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第6章
第19話
しおりを挟む決闘の話から数日経ち、俺はギルド本部のギルマス兼、書物塔の主に貰った冊子を読み尽くしていた。その間、ヤスドルは本部ギルドに鍛錬とレベル上げに行き、姐さんやシーバス兄妹は何処かに出掛け、皆んな夕方には帰ってくるという感じで、偶に身体を動かしたくなれば、帰ってきたヤスドルと宿の敷地内で軽い手合わせをする程度にしていた。
その様子を見ていた姐さんは羨ましそうに眺めていたものの、俺と姐さんが手合わせとはいえ戦えば、色々な物を壊してしまう結果となってしまいそうで、可哀想だが姐さんの視線は見ないようにしては次はあたしとと声を掛けてきた時には、また今度と避けていた。
そんなある日の昼間に何時ものように部屋でゴロゴロしていた時、窓を叩く音が聞こえ、窓を開けたら一枚の紙飛行機が部屋に入って来た。
紙飛行機は部屋に入ってくるなり、崩れて無くなってしまったものの、すぐに半透明の人のホログラフィーとしてギルドの受付嬢が現れた。
「ミーツさま、決闘の日にちが決まりましたので、ご報告致します。決闘はこの日から数えて三日後に決定致しました。決闘場所はギルド本部の裏にあります闘技場で行いますので、遅れないように申し上げます。なるべく、今日か明日までにギルド本部に一度お越し下さい」
受付嬢の映像はそれだけ伝えると霧散して消えた。面倒だと思いながらも、身支度をして一応、念の為に仮面を装着してギルド本部に瞬間転移をしたら、鉄格子の檻の中に転移してしまった。
「ハハハハ、馬鹿だ!馬鹿がいやがる。
未だに瞬間移動系で本部のギルドに入ろうとしやがるんだからな!」
檻からはギルドであろうフロアが見える、ただそこがギルド本部ってだけでどの階にいるかが分からない。
檻からはシオンが見えたものの、シオンはこちらに気付くことなく通り過ぎた。
こんな檻くらいなら簡単に壊せそうだが、下手に壊したら問題が起きそうで壊せない。
試しに鉄格子を少し摘んでみたら、ピリピリっと低周波みたいな痺れがくる程度で、少し力を入れたら檻の棒が潰れて手を離した。
檻に入っている俺を見ている他の冒険者たちは、指を指して笑っている中、一人の仮面を被った者が現れた。
「ふう、忠告するのを忘れていたとはいえ、まさか普通の転移で来るとは。
まあいいだろう、話がある、共に俺の部屋で話をしよう」
そう話す相手は本部のギルドマスターであった。彼が姿を現した途端に、彼を知らない冒険者たちは、俺に話しかける彼になんだこいつ?といった感じで視線を送っていたり、掴みかかる者もいる中、逆に彼のことを知っている高ランクの冒険者の手によって倒された。
「誰に手を出していると思っているんですか。
この本部のギルドマスターに手を出すとは、私が直々に殺しますよ?」
倒したのは蒼だった。彼は俺をチラッと見た後、ギルドマスターに一礼した。
「この者はこれから私の手によって処罰を与えますので、ご容赦して下さい。紅の所の下っ端ですので後日、紅に謝罪をさせに向かわせます」
彼はそう言うと、倒した冒険者の手を捻って何処かに連れて行った。
他に檻に入った俺をを指差して笑っていた人だかりは静まり返って、ギルマスが牢に近付く度に後退りして彼が通りやすいよう道ができる。
彼はため息を一つ吐いたのち、俺に向けて手を翳して光の魔法を放った。
放たれた光の魔法は俺を包み込み、目を開けると来たことのない部屋に転移した。
周りを見渡したら、複数のギルドの受付嬢らしき女性たちが一つ一つのデスクで作業をしていた。
「ギルドマスター!珍しいですね、どうされたのですか?」
「間違えた」
彼は転移する場所を間違えたようで、彼女らに一言、済まないがまた来ると言って、また転移したら、以前に来たことがある部屋に転移した。そう、ギルドマスターの部屋だ。
「ここならば、誰に聞かれることなく話せる。
説明するのも面倒だ。これを読んでおけ」
彼はため息を吐いて冊子を投げ寄越した。
