底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂

文字の大きさ
上 下
113 / 247
第3章

第40話

しおりを挟む
第40話

ダンジョンボスを倒した俺はスカルブに姿を出して貰って、コアの在処を探すのに手伝って貰う事にした。

ガメニには誰も居ない場所から突然女の子が現れたから、凄く驚かれたけど、俺の仲間で不思議なスキルを持ってると言って無理矢理納得させた。

「アレ?何だこれ」

スカルブにコアの在処を聞こうとしたが、さっき回し蹴りして倒したオーガの方向から、半透明で黄色の直径4cmくらいの卓球の玉くらいの物が転がって来た。

倒したオーガの方向を見ると、オーガは壁にめり込んで、かろうじて手と足が見える程壁に埋まっていた。

この黄色い玉は何だろうと思い拾いあげて、手に取って見ると、表面はザラザラしていて手触りが余りよろしくない。

 硬さを確かめる様に少し握ると砕けてしまった。


「ミ、ミーツ様?今ミーツ様が砕かれた玉がこのダンジョンのコアです。
コアを破壊した為、ダンジョンが崩れます」

「え?嘘、でもザラザラしてたぞ?
コアって向こうのダンジョンみたいに、スベスベしてるもんじゃないのか?」

「回答、ダンジョンによりますが、死にかけのコアはザラザラしていて色も透明になると聞いた事あります。
後30秒程で、このダンジョンが崩れます」


スカルブがそう言うと、ダンジョンの天井が崩れ落ちて来た。
悠長に話している場合じゃなかった!

急いで瞬間転移を行い、先程疲れてると言った冒険者達の居た場所に転移した。


「は?何だ?何したんだオッサン?
コアを壊したと思ったら、何でこんな場所に居るんだ?」

「きっと、ダンジョン特有の転移の魔法陣が現れたんだよ」


瞬間転移なんて、ホイホイ言えるものでは無いだろうから誤魔化した。


「イヤイヤイヤ、あり得ないから!
このダンジョンはダンジョンボス倒しても魔法陣なんて現れないからな」

「え?そうなの?何で?」

「そんなの知らねぇよ!
多分、コアが弱かったんだろうよ」


誤魔化しが失敗したみたいだ。
どうしよう、スカルブのスキルで来たと言っておこう。


「俺の助手のコイツのスキルだよ」

「そ、そうなのか?ところでオッサンは何でダンジョンを潰そうと思ったんだ?」

「それに答えてもいいが、先にオッサンって言うのを止めないか?
ミーツって名乗ったんだから名前で呼べよ」

「オッサンはオッサンなんだから良いじゃねぇかよ」


こちらのガメニは名前で呼んでくれないみたいで、少しムカっときたが、ここで拳骨するわけにもいかないし、仕方なく理由を話してあげる事にした。


「ダンジョンは一つで良いだろうと、考えたんだよ。俺は向こうのダンジョンのダンジョンマスターだから、黄金を取りたかったら向こうで取ればいいと考えたんだよ」

「は?意味分からねぇよ。
何で向こうのダンジョンマスターになったからって、コッチのダンジョンを破壊する必要があるんだよ。
まぁ、そのお陰で俺はメリアンに会えるかもしれねぇけどな」


あれ?そういえば、そうかも知れない。
何でコッチのダンジョンを潰そうと思ったんだっけな。


「まぁ、良いじゃないか。
コアを壊してしまったし今更だよ」

「まあ、そうだけどよ。
コアを壊してしまって良かったのか?
死罪とかにならないか?」


た、確かに!無断で勝手にコアを壊したと王にバレたら、無罪どころか死罪でもおかしくないかもしれない。


「こ、壊れかけだったし勝手に壊れた事にしておこうよ。な?ガメニ。
向こうのダンジョンのガメニに会わせてやるから黙っていろよ?」

「ま、マジかオッサン!
メリアンに会わせてくれるのか?
メリアンに会わせてくれるなら、こんなクソみたいなダンジョンの一つや二つ潰れても良いぜ」


「「うるせーぞ!ガメニ!」」

ガメニが大声を出した事で、先程の檻の仲間二人にガメニは怒られてしまった。
とりあえず、この二人から離れた場所に移動してダンジョンの入口に向かうと、入口は完全に崩れて入れない状態だ。

崩れる時ある程度、地響きがあった筈だけどあの二人は気が付かなかったのかな?
ダンジョンが崩れた事によって、城も傾いたりしてないかな?
今考えても分からない事は保留にしておこう。


