底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂

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第3章

第23話

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第23話

 四階層を警戒しながらも次の階層の階段に辿り着いた。

「あの蜂の大群以外何も出なかったな。ガメニ、五階層の巨大な魔物は何がいるんだ?」

「五階は多分居ないと思う。
見た事ないからな」

「そうか、良かったー!いつもいつも、巨大な魔物がいたら疲れるもんな」


ホッとして気持ちが軽くなり下に降りると、そんな気持ちを打ち砕かれた。
 階段を下りる途中で黄金鴉の巨大な魔物が一匹見えた。

 一階での黄金鴉は体長3m程度だったが、今目の前に見える黄金鴉はどのくらいあるか分からない程大きい。

「な、なあガメニ、アレは見た事あるか?
デカすぎるんだけど」

「いや、オレも見た事ない、あんなの倒せないだろ!一階のならオレでも倒せるけどアレは無理だ」

「ミーツ様、私に命じてくれれば撃ち落としますが、どうされますか?」


 スカルブにはアレをどうにかする方法があるみたいだ。
 それなら俺も頑張って、スカルブに頼らずにやるだけやって見るしかない。

「とりあえず、やるだけやって見るから俺がどうしようも無くなった時にでも、お願いするよ」

「了解いたしました」

「とりあえず、ガメニとスカルブは魔物に捕まらない場所の階段で待機していてくれ」

 それだけ言って、俺は階段から飛び上がり巨大な鴉に向かって宙に浮いて、ゴーレムを斬りまくった剣を取り出して、鴉の背に飛び乗った。

 飛び乗ったのは良いけど、飛び乗った事で黄金鴉は飛びながら暴れている。
 ダンジョン内の壁にぶつかって俺を落とそうとしていたが、俺は剣を鴉に突き刺し耐えた。

 隙を見て突き刺したままの剣を鴉の胴体を切り裂いて行くと、力尽きたのかダンジョン内の地上に落ちて行く。

 俺は剣を引き抜こうとしたが、剣が深く鴉に突き刺さり抜く事が出来なくなってしまっていた為に、地面にぶつかる直前に飛び上がり、ゆっくりと地面に着地すると、黄金鴉はジワジワと黄金の塊に変わって行った。

元々が金色だから黄金の塊になったかどうかの見分けがつきにくいけど、生きているかどうかが呼吸や心臓の音に瞳の色で確認していたから問題ないだろう。

 しかし、大きいな。
多分全長100mはあるんじゃないだろうか。
刺さったままの剣の元に行き、再度剣を引き抜こうと背中によじ登ると、丁度よくスカルブとガメニがフワフワと上から降りて来た。

「スカルブも飛べたのか?」

「回答、少しですが飛ぶ事が出来ます。剣を抜かないのですか?魔力を込めれば簡単に抜く事が出来る筈ですが」

「え?そうなのか?」

 先に魔力を込めないで力任せに剣を引き抜こうとすると、少し動くけどやっぱり抜けない。
もう少し力を込めないと抜けなさそうだ。
 次に魔力を込めて抜こうとすると、力を入れてないのにスッと抜けた。

「スカルブ、この剣は何だ?
二度目のビッグゴールドスコーピオンを倒したら地面に突き刺さったままの状態であったんだけど、知っていたら教えてくれ」


「回答、その剣が私の眠っていた階層の入る事が出来る鍵となっていました。

今となっては私があの階層から出る事で、消滅する事になってしてしまいましたが、その剣は前の主様がご用意してくれた剣で炎熱剣と言います。

使われたら分かると思いますが、炎や熱を発する魔剣の類いの剣でございます」


「これは鞘とかってないのか?」

「回答、ございますが倒された魔物の体内にありませんでしたか?」

「木っ端微塵にしてしまったから分からない。ただ、あの蠍を倒した場所に、この剣が刺さっていたからな」

「左様でございますか。ではミーツ様が魔力で炎熱剣を覆われたら、それが鞘代わりになると思います」


スカルブに言われて、剣を俺の魔力で覆ってみて素手で魔力で覆った部分を触って見ると、全く熱くなくて本当に鞘代わりになった。

「ミーツ様のような魔力の高い方しか使えない剣ですので、魔力の低い方には持たせないで下さい」

 そう言われたら、魔力が低いと思われるガメニに持たせたくなるもんだ。

「ガメニ、ちょっとコレ持ってくれよ」

「いや、今スカルブが魔力が低い人には持たせるなって言ったばかりじゃないか!
オレ持ちたくないよ」

「いいから、いいから、持つとどうなるか試したいじゃないか」

「ミーツ様、魔力の低い方が持つと昏睡状態、もしくは死に至る事もありますが、それでも持たせたければお手伝いします」

「マジか、それならいいよ。ガメニ悪かったな、無理矢理持たせようとして」

「オレもそんな状態になるとは思わなかったけど、ミーツさんがそれでも無理矢理にでも持たせようとしなかったからいいよ」


 ここで会話は一区切りを迎えて、先に進むべく移動すると、四階層の時と違って巨大な魔物以外に小物の魔物とも遭遇したが変わり映えしない魔物だった為、サクサクと進む事にした。

次が六階層だが、ガメニの話によれば六階層から、また少し様子が変わると言う話だ。

 二階層から五階層迄でも十分に広かったけど、六階層はまだ広いと言う、正直段々と面倒になってきたが、自分で選んだ道だし、仕方なく六階層に行く事にした。


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