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第5章
第12話
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第12話
シロヤマのボロ屋から出た所で男たちに囲まれて、背後はボロ屋がある状況で退路が塞がれてしまった。
彼らは案内人であるシロヤマと共にダンジョンに行こうとしているなだけに、それなりの実力者なのだろうと思い、身構えて攻撃に備えていると、拳を振り上げてくる速度はシーバスと大して変わらなく、難なく避けることができた。
男たちの繰り出される数々の拳や蹴りを避けながらも、移動していたら、彼らの身体と身体の隙間を通り抜けた。
「クソが!ちょこまかとしやがって!」
「おい、このおっさん意外と強いんじゃねえか?」
「それでもおっさん一人だ。俺たちが負けるわけがねえ」
彼らは息を切らしながらも、まだまだ戦意は失ってはおらず、仕方なく殺気を使って睨むと彼らのうち二人は四つん這いになって過呼吸みたいになった。
「クソ、なんて殺気だ。だが俺も数多くの修羅場を潜り抜けてきたんだ。こんなおっさん如きに、負けてたまるかあ!」
「実力に差があるみたいだから手を出したくないんだけど、向かってくるなら仕方ないね」
まだ戦意を失ってない彼は拳を振り上げて向かってくるも、額にデコピンを手加減しながらやったら、シロヤマのいえまで飛んでいき、扉をバラバラに破壊してしまった。
手加減したとはいえ、殺してしまったかと思って駆け寄ると、呻き声をあげていることで死んでないことに安堵し、その場から逃げるように離れる。
離れたあとに買い物途中の、満面な笑顔のシロヤマに意外と楽しそうにしているシーバスを見かけた。シロヤマの家で起きた彼らについては、わざわざ知らせなくてもいいだろうと判断して、俺も街の散策をしていたら、宿に泣いて帰ったはずの、アマとアミが屋台の前で、なにやら俺の事を何か文句を言い合いながら、やけ食いをしている現場に遭遇してしまった。
「あ!おじさん!なんで追いかけてくれなかったの!普通追いかけてくれるでしょ!」
「いや、えっと、すまない。宿に帰っていると思って後ででも良いかなっと思って、それにさっきまでシーバスと一緒にヤマトの案内人の所に行っていたんだ」
「ミーツさん、シロヤマお姉さんの所に行っていたんですか?じゃあ、お姉さん依頼受けてくれたんですね」
「えー、おばちゃんと、もう会ったんだあ。
それでどうだった?おばちゃんおじさんに何か魔法使った?」
「もう、アマ。おばちゃんじゃなくて、お姉さんって言わなきゃ怒られるよ!」
「うん、魅了の魔法を使われたよ。危うく掛かっちゃう所だったけど、ロップが助けてくれたんだ」
「あー、そんなんだあ。魅了の魔法なんておばちゃん持ってたんだあ。今度教えてもらおっと」
アマは先程まで両手に持った肉刺しに齧りついていたのに、俺がシロヤマと会った話をした途端にシロヤマの話題に話が変わって、魅了の魔法を使ったシロヤマに今度教えてもらおうと言うアマには、なるべく今後は、アマとは二人っきりにならないようにしようと思った。
そんな彼女たちと話していると、彼女たちの後ろからそろりと、息を殺してやってくるシロヤマがやってきて、気づいている俺に人差し指を立てて、シーっと何も言うなと言わんばかりにジェスチャーをした。
「ほお、だ~れ~が!おばちゃんだって!」
「あ、シロヤマお姉さん。ほら~、だからおばちゃんなんて言っちゃダメだって言ったじゃない」
「やっぱりアマかあ~。こんな悪いことをいう子はお仕置きだよ」
「キャハハハハ、ごめんってごめんなさいってキャハハハハ、苦しいってキャハハハハ」
シロヤマはアマの脇をくすぐり、笑って息ができない彼女の脇をひたすらくすぐり続け、最後は泣き出したところでようやく、くすぐるのを止めた。
「お姉さん、やり過ぎです!