「ガメニ、とりあえず向こうのガメニの様子を見てくるから少しここで待っててくれよ。
ってややこしいな、もう向こうのガメニはメリアンって呼ぶか」

「はあ?それなら俺も連れて行けよ」

「とりあえず、確認をしてくるだけだからさ少しだけだから待ってろよ」


そう言うと瞬間転移して、向こう檻のキモとメリアンの元に転移した。

「やあ、さっき振り」

キモとメリアンは驚いている。

「ミーツさん、ど、どうしたんだ?」

「いや、向こうのダンジョンでもガメニがいたから、確認の為に来たんだ。
お前、本当はガメニじゃなくてメリアンって言うのか?」

「え!アイツに会ったのか?
良かった、生きていたんだ」

涙をポロポロ零してメリアンは泣き出した。
キモ達は意味分からない様で、頭に?が浮いているのが分かる。

そんなメリアンの肩に手を置き元の位置に戻る様、再び瞬間移動すると、ガメニの前に転移してメリアンと再会させた。

「うおおおお!メリアーン!
生きてた、生きてた」

「ミーツさん、ありがとう!
ガメニに会えるとは思わなかった。
一時はミーツさんの事を好きになり掛けていたけど、一時の迷いだったよ」

「そうか、良かったな。
ガメニとメリアンは恋人同士なのか?」

「そうだぜ、オッサン!」

「バ、バカ!ガメニ、ミーツさんって呼べよ。ミーツさんは呼び方にうるさいんだぞ」

「もういいよ。所で残りの仲間の2人もガメニとメリアンの仲の事は知っているのか?」

「知ってるよ。仲間の2人も恋仲だしな。
オレがガメニと付き合うようになったのも、残りの2人のお陰だし」

「おい、メリアン、もうオレって言うのを止めろよ」

「もう無理だよ。癖になっちまったもんよ」

ガメニとメリアンがイチャイチャしだした。俺は少しイラッと来たが我慢していると、いつの間にか姿を消していたスカルブも不快に思ったのか、姿を現してメリアンの頭にチョップをした。

「駄ビッチ、見苦しいです。
ミーツ様と私の前でイチャイチャしないで下さい。正直BLみたいで気持ち悪いです」

「イテテ、偶にスカルブって意味分からない事を言うよな。それにスカルブこそ、ミーツさんとダンジョンでイチャイチャしてたじゃないか」

「してませんが?」
「してただろ!」

スカルブとメリアンが、してた、してない、の言い争いをやりだした所で俺はガメニに話しかけてみる事にした。

「なぁ、ガメニ、お前達がこのダンジョンに来た時から3人なのか?向こうのダンジョンみたいに最初は複数いて、段々数が減ったとかか?」

「そうだな。最初はコッチでも全部で10人程居たけど、魔物に殺されたり、冒険者同士のイザコザで命を落とした奴とかいたぜ」


成る程、それなら尚更ここの王妃やギルマスのシルビアには報いを受けて貰わなければならないな。
イザとなれば瞬間転移を繰り返して、牢屋にいる冒険者や、ダンジョンにいる奴等全員を連れ出すか。

此処で考え事をしていると、スカルブとメリアンはまだ同じ言い合いをしていたから、2人に軽~くデコピンをすると、まだ手加減できてない所為か、メリアンは痛そうにしゃがみ込んだが、スカルブは瞬時にシールドを張ったのか傷一つない状態だが、2人の言い合いを終わらせた。

ガメニとメリアンにはこの場所で待ってて貰って、檻の方に向かうと丁度よく檻の外側にグリーさんが俺を呼びに来ていた。



しおりを挟む
感想 302

あなたにおすすめの小説

病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~

於田縫紀
ファンタジー
 ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。  しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。  そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。  対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。

5歳で前世の記憶が混入してきた  --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--

ばふぉりん
ファンタジー
 「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」   〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は 「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」    この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。  剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。  そんな中、この五歳児が得たスキルは  □□□□  もはや文字ですら無かった ~~~~~~~~~~~~~~~~~  本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。  本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。  

【完結】公爵家の末っ子娘は嘲笑う

たくみ
ファンタジー
 圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。  アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。  ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?                        それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。  自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。  このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。  それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。 ※小説家になろうさんで投稿始めました

野草から始まる異世界スローライフ

深月カナメ
ファンタジー
花、植物に癒されたキャンプ場からの帰り、事故にあい異世界に転生。気付けば子供の姿で、名前はエルバという。 私ーーエルバはスクスク育ち。 ある日、ふれた薬草の名前、効能が頭の中に聞こえた。 (このスキル使える)   エルバはみたこともない植物をもとめ、魔法のある世界で優しい両親も恵まれ、私の第二の人生はいま異世界ではじまった。 エブリスタ様にて掲載中です。 表紙は表紙メーカー様をお借りいたしました。 プロローグ〜78話までを第一章として、誤字脱字を直したものに変えました。 物語は変わっておりません。 一応、誤字脱字、文章などを直したはずですが、まだまだあると思います。見直しながら第二章を進めたいと思っております。 よろしくお願いします。

転生チートは家族のために ユニークスキル『複合』で、快適な異世界生活を送りたい!

りーさん
ファンタジー
 ある日、異世界に転生したルイ。  前世では、両親が共働きの鍵っ子だったため、寂しい思いをしていたが、今世は優しい家族に囲まれた。  そんな家族と異世界でも楽しく過ごすために、ユニークスキルをいろいろと便利に使っていたら、様々なトラブルに巻き込まれていく。 「家族といたいからほっといてよ!」 ※スキルを本格的に使い出すのは二章からです。

【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら

七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中! ※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります! 気付いたら異世界に転生していた主人公。 赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。 「ポーションが不味すぎる」 必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」 と考え、試行錯誤をしていく…

伯爵令嬢の秘密の知識

シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。