ついでに仮面を変化させると言って、俺の着けてる仮面に手を置いて微変と唱えた。
そう言ったあと彼は、全身鏡を目の前に出して俺が自身を見えるようにしたら、仮面が微妙に変化していた。
模様が入ってなかった仮面には蔓のような模様が入っており、少し格好が良くなっている。
「先ほどの部屋は、俺の仕事を補佐してくれる秘書らのところだ。また今度別件で紹介してやろう。今はちゃんとそれを読んで、今後はこういうことがないようにしろ。それと、次に転移魔法を使う時は、想像魔法による転移にしておきなさい。あれならば、並大抵の阻害や結界は通るからな。最後にコレを持って行くといい。
前回渡すのを忘れていたからな」
彼はそう話したのち、最後に投げてきた物は、アマや他の冒険者たち持っていた浮かせていた記録用の玉だった。
「それともう一つ言うことがあったな。
お前たちが拠点としてる宿の近くに、とある人工ダンジョンがある。
そこにお前の仲間である鬼人の子が通っていると思うが、お前も今度一緒に行ってみるといい。あそこには、お前にとって役に立つ使い魔になる可能性があるヤツがいるからな。
どんなヤツかは見ての楽しみと思ってたらいい」
彼はそれだけ言うと、光線を出して俺を転移させた。
転移された場所はギルド本部内ではあるものの、本部の何処に転移させられたかまでは分からず、前回はどう動いたかなっと思いながらも、ぶらぶら歩いてみて、やはりまたも迷った。
時折柱に設置してある案内図を見ては動くも、自分自身が何処にいるのかが分からず、柱に背を預けて今日の所は宿に帰ろうかと思いながら先程ギルマスに貰った冊子に目を通す。
『ギルド本部、及び重要施設などの飛行、瞬間移動と転移の禁止について』
《施設の決められた指定の場所以外に、転移陣以外で転移した場合は強制で牢に入れられる。
釈放されるには、自身の身分証明をしてくれる人に来てもらうか、多額の罰金を払うことで釈放される。前科者や普段の行いが悪い者は、そのまま犯罪者が収容される牢獄ダンジョンに投獄される》
『ヤマトでの冒険者の活動について』
《ヤマト国内では、冒険者として活動するに至って監視と記録を同時に行う魔導具を使用することを厳守してもらう必要がある。
理由としては、依頼の不正や悪事を防止するためにある。ダンジョン内でのアイテムなどを狙った殺人も予防するためもある。その昔、ヤマトの冒険者の多くが、依頼の虚偽の報告や、依頼者や街人などの一般者に暴力沙汰などがあったためである。魔物討伐依頼や魔物の部位持ち帰り依頼などでは、ギルド証に記録されるが、そこまでの経緯や、その冒険者の人間性まで記録されないため、魔導具にて監視し記録までしなければならない。
この魔導具を使用しないで依頼達成しても報酬は貰えないか、半額以下になる。偶に貴族や秘密の依頼があった場合は使用しなくてもいいが、その場合は依頼者とギルドの了承が必要になる》
冊子は他にギルド内や街で禁止されていることが書かれているものの、他は冒険者同士の喧嘩は決闘で行うことや、ギルド職員に暴行をしたらいけないことなど、残りは読まなくても大丈夫そうなことが書かれていた。
「おうミーツか、こんな所でなにしてるんだ」
柱に寄りかかって冊子を読み終えて再び歩き出そうとしたとき、シオンが通りかかって俺に気付いて声を掛けてくれた。
「シオンか、よく俺のことが分かったね。
仮面が少し違っているのにさ」
「ん?そうか?何処が違うんだ?そう言われて見れば、ちょいと模様が入ったか」
彼は仮面が少し変わったくらいでは気が大して気にしてないようだ。
彼に見つかってしまった今、認識阻害の効果が機能してないのも問題である。
彼は度々ギルド本部を利用しているところから、どうして本部の方を利用しているかを聞いたところ、彼は自分の弟を含めた彼の国の情報を集めているのだとか。本部には世界各地の情報が集まることでこうして度々訪れているという。
他にも、本部の近くにある施設にも度々用があるとかで利用しているらしい。