ほらアマも泣いてないで立って行こ」
「グスグス、うん。じゃあね。お姉ちゃん」
「うん!それでよろしい!またねアマにアミ」
彼女は満足したのか、腰に手を当てて屋台で肉串を買って美味そうに頬張っている。
「全く、お前はやり過ぎだ」
「でもシーバスは妹が酷い目にあっているのに、彼女を全く止める素振りもなかったけど、なんでなんだい?」
「そんなの俺には無理だ。こいつの実力を知っている奴だったら、近づこうともしないはずだ」
「そんなに彼女は強いんだね。だったらファミリーのときにでも仲間に入れたらよかったのに」
「それは、い、嫌だ。この国で活動している冒険者なら彼女のこと知らない者はいないから、仲間にいれたとか知れたらいい笑い者になるからな」
「シーバスゥ、ボクのことを婆さんって言ったね?キミもアマと一緒の刑だあ」
「うわ!や、止めろバカ」
彼が彼女のことを婆さんと言った途端、肉を頬張っていた彼女の手は肉を落とし、シーバスをくすぐり出したが、彼も抵抗して彼女を引き剥がそうとするものの、シーバスの力では引き剥がせないようだ。
「ああもう!すまん!俺が悪かった!だから許してくれ、婆さんと言ったのはただの照れ隠しだ!
お前をパーティに誘ったら、こうして気軽に誘えないだろが!」
「え~、シーバスそうなの?そうだったらそうだと早く言ってよね。まさかシーバスがボクのことをそんなに好きでいてくれていたなんて」
「ミーツさん、実はそういうことなんだ。
こいつの本当の年は250歳を越えてるのは知っているが、俺はこいつのことを好きなんだ。
だけど、仲間に誘えば仲間になることは間違いないだろうが、他の冒険者たちが黙ってはいられないだろうし、ファミリーのガーダンやジーラントたちも仲間に誘っていたから、俺が仲間にしたら絶対に取られていた。だから、今まで誘えなかったんだ」
彼女の口ぶりと種族が長命なエルフってこともあって、なんとなく結構な年なのだろうと思っていたが、まさか彼が彼女に好意を持っていたのに驚いた。
「シーバス!嬉しい!じゃあ、ボクたちは相思相愛なんだね」
「そ、そうだな。だけど、今俺はミーツさんのパーティに在籍している身だ。だがミーツさんが無事にヤマトに着くことができれば、俺はパーティから抜ける。そのときはお前と一緒パーティを組むのも悪くないだろう」
「それならボクがミーツくんのパーティに入ってあげるよ。それならボクもシーバスと同じ、愉快な仲間たちの一員だからね。
一仲間同士なら一緒に腕を組んで歩いても不思議じゃないもんね。
ミーツくん、ボクも仲間に入れてくれるよね?」
「俺はいいけど、アマたちがなんて言うかな」
「そんなの、ボクとシーバスのラブラブぶりを見せたら断れないの間違いないよ!」
こうして再びギルドに彼女のパーティ加入の手続きをしに向かうと、先程の男たちが何故か頭に黒のパンティを被ってふらふらと歩いていた。
「あーー!ボクの下着!この下着泥棒!」
「なに!俺の彼女の下着を盗む不届き者がまさかいるなんて」
「もう、シーバスったら、早速彼女呼びなんて恥ずかしいよ」
彼らに向かってシーバスは殴りかかるも、逆にカウンター気味で殴り返されて、そんな姿を見たシロヤマが、彼らに何か魔法でも使ったのか、急に彼らはうつ伏せに倒れた。
「先にボクのパンティは返してもらうよ」
彼女は頭に被ったパンティを奪い取ったあと「二度と顔を見せるなと言ったよね?」と付け加えて言い放つと、ぎりぎり顔を上げてたのが地面に埋まるくらい沈んだ。
「もう!ミーツくん!あの子たちを倒すなら、もっと徹底的に倒さなきゃダメじゃない!」
