底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂

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第4章

第44話

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第44話

「さん」「っさん!」「おっさんってば!」


誰かに呼ばれた?そう思って荷車の方を振り向くとグレムが俺の頭に拳骨をした。

「おっさんが悪いんだぞ!何度も呼んでるけど来ないからよ!おっさんのメシが冷めちまったよ」


どうやら日記を集中して読んでいた所為か、グレムの呼んでいる声が全く耳に入らなかったようだ。しかしマリエさんのお母さんのマリコさんは亡くなってなかったんだな。
本当に遠い所に行っているだけだったなんてな。

しかも、またしても仮面の男でひょっとこのお面ってアイツの事だよな。日記の自伝の内容を思い出すとグレムが一緒に活動したってのも同じ男だろう。

ヤツは何者なんだろうか。いずれにせよ大和に行けば分かる事かも知れない。

「おっさん!いい加減にしろよ!」


おっと、まだ考え事をしていた所為でグレムが怒鳴っている。やれやれと思いながら重い腰を上げてグレムの元に向かい、冷めているというメシを見ると皿にちょこんと肉の塊と気持ち程度のキャベツを千切った物があった。


「え?コレだけ?俺、結構沢山のブロック肉と野菜出したんだけど」

「おっさんが遅いから食っちまったよ」

「おじさま、申し訳ございません。肉も新鮮な野菜も皆んな久しぶり過ぎて直ぐになくなってしまったんですけど、少しでもと確保できたのがコレだけです」


マリエさんは本当に申し訳なさそうに頭を下げた。グレムは小指の爪を使って歯に挟まってる肉を取っているようで、ちょっとイラッとした。

だが、グレムの言う通り、メシの準備が出来て呼んでいるのに日記に集中しすぎて行かなかった俺が悪いと思い直して、冷めきった肉と野菜を想像魔法でレンジでチンしたみたいにホカホカに温めて、それを野菜で肉を包んで一口で食べるとグレムがギロッと睨んだ。


「おっさんズリィよ。冷めた肉を火も使わずに温めるなんてよ。どうやったんだよ。今度こそ教えろよ」

「なんだ。そんな事か、秘密のスキルでだよ。
そんな事より、グレムは真理子さんに戦闘の訓練を付けてもらったんだろ?」

「ああ、付けてもらったけど、あのおばちゃん教えが悪いからあまり身につかなかったな。大体なんで、おっさんがそんな事を知っているんだ?」

「それはマリエさんが渡してくれた日記を読んだからだよ。日記内にはグレムの名前は一切書いてないけど、読んだら青年がグレムだって事は直ぐに分かるよ」

「おっさん、アレが読めるのか?
前にマリエが開いた時、なんて書いてあるか全く読めなかったぜ。マリエも殆ど読めてなかったのに、おっさんは読めたのか?」

「え?マリエさん読めないの?
真理子さんの日記には日本の文字を覚えさせたと書いてあったけど」

「はい。実はお母さんの手前覚えたと言っていたんですが、実はあまり覚えてなかったんです。
というか忘れてしまいました。覚えたのはグレムと出会う幼少の頃でしたから。ただお母さんは日記を私に渡して、先に行ってるからとだけ言って、出て行ってしまったですから…」


成る程、マリエさんはお母さんである真理子さんが何処に行ったを知らないでいるみたいだ。

「マリエさんはお母さんの元に行きたいかい?」

「おじさまは知っているんですか?」

「うん、日記に書いてあった。
お母さんの真理子さんが行った先は大和だよ。
マリエさんに行くかどうか聞いたと書いてあったけど覚えてないの?」

「あ!そうでした。今、思い出しました。
あの時はグレムと離れ離れになるのが嫌で行かなかったんです。今でもグレムが大和に行かないと言えば私も行く気ないです」

「そっか、分かった。マリエさんが行く気があるなら、一緒に連れて行こうと思っていたけど行く気がないなら仕方ない」

「おっさん、腹減ったぜ。
まだ肉持ってんだろ?出してくれよ」

「グレム!食べたばっかりじゃない。
それに子供達も我慢してるのに貴方ばかりワガママ言わないの」

「え?あれだけの食材を全部食べてまだ腹減ってるのか?グレムだけじゃなく皆んな?」

「はい、申し訳ありませんが、先程にも言った通り、あれだけの上質な肉と野菜は久しぶりな為、直ぐに食べてしまったんです」


俺は驚いた。いつもは俺が皆んなを驚かせているみたいだが、今回は俺が驚かされた。
余程王都では日々の食事に困っていたようだ。


「仕方ない。今日は我慢してもらう。
明日からグレムを俺が鍛えて、グレムが自分でオーク肉を取ってくるんだ」

「え~、無理だぜ。そんな一日二日で強くなんてならないぜ」

「そんな弱気でマリエさんを支えて生きて行けるのか?これからは守って行くんじゃないのか?
レベルだけでも上げれば自然と筋力や体力も上がるし、それだけでも強くなる。
だから明日からはレベルだけでも上げるよ」

「そんな事で本当に強くなれるかなんて分からねぇじゃねぇかよ」

「いや、確実に強くなれる!俺はそれで強くした事がある。そうだな、最低でもレベル三十くらいにはなって貰おうかな」


俺はそれだけをグレムに言うと、この場から少し離れた場所で横になった。先程の場所でグレムは嘘だろ。とかマジかよ。とか言っているが、気にせずに眠りに着いた。





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