既に弟や彼の国に関する資料については、レインから貰って分かっているらしいが、今現在の事細かな情報を知りたくて通っているのだとか。
因みに、あの国について聞いたところ、公(おおやけ)の場所では話せないとのことで、今度話すと言う彼の表情は暗かった。
そんな彼も俺が転移魔法を使ってギルドに飛んだら檻に入れられた話から、現在進行形で迷っていることを話したら、暗かった表情が何時もの表情に戻り、呆れたようにため息を吐いた。
「フッ、お前らしいな。お前が行きたい場所については、彼処にいる者に聞くといい。
そうしたら担当者が来てくれるだろう。
お前は今話題の決闘する者だから、お前が決闘に関する話をギルドの人間に言えば、誰でも案内してくれるだろう」
そう彼は暇そうにしているギルド職員のいる所に行き、俺の方を指差してなにやら話したあと、戻って来た。
「話は通した。俺が話した職員がお前を担当する者を連れて来るそうだ。このまま何処にも行かずに此処で待っていろ」
彼はそう言ったのち、また宿でなと言って去って行った。残された俺は言われたままに、この場で通り過ぎる人たちの人間観察をしつつも待っていたら、見覚えのある受付嬢がお待たせしましたとやって来た。
「あ、迷ってしまって、何処をどう行ったら分からずわざわざ来てもらって申し訳ない」
「いえ、こちらがお呼びしたのですから全く問題ありません。今回貴方を担当するハラミと申します。盗聴防止部屋で決闘についての取り決めをお聞きしましょう」
こうしてギルド職員のハラミと共に、決闘についての話し合いの為の部屋に案内された。
「では、対戦相手の方の要求は『ミーツと愉快な仲間たち』のメンバーであるアマとアミであるのは聞いてます。そちらの要求はなにかお聞きしても、よろしいでしょうか? メンバー二人ですので、要求も二つ仰って下さい。
相手方は土下座の要求もありますので、もしかしたら更にもう一つ要求ができるかも知れません」
部屋に通されて早速、椅子に座るなりそう彼女に言われ、俺の賭けに対する要求を伝えると、大きく目を見開き、パチパチと目の瞬きを数回したあと本当にそれだけでよろしいのでしょうか?と言われるも、俺の要求する意志は変わらないことを伝えたら、了承しましたと言い、このままお待ち下さいと言って部屋を出て行った。
今回、俺が相手に要求するのは名前の変更だった。相手の名前をあの後、帰る時にアマから聞いて直ぐに思いついた名前があって、今回の決闘で勝てば名前の変更と死んでも再変更ができないようにするというのが、今回の俺の要求で、名前についても当日勝った時に発表しようと思っている。しばらく待っていたら、彼女が戻って来て、今回の要求について問題ないことを報告してきた。
「では、本日より、三日後の闘技場入口でお待ちしております」
彼女はそう言って退出しようとしたとき、彼女を呼び止めた。闘技場の場所を聞こうと思ったからだった。
「あの、済みません。闘技場とは何処にあるのでしょうかね。なにぶん、ヤマトに入国して左程経ってないうえ、ここ最近は宿に籠りっぱなしでしたから」
「そうなのですね。それなら仕方ないですね。
では、現地へご案内します」
彼女はそう言ったのち、共に部屋を退出して途中で彼女の同僚に例の決闘の件の方を案内しますと言ったら、ギルド職員全員が知っているのか、その場にいた何人かの同僚たちは、好奇な目で俺を見ていた。
「さあ、ミーツさん行きましょう」
彼女の後ろを付いて行く形でギルド本部から出て、ギルド本部の外壁を大きく回って、裏手辺りにコロシアムのような建物が建っていた。
このコロシアムが闘技場らしく、闘技場では一般客用の出入口から、貴族用、選手用と分かれており、そのうちの選手用の出入口を案内をしてくれて、選手用の控え室や戦うための広さなどを見て回った。
闘技場で戦う時は結界が張ってあり、観客席に魔法や斬撃に飛び道具などが飛ぶ事はないそうだ。
戦う相手にも配慮がしてあって、戦闘不能レベルのダメージは結界から弾き出されて闘技場のグラウンドの壁際に設置されている野球場のベンチのような所に飛ばされるらしい。