「え?俺が倒したの知っていたのかい?」
「もちろんだよ!ボクの探知能力はこの街全体に広がっているんだからね。この街で起きてる出来事は全部把握してるんだよ。だからミーツくんがボクの家の扉を壊したのも知ってるよ」
「なに!ミーツさん、家を壊したのか」
「いやたまたま、指で弾いたら扉まで飛んでいって壊れたってだけで、わざとやったわけじゃない。だけど、悪かった」
「ふふふ、いいよいいよ。ボクとシーバスが恋人同士になったのは、ミーツくんのお陰でもあるんだしね。どうせシーバスとヤマトに行くからあの小屋は潰さなきゃだしね」
流石に顔まで地面に埋まっていたら、窒息してしまうだろうと思って、うつ伏せで埋まっている男の頭に手を置こうとしたとき、ズンッと手に重力の負荷が掛かったものの、俺には特に問題ない程度なため、両手使って彼らの身体を掴んで引きずり出して仰向けで寝かしたら、やはり息が苦しかったのか、息を切らしながら深く息を吸い込んだ。
「もうミーツくん!もう少し苦しませないと!」
「いや、流石に息ができないのは酷いと思って」
「まあパーティリーダーがそう言うならしょうがないか。許してあげる。だけど、次にボクの周りをうろつくことがあれば、許さないからね」
彼女は深く息を吸い込んでいる彼らに近づいて一睨みすると、彼らも怖気付いたのか、ひいっと悲鳴を上げて顔を手で覆い隠した。
それからは今度こそギルドに行き、パーティメンバーの追加の申請をし、正式に『ミーツと愉快な仲間たち』のメンバーに加わったシロヤマだが、メンバー申請のときに本名を言わなくてはいけなくなったのだが、本名は『シマークス・ロビン・ヤモンスラン・マツボックリ』というなんとも長い名前を言ったことに驚いた。
それでは何故シマークスではないのかと言うと、ヤマトのギルド本部の偉い人がシロヤマと呼び出したことで、シロヤマの名が広まり、シマークスという名前を周りに訴えても、聞き入れてもらえなくて、仕方なくシロヤマと名乗ることになったそうだ。
てっきりシロヤマは転生者か、転生者の親が付けた名前だと思っていたのだが、元々の名前を短縮した呼び名だったことが判明した瞬間だった。
それをシロヤマの名前についてシーバスに聞けば、言ってなかったけかと、あっさりと返された。
シーバスと彼女を連れて宿に帰ると、既にシロも帰ってきており、そのまま俺の部屋に集まるように指示を出して集まってもらい、新しいパーティメンバーでシロヤマを紹介したら、アマだけが泣きながら反対したものの、シーバスの彼女になったことを話したら、それだと賛成と喜んで祝福した。
シロヤマのボロ屋から出た所で男たちに囲まれて、背後はボロ屋がある状況で退路が塞がれてしまった。
彼らは案内人であるシロヤマと共にダンジョンに行こうとしているなだけに、それなりの実力者なのだろうと思い、身構えて攻撃に備えていると、拳を振り上げてくる速度はシーバスと大して変わらなく、難なく避けることができた。
男たちの繰り出される数々の拳や蹴りを避けながらも、移動していたら、彼らの身体と身体の隙間を通り抜けた。
「クソが!ちょこまかとしやがって!」
「おい、このおっさん意外と強いんじゃねえか?」
「それでもおっさん一人だ。俺たちが負けるわけがねえ」
彼らは息を切らしながらも、まだまだ戦意は失ってはおらず、仕方なく殺気を使って睨むと彼らのうち二人は四つん這いになって過呼吸みたいになった。
「クソ、なんて殺気だ。だが俺も数多くの修羅場を潜り抜けてきたんだ。こんなおっさん如きに、負けてたまるかあ!」
