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第4章
第8話
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第8話
暗いから良く見えないが、どれほど高く宙に浮いたのだろうか。
姐さんは見えないが、俺の出した炎の輪が親指と人差し指をくっつけた時の輪っかほど小さく見える。
さて、ここからなら流石に姐さんも手を出せないだろうから、ゆっくり考えて行動に移せるな。
でも、どうしようか。
考えていると、俺の額に何かが当たった。
思わず下を見るが、姐さんが見えないし見える位置まで下がろうと思った瞬間、俺の目の前に姐さんが現れ蹴りで叩き落とされてしまった。
高さは分からないが、この高さから叩き落とされれば自然回復があっても、流石にタダじゃ済まないだろうと落下中に考え、更に上に飛ぼうと考えたが、俺の顔面に姐さんの足が当たってからは意識がなくなった。
気が付いた時には辺りに出した炎は消えていて、真っ暗で地面にうつ伏せの状態で起きたが、身体の痛みは無い所をみると恐らく自然回復で傷が癒されたんだろうな。
起き上がって辺りを見回すと、姐さんが見当たらず、考えると馬車に戻ったのだろう。
やっぱり、ステータスでも負けているから負けて当然だが、ステータスで追い付いても勝てる気がしないのは何故だろうか。
俺も馬車内に戻ると姐さんは干し肉と黒い粒を口にしていた。
「やっと起きたみたいねミーツちゃん。
しばらく側に居たけど、起きなかったから先に食事を摂らせて貰っていたわ。
一応ソルトちゃんに魔法を使って貰ってたから問題ないわよね」
「それは良いけど、干し肉ともう一つ食べてるその黒い粒は何だい?」
「これは戦闘やトレーニングの後に食べると筋肉になるのよ」
つまり、プロテインみたいな物なんだな。
「さてと、食事も終わったし、さっきの手合わせについて聞きたい事ある?」
「あるよ!あるに決まってるだろ。さっきの戦闘で俺が空を飛んだ時、姐さんはどうやって俺のいた位置まで上がってこられたかとか、何で最初の暗闇の中で急に俺を殴ってきたんだとかだよ」
「あら、最初のは馬車を出る時に言ったじゃない。暗闇の中でも説明したわよ?
空についてなら、石を投げてどの位の高さにいるか確認した後、再度いくつか石を投げてその石を踏み台に上がったのよ」
「え?そんな踏み台になる様な石なんて、この辺りにあったっけ?」
「そんなのそこら中にあるわよ。
ちょっと待っててね」
姐さんはそれだけ言って、馬車から出て行って直ぐに戻ってきた。
「コレよ。コレを踏み台にしたの」
姐さんが出したのは形が様々な小石だった。
「はぁ?こんな物が踏み台になる訳ないだろ」
「なるのよ。今夜は寝た方がいいわ。明日、明るくなったら石を踏み台に上がったのを見せてあげるから」
姐さんはそう言うと、ゴロンと寝転がって寝息をたてて寝だした。
なんて寝付きがいいんだろうか。
直ぐに寝ろと言われても、中々寝付ける訳がなく、一度外に出て光の玉を浮かせて辺りを明るくしてから、さっき炎を出した時に氷で覆った氷の様子を見に行くと、まだ薄いが氷が残っていたから氷を叩き砕いた。
すると、矢張りというか、流石にというか冒険者達とシオンに商人まで砕いた氷の向こう側で騒いでいた。
「お前の仕業か…」
シオンは俺を見つけると一言それだけ言うと、盛大に溜め息を吐いて、冒険者達の肩を掴んでテントの方に連れて行ってくれたけど、商人には自分で説明しろと言わんばかりに顔を商人の方に向けて顎を前に促した。
暗いから良く見えないが、どれほど高く宙に浮いたのだろうか。
姐さんは見えないが、俺の出した炎の輪が親指と人差し指をくっつけた時の輪っかほど小さく見える。
さて、ここからなら流石に姐さんも手を出せないだろうから、ゆっくり考えて行動に移せるな。
でも、どうしようか。
考えていると、俺の額に何かが当たった。
思わず下を見るが、姐さんが見えないし見える位置まで下がろうと思った瞬間、俺の目の前に姐さんが現れ蹴りで叩き落とされてしまった。
高さは分からないが、この高さから叩き落とされれば自然回復があっても、流石にタダじゃ済まないだろうと落下中に考え、更に上に飛ぼうと考えたが、俺の顔面に姐さんの足が当たってからは意識がなくなった。
気が付いた時には辺りに出した炎は消えていて、真っ暗で地面にうつ伏せの状態で起きたが、身体の痛みは無い所をみると恐らく自然回復で傷が癒されたんだろうな。
起き上がって辺りを見回すと、姐さんが見当たらず、考えると馬車に戻ったのだろう。
やっぱり、ステータスでも負けているから負けて当然だが、ステータスで追い付いても勝てる気がしないのは何故だろうか。
俺も馬車内に戻ると姐さんは干し肉と黒い粒を口にしていた。
「やっと起きたみたいねミーツちゃん。
しばらく側に居たけど、起きなかったから先に食事を摂らせて貰っていたわ。
一応ソルトちゃんに魔法を使って貰ってたから問題ないわよね」
「それは良いけど、干し肉ともう一つ食べてるその黒い粒は何だい?」
「これは戦闘やトレーニングの後に食べると筋肉になるのよ」
つまり、プロテインみたいな物なんだな。
「さてと、食事も終わったし、さっきの手合わせについて聞きたい事ある?」
「あるよ!あるに決まってるだろ。さっきの戦闘で俺が空を飛んだ時、姐さんはどうやって俺のいた位置まで上がってこられたかとか、何で最初の暗闇の中で急に俺を殴ってきたんだとかだよ」
「あら、最初のは馬車を出る時に言ったじゃない。暗闇の中でも説明したわよ?
空についてなら、石を投げてどの位の高さにいるか確認した後、再度いくつか石を投げてその石を踏み台に上がったのよ」
「え?そんな踏み台になる様な石なんて、この辺りにあったっけ?」
「そんなのそこら中にあるわよ。
ちょっと待っててね」
姐さんはそれだけ言って、馬車から出て行って直ぐに戻ってきた。
「コレよ。コレを踏み台にしたの」
姐さんが出したのは形が様々な小石だった。
「はぁ?こんな物が踏み台になる訳ないだろ」
「なるのよ。今夜は寝た方がいいわ。明日、明るくなったら石を踏み台に上がったのを見せてあげるから」
姐さんはそう言うと、ゴロンと寝転がって寝息をたてて寝だした。
なんて寝付きがいいんだろうか。
直ぐに寝ろと言われても、中々寝付ける訳がなく、一度外に出て光の玉を浮かせて辺りを明るくしてから、さっき炎を出した時に氷で覆った氷の様子を見に行くと、まだ薄いが氷が残っていたから氷を叩き砕いた。
すると、矢張りというか、流石にというか冒険者達とシオンに商人まで砕いた氷の向こう側で騒いでいた。
「お前の仕業か…」
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