ここまで聞いた話で、皇宮で戦った騎士団や紅蒼との結界と同じだと思った。
こういった闘技場は国内に幾つかあるようだが、このヤマトの皇都では、この闘技場だけで決闘や戦うイベントの時に使用することが多いのだとか。他にも事前に申請すれば、様々なイベントに使用することが可能らしい。
大規模の戦うイベント時では予選会場とかあって、この闘技場だけで全てを賄うわけではないようだ。
闘技場についてある程度案内されながら説明を聞いて、何か質問ありますかと言われ、今回の決闘について、どれほどの人間が周知して、どれほどの人間が来るのかを聞いたところ、闘技場の席全てのチケットが既に完売しているということに驚いた。
先ずチケット制であることにも驚いたが、金を払ってでも俺と相手の決闘が見たいのかと思ったものの、相手の知名度がそれだけ凄いということだと思いきや、そうではなく、今まで本当にいるかどうか分からなかったあの、武闘拳聖ダンクが所属しているパーティのリーダーが存在したことに皆んなが興味を持ったのだ。
ギルドはここ最近、武闘技祭以外での戦いを滅多にやらなくなった決闘を見せ物にしようと考え、主に街の依頼をこなしている一部の冒険者たちに伝えたところ、瞬く間に話が広がって、なんと!皇族まで見に来るのだとかに彼女も驚いて同僚と一緒に大興奮したらしい。
皇族が見に来ると聞いて、真っ先に頭に浮かんだのはレインだ。彼の神スキルである神の目さえあれば俺の決闘話はもちろんのこと、俺のことは全てギルドの地下ダンジョンで言い合いになっていた時から知っていても不思議ではない。だから、あのとき通話して来たのだったのだろう。先に釘を刺して置いて良かった。
彼女から他に質問がないかを聞かれ、もう思い付かないことから、この場で解散となって彼女はギルドに帰って行った。
闘技場からギルドを見て、初めてギルド本部の大きさが分かった。
ギルド本部は城の形をしていることに気付いた。闘技場から街並みがある程度一望でき、ギルド本部周辺は様々な店が立ち並び、全体的に活気付いている。
俺が泊まっている宿周辺とはえらい違いだ。
あの辺りは土地自体は所々余っているものの、全体的に暗くて、出歩く人にも笑顔がなく、常に回りを警戒しながら歩いている人が多いというのが印象的だった。
何故、同じ皇都なのにこれだけ違うのかについて宿に帰ったあと姐さんに聞いたところ、姐さんもよく分からないとのことで、額当て型の通信機を使って調べてみたら、皇都の区分けについてのことが分かった。
俺たちがいる地域はZ地区という場所で、皇都の中でも一番治安が悪く貧しいとされる地域のようだ。皇都でも治安の良さはA~Iまでが良くて、J~Vが普通でW~Zが悪いと書いてあった。貴族が住む地域はまた別にあるみたいで、アルファベットの中には入っていない。
ヤマトでもこれだけ貧富の差があるのは、働けるのに働かない人が一定数以上おり、そういった者たちが集まって犯罪などが起こるようになっていって悪い地域になっていったようだ。
皇都は膨大な広さなため、ギルド本部に近いA地区は何十ものギルドがある中、W~Z地区などは活気や治安が悪い地域はそれぞれ一つのギルドしかない。最後のZ地区は、ギルドの意味がないとさえ書かれていた。
そういうのは皇都を統治している皇族の豪雨やレインでは、どうすることもできないものか考えるも、俺が考えることでもないことだと思って、今度彼らと再会した時にでも今後、治安の悪い地域についての方策はあるのかを聞こうと思いながら通信機を閉じた。
決闘まで明日から数えて残り二日。この日は闘技場の下見やギルド本部の大きさ、決闘に関する取り決めなどをして終わった。
あと二日しかないと思ったらダンジョンに行くのも中途半端で困るものの、低難易度なダンジョンで身体をほぐすのも良いかも知れないと考え、明日は常に鍛錬やレベル上げに行っているであろう、ヤスドルと共にしようと隣でカレーの匂いを纏った彼の寝顔を見て就寝する。