「実力に差があるみたいだから手を出したくないんだけど、向かってくるなら仕方ないね」
まだ戦意を失ってない彼は拳を振り上げて向かってくるも、額にデコピンを手加減しながらやったら、シロヤマのいえまで飛んでいき、扉をバラバラに破壊してしまった。
手加減したとはいえ、殺してしまったかと思って駆け寄ると、呻き声をあげていることで死んでないことに安堵し、その場から逃げるように離れる。
離れたあとに買い物途中の、満面な笑顔のシロヤマに意外と楽しそうにしているシーバスを見かけた。シロヤマの家で起きた彼らについては、わざわざ知らせなくてもいいだろうと判断して、俺も街の散策をしていたら、宿に泣いて帰ったはずの、アマとアミが屋台の前で、なにやら俺の事を何か文句を言い合いながら、やけ食いをしている現場に遭遇してしまった。
「あ!おじさん!なんで追いかけてくれなかったの!普通追いかけてくれるでしょ!」
「いや、えっと、すまない。宿に帰っていると思って後ででも良いかなっと思って、それにさっきまでシーバスと一緒にヤマトの案内人の所に行っていたんだ」
「ミーツさん、シロヤマお姉さんの所に行っていたんですか?じゃあ、お姉さん依頼受けてくれたんですね」
「えー、おばちゃんと、もう会ったんだあ。
それでどうだった?おばちゃんおじさんに何か魔法使った?」
「もう、アマ。おばちゃんじゃなくて、お姉さんって言わなきゃ怒られるよ!」
「うん、魅了の魔法を使われたよ。危うく掛かっちゃう所だったけど、ロップが助けてくれたんだ」
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そんな彼女たちと話していると、彼女たちの後ろからそろりと、息を殺してやってくるシロヤマがやってきて、気づいている俺に人差し指を立てて、シーっと何も言うなと言わんばかりにジェスチャーをした。
「ほお、だ~れ~が!おばちゃんだって!」
「あ、シロヤマお姉さん。ほら~、だからおばちゃんなんて言っちゃダメだって言ったじゃない」
「やっぱりアマかあ~。こんな悪いことをいう子はお仕置きだよ」
「キャハハハハ、ごめんってごめんなさいってキャハハハハ、苦しいってキャハハハハ」
シロヤマはアマの脇をくすぐり、笑って息ができない彼女の脇をひたすらくすぐり続け、最後は泣き出したところでようやく、くすぐるのを止めた。
「お姉さん、やり過ぎです!
ほらアマも泣いてないで立って行こ」
「グスグス、うん。じゃあね。お姉ちゃん」
「うん!それでよろしい!またねアマにアミ」
彼女は満足したのか、腰に手を当てて屋台で肉串を買って美味そうに頬張っている。
「全く、お前はやり過ぎだ」
「でもシーバスは妹が酷い目にあっているのに、彼女を全く止める素振りもなかったけど、なんでなんだい?」
「そんなの俺には無理だ。こいつの実力を知っている奴だったら、近づこうともしないはずだ」
「そんなに彼女は強いんだね。だったらファミリーのときにでも仲間に入れたらよかったのに」
「それは、い、嫌だ。この国で活動している冒険者なら彼女のこと知らない者はいないから、仲間にいれたとか知れたらいい笑い者になるからな」
「シーバスゥ、ボクのことを婆さんって言ったね?キミもアマと一緒の刑だあ」
「うわ!や、止めろバカ」
彼が彼女のことを婆さんと言った途端、肉を頬張っていた彼女の手は肉を落とし、シーバスをくすぐり出したが、彼も抵抗して彼女を引き剥がそうとするものの、シーバスの力では引き剥がせないようだ。
「ああもう!すまん!俺が悪かった!だから許してくれ、婆さんと言ったのはただの照れ隠しだ!
