

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

知識スキルで異世界らいふ

チョッキリ
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。