ミーツが読んだ冊子の内容。
(この先は読んでも読まなくてもいい内容です)
『ステータス表示の違いと魔力とMPの呼び方について』
《ステータス表示は異世界転移者である日本人とそれ以外の国籍の人間とで、違って見えるという点について。
さまざまな人を調べた結果、転移者の日本人だけが数字と漢字があり混ざった表示になることが分かった。元の日本人であっても転生者はこれに値しない結果である。
全てではないが、色んな国々の転移者、転生者を調べた結果、中国のごく一部の転移者を除いて全ての者が、この世界の者と同じ表示と同じものである。
上大陸ではMPのことを魔力と呼ぶ、意味合いは同じだが、何故そう魔力と呼ぶようになっまかは分かっていない。
誰かがそう呼び始めたことで上大陸ではMPのことを魔力と呼ぶようになった。
下大陸では変わらずMPと呼んでいる》
『超越者と上大陸の人口について』
《超越者とはレベル99の壁を越えた者が得られる称号であり、普通に魔物や人を倒していれば自然とレベルは99に上がるが、それ以上のレベルに上がるには死線を越えなければならない。そして、超越者にも上位者下位者がおり、レベル100~300までが下位超越者で、レベル301~上は上位超越者である。
現代レベル300を越える者は一部で、百億人に一人くらいの割合で確認されている。
太古の時代なら100人に一人の割合でいた。
そして、神をも屠れるほどのレベルが1,000~未知数である。
1,000を越えたその時の称号は『神殺し』と表記される。
神を殺して称号を得られるのか、それともレベルが1,000を越えた時点で、その称号を得られるのかの確認は取れてないものの、本当に神をも殺せるかどうかは、そのレベルに到達した者にしか知ることが出来ないだろう。
神にも上位神と下位神がおり、下位神では上位超越者でも倒せる者はいるが、下位超越者では絶対に倒せない。
ヤマト国内にはエルフや獣人、ドワーフなどの全ての種族を合わせると全部で百兆人もの人口がいる。ヤマトを除く上大陸の全ての種族の人口は更に多い》
『冒険者のランク』
《本来、下大陸のギルドでの冒険者ランクは一般的にはSSSが最高ランクとされているが、ヤマトでは更に上のランクが存在しており、SSSの上がSSS+、X、XX、XXX、Zの五つのランクが存在している。
SSSからSSS+に昇格するだけでも、冒険者ランキングを勝ち上がらなければならない。
SSSランクだけでもランキング100があり、そのランキングの1位を1年以上か、大きな功績をあげることができればSSS+に昇格できる。
ランキングの変動は功績を上げることや、SSSランク同士の戦いに勝てば上がることができる。この説明文は本来なら、SSS上位者の冒険者のみに開示される説明である。
SSS+ランク以上に上がるには、上のランクの者を公式の場で倒すか、功績を上げないとなれない》
『ランクによる実力の差について』
《SSSとSSS+の実力差は、冒険者になりたての十代の子供と、そこそこ実力を身に付けた二十代の大人ほどの実力差があり、SSS+とXとの実力差は一般市民と武装騎士ほどの差がある。
XとXXはSSSとSSS+くらいの差でしかないが、XXXともなれば別である。
XXランクの実力者でもXXXランクにとったら、生まれたての赤子と熟練の武装騎士ほどの差がある。
Zランクともなれば、実力差を比べられる例えがなく、下位神だけじゃなく上位神すらも屠れるほどの力を身を身につく。そうなれば世界を我が物にすることは容易いだろう。
しかし、同じZランク同士だと、戦えば実力差がハッキリと分かる。
Zランクになって過去に世界を滅亡させようとする邪神龍相手だと神と共に戦っても、滅することは叶わず、封印することしかできなかった。
私は冒険者にそこまでの実力を身に付けることがないように心から願っている。
(ギルド創始者にて初代Zランカーより)
『ヤマトの超難関ダンジョン一覧』
《海底ダンジョン》
文字通り海の底にあるダンジョン難易度はSS~SSS