お前をパーティに誘ったら、こうして気軽に誘えないだろが!」
「え~、シーバスそうなの?そうだったらそうだと早く言ってよね。まさかシーバスがボクのことをそんなに好きでいてくれていたなんて」
「ミーツさん、実はそういうことなんだ。
こいつの本当の年は250歳を越えてるのは知っているが、俺はこいつのことを好きなんだ。
だけど、仲間に誘えば仲間になることは間違いないだろうが、他の冒険者たちが黙ってはいられないだろうし、ファミリーのガーダンやジーラントたちも仲間に誘っていたから、俺が仲間にしたら絶対に取られていた。だから、今まで誘えなかったんだ」
彼女の口ぶりと種族が長命なエルフってこともあって、なんとなく結構な年なのだろうと思っていたが、まさか彼が彼女に好意を持っていたのに驚いた。
「シーバス!嬉しい!じゃあ、ボクたちは相思相愛なんだね」
「そ、そうだな。だけど、今俺はミーツさんのパーティに在籍している身だ。だがミーツさんが無事にヤマトに着くことができれば、俺はパーティから抜ける。そのときはお前と一緒パーティを組むのも悪くないだろう」
「それならボクがミーツくんのパーティに入ってあげるよ。それならボクもシーバスと同じ、愉快な仲間たちの一員だからね。
一仲間同士なら一緒に腕を組んで歩いても不思議じゃないもんね。
ミーツくん、ボクも仲間に入れてくれるよね?」
「俺はいいけど、アマたちがなんて言うかな」
「そんなの、ボクとシーバスのラブラブぶりを見せたら断れないの間違いないよ!」
こうして再びギルドに彼女のパーティ加入の手続きをしに向かうと、先程の男たちが何故か頭に黒のパンティを被ってふらふらと歩いていた。
「あーー!ボクの下着!この下着泥棒!」
「なに!俺の彼女の下着を盗む不届き者がまさかいるなんて」
「もう、シーバスったら、早速彼女呼びなんて恥ずかしいよ」
彼らに向かってシーバスは殴りかかるも、逆にカウンター気味で殴り返されて、そんな姿を見たシロヤマが、彼らに何か魔法でも使ったのか、急に彼らはうつ伏せに倒れた。
「先にボクのパンティは返してもらうよ」
彼女は頭に被ったパンティを奪い取ったあと「二度と顔を見せるなと言ったよね?」と付け加えて言い放つと、ぎりぎり顔を上げてたのが地面に埋まるくらい沈んだ。
「もう!ミーツくん!あの子たちを倒すなら、もっと徹底的に倒さなきゃダメじゃない!」
「え?俺が倒したの知っていたのかい?」
「もちろんだよ!ボクの探知能力はこの街全体に広がっているんだからね。この街で起きてる出来事は全部把握してるんだよ。だからミーツくんがボクの家の扉を壊したのも知ってるよ」
「なに!ミーツさん、家を壊したのか」
「いやたまたま、指で弾いたら扉まで飛んでいって壊れたってだけで、わざとやったわけじゃない。だけど、悪かった」
「ふふふ、いいよいいよ。ボクとシーバスが恋人同士になったのは、ミーツくんのお陰でもあるんだしね。どうせシーバスとヤマトに行くからあの小屋は潰さなきゃだしね」
流石に顔まで地面に埋まっていたら、窒息してしまうだろうと思って、うつ伏せで埋まっている男の頭に手を置こうとしたとき、ズンッと手に重力の負荷が掛かったものの、俺には特に問題ない程度なため、両手使って彼らの身体を掴んで引きずり出して仰向けで寝かしたら、やはり息が苦しかったのか、息を切らしながら深く息を吸い込んだ。
「もうミーツくん!もう少し苦しませないと!」
「いや、流石に息ができないのは酷いと思って」
「まあパーティリーダーがそう言うならしょうがないか。許してあげる。だけど、次にボクの周りをうろつくことがあれば、許さないからね」
彼女は深く息を吸い込んでいる彼らに近づいて一睨みすると、彼らも怖気付いたのか、ひいっと悲鳴を上げて顔を手で覆い隠した。
それからは今度こそギルドに行き、パーティメンバーの追加の申請をし、正式に『ミーツと愉快な仲間たち』のメンバーに加わったシロヤマだが、メンバー申請のときに本名を言わなくてはいけなくなったのだが、本名は『シマークス・ロビン・ヤモンスラン・マツボックリ』というなんとも長い名前を言ったことに驚いた。
それでは何故シマークスではないのかと言うと、ヤマトのギルド本部の偉い人がシロヤマと呼び出したことで、シロヤマの名が広まり、シマークスという名前を周りに訴えても、聞き入れてもらえなくて、仕方なくシロヤマと名乗ることになったそうだ。
てっきりシロヤマは転生者か、転生者の親が付けた名前だと思っていたのだが、元々の名前を短縮した呼び名だったことが判明した瞬間だった。
それをシロヤマの名前についてシーバスに聞けば、言ってなかったけかと、あっさりと返された。
シーバスと彼女を連れて宿に帰ると、既にシロも帰ってきており、そのまま俺の部屋に集まるように指示を出して集まってもらい、新しいパーティメンバーでシロヤマを紹介したら、アマだけが泣きながら反対したものの、シーバスの彼女になったことを話したら、それだと賛成と喜んで祝福した。
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