《天空のダンジョン》
空に浮かぶ浮島のダンジョンで難易度はSSS +~X
《地獄のダンジョン》
地獄を連想するかのようなダンジョンで、自殺の名所でも有名である。難易度はX~XXX
上記の三つのダンジョンは、学園都市と呼ばれる浮遊大陸にあるため、学園都市に行くことが許されない冒険者は入ることが出来ない。
《神の塔》
天にそびえるほどの高さがある塔で神が作ったといわれているダンジョン。
難易度は未知数。
《ヤマトへと続くダンジョン》
文字通りヤマトへと続くダンジョンであるが、難易度はそこそこ高く、ここをクリアしたら低ランクであっても無条件でSランクに昇格できる。難易度はAA~S
『監獄ダンジョン』
ヤマトで罪を犯した者が入るダンジョンで難易度は『?』である。
人によってはその難易度が変化するからだ。
内容としては地獄のダンジョンと似た感じだが、収監された者によってと場所によって違いがでる。
一連のダンジョンの難易度の表記はSランクだとSランクの五人パーティが挑んでクリアできるというものの目安。
一人だとSランクダンジョンは最低でもSSランクであることが必須である。
『SSSランクより上の冒険者証の色について』
《SSSランクより上のランクは、SSSの色の中に小さな星が一つ入る。SSS+は変化なしだが、Xランクだと星一つXXだと星二つといった感じで、最大で星三つまで入るようになっている。
そして、最高ランクのZになれば、ギルド証自体が一つの大きな星の形になる。ギルド証である首飾りでもカードでも同じ星形となるが、カードの場合は形そのものを変えるか、中の表示に大きく変えるかは選べるものの、最初に変えたら後々変更はできない。
最高ランクともなれば冒険者ギルドの制度すらも変えることができる。
だが、上大陸のヤマトの皇帝などの身分と同等になることは、絶対にない。
仮に最高ランク以外のギルドマスターが所属ギルドの制度を変えようとするものなら、重罪であるため、本部のギルドにバレたら最悪打首をされることもある。
それほど最高ランクは優遇されるのだ。
今まで最高ランクは一人しかいないが、数百年前ほど前に複数人の者が最高ランクになってしまったことがある。
その時は、誰が一番偉いかを揉めて、殺し合いの結果、ただ一人除いて皆死亡した。
稀にギルド証を不正する者が現れるが、不正したら上記の打首されるくらい罪が重い。
ギルド証は基本的に魔導具であるため、不正は出来ないとされているものの、その道に詳しい者が扱えば、ランクの書き換えが可能とされるが、ギルド証を製造し製造に関わった者たちは、特殊な物ゆえにかなり厳しい誓約書を書かされ、道具作りを辞めた者でも記憶を抹消されることがあるが、それらの誓約書や記憶の抹消から逃れた者たちが不正を行うことがあって、それらがバレて不正を行った者、依頼者共々見つけられた場合は問答無用で斬り伏せて良いとされる》
(過去に最高ランクになった者で、全ての男性のギルド職員をクビにして、自分だけに仕える女性のギルド職員のみで構成し、服装もバニーガールや下着エプロンにしようとした者がいたが、のちに同じ最高ランクの者に殺された。
残ったその者は今後、このようなことがないように、最高ランクの者の権限で最高ランクは一人になるようにした。次の最高ランク候補者は前の最高ランクを倒さなければなれない。
最高ランク者が誰もいない場合は、ギルド本部のマスターが決めていいことになっている)
『テイムについて』
《テイムは人それぞれのやり方があるものの、一般的にはテイムしたい魔物や魔獣を力で捩じ伏せてテイムするものだが、魔物魔獣によっては、その人の人柄や、魔力、見た目などでテイムされることがある。
つまり、テイムとは魔物、魔獣とのフィーリングが大事であるのだ。だからいくら力で屈服させても、テイム出来ないことなどザラである。ダンジョンなどの特殊な場所では、テイムは出来ないとされている理由については、人工ダンジョンにいる魔物は人の魔力で作られた魔物であるからテイム出来ない。
つまり間接的に人工的に作られた魔物だからテイムできないとされている。
では、自然にできたダンジョンの魔物はどうかといわれれば、ダンジョン核から生成された魔物は出来ないで、外から入ってきた魔物はテイムできるというのが、検証結果で分かったことである。
使い魔はテイムしたのが使い魔の全てではなく、召喚士などランダムに召喚した魔物がそのまま使い魔になるケースもある。
他にも、色々な方法で使い魔になる場合があり、魔物や魔獣を使い魔にしたら、使い魔が倒した魔物の経験値が主にも分配されるケースがある。
協力は魔物テイム冒険者数百名の協力の元、検証した結果である。
この検証結果を覆すことがあれば、著者まで一報を連絡先$%☆*〒〆まで》
『使い魔契約について』
《上大陸では、テイムして使い魔にした魔物は必ず誰の目にも分かるように契約しなければならない。
何故ならば、テイムもしてないのに、無理矢理使い魔にして契約できない魔物がいるからだ。そういった使い魔は、発見次第無条件で主諸共処分してもいいことになっている。
契約とは、テイムした使い魔に主の血を垂らすことで使い魔との繋がりが強固となる。
契約後は主が使い魔を手離さない限り、使い魔から裏切ることはない。ただし、主からの長期に渡る虐待などで使い魔の命が消えそうになった時は、使い魔側から主との契約を破棄ができる。
そうなれば、ただの魔物であるため、討伐対象となるも、使い魔側も主を殺すことができるため、使い魔を大切にするか、使い魔より強い主になることをお勧めする》
『ギルドとクランの違いについて』
《ギルドとは、一般的に一国とは別にある別組織である。だからといって、国々に存在するギルドは国に逆らってなんでもしていい訳ではない。国にあることで、ある程度は国からの指示を受けなければならない。
クランとはギルドの中に存在する部族のような存在である。一つのギルドに幾つものクランを設立できて、クランはパーティ人数が十人以上になれば設立できる。
パーティはその部族の中のチームのようなものでクランを設立したら、複数のパーティが入ってもクラン名の後にパーティが付くというものだ。
例えば『クラン名』ミーツと愉快な仲間たち。
『パーティ名』蒼紅。といった感じでパーティ名が削除されることはないものの、クランに加入させたパーティが不祥事を起こせば、クランの代表が責任を取らなければならない。
ギルドにいるからといっても、必ずパーティにいなきゃいけないわけではなく、単独で活動している人も勿論いる。
ギルドのギルドマスターが、クランや冒険者を除名にする権限があるものの、不当な除名宣告は大元の本部のギルドに報告すれば、厳正なる調査をして不当な除名が確定したら、除名にしたギルドマスターを辞めさせることができて、違うギルドマスターの元、元のギルドで復帰するか、新たにギルドを立ち上げる権限が許されることが出来る。その場合、ギルドマスターをクランの誰かがならなければならない。
クランの代表が加入したパーティや、仲間を除名処分するのは自由に出来る、どんな理不尽な理由だとしても、クランではそれが出来る。
ギルドがクランに対して出来ないことは、クランやパーティの冒険方針やパーティ加入への口利きなどである。ただし、所属のクランや冒険者に緊急依頼として強制的に働かせることが行使できるものの、緊急時の時のみなため頻繁にやってはいけない。
ギルドもクランからもらう恩恵はあって、ギルドに所属しているクランや冒険者の功績は所属ギルドの功績にもなって、底辺だったギルドが所属冒険者たちの活躍によって上位のギルドになることも珍しくない》
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スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
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