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第3章
第9話
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第9話
偉そうな兵士によって連れてこられた場所は、小さなテーブルに椅子が二脚テーブルを挟む形で置いてあるだけの部屋で、取り調べ室みたいな部屋だった。
俺は部屋に入るなり、椅子に座らせられるように強要されて座ると、目の前には偉そうな兵士が座り、部屋の出入口に二人普通の兵士が立っている状況だ。
「それで、先程の光はキミがやったのか?」
「そうですね。演出の為の光でしたが、やり過ぎたようです」
「そうか、それは魔法かね?
あの部屋は魔法は使えない部屋になっている筈なんだが」
「そうですね、魔法です」
「じゃあ、キミは高位の魔法使いか?」
「いえ、違います。普通のランクAの冒険者です」
「魔封じの魔道具が設置されている部屋で、普通の冒険者が使える訳ないじゃ無いか!
もういい、ステータスを見せなさい」
ヤバイ、俺でも把握してないステータスを出す事を強要されてしまった。
でも、どうしようか?
ある人に許可なく出す事を禁止されてる事にするか?でも誰にしようかな?
「あの、俺、あ、いや、私はステータスを信用してない人に出す事を禁止されているんです」
「「誰にだ!ここは罪人を取り調べする部屋だぞ?兵士長が聞いているんだ大人しく、聞いてステータスを出せ」」
目の前で話している人は兵士長なんだ。
今怒鳴ったのは出入口を塞いでいる兵士で兵士長は黙ったままだ。
でも、その兵士長は口を開き
「では、誰に禁止されているかは言えるか?」
多分、ここで姐さんやシオンの名前を出しても誰だそれは?って事になりそうだな。
ここはレイン様の名前を使うか?
レイン様なら大和に行った時にでも名前を使った事を謝ればいいかな?
「大和の国のレイン様です。
レイン・キング・ラインハット様の事はご存じでしょうか?」
俺がレイン様の事を言うと、扉の前の兵士は驚いた顔で俺を見ていて、兵士長は厳しい顔で俺を睨んでいる。
レイン様の名前に反応したって事は目の前の兵士達は貴族か?
「その方の名前は何処でどのように知った?」
「ある貴族様の依頼を受けている時に、井戸に落ちそうになった貴族様を助けた事があるんですよ。それがレイン様で、何故か友好の証としてレリーフを貰いましたが、今現在仲間に預けてます」
「では、キミの仲間は何処にいるんだ?」
「私が泊まっていた宿です。仲間はシオンにダンク、連れて行ってるだけのロイスだけです」
「な!なにー!済みませんでした!
申し訳ございません!直ぐに釈放しますので、許して下さい」
え?え?どう言う事だ?
仲間の名前を言っただけで、顔色だけじゃなくて態度も変わってガタガタ震え出した。
震えているのは兵士長だけで、出入口の普通の兵士は震えている兵士長を不思議な目で見ていた。
「あの、私だけじゃなくてですね。
地下牢に閉じ込めている冒険者の方達も釈放して貰えないでしょうか?」
「いや、でもそれは、シルビア嬢を侮辱した罪があるのでモニョモニョ」
「でも、それを言ったら私もそうですよ?
実際は誰も侮辱なんてしてないんですけどね」
「それは知っていますが、シルビア嬢の許しが無いと、釈放出来ないのですよ。
でも、貴方ならレイン様のお知り合いであの方のお仲間なら、私の権限で釈放します。
シルビア嬢には後日、私から謝ればいいだけですから」
「それなら、私を釈放するなら他の人達も釈放して兵士長様が同じく後日謝れば済む話じゃないのですか?」
俺がそう言うと兵士長は頭を抱えて悩みだした。
「済みません、私だけの判断だけでは決断出来ないので、王と王妃様に話してきます」
そう言って兵士長は退出した。
兵士長と入れ替わるように、先程の傷を癒した偉そうな兵士が部屋に入って来た。
「先程は失礼した。キミは冒険者だと言っていたが、名前を伺ってもいいかな?
私は冒険者という者は嫌いだし信用出来ないが、私の傷を癒したキミの為に出来る限りの事をやりたいと思う」
「名前ですか?名前はミーツです。最近冒険者になったばかりのランクAです」
「そんな年して最近冒険者になった?嘘をつくな!って済まない。
キミが嘘をつく理由が無いな。
その年で冒険者になるんだ何か訳ありなんだな?
では、キミは余程お強いのだな、私は『グリー』と言う名前で兵士長補佐をやっている者だ。
私の権限でキミだけでも釈放できるように、上に掛け合ってみよう」
先程の兵士長と入れ違いになったのか?
兵士長と同じ事を言い出した。
「いえ、それは兵士長が上に現在取り合って貰っています」
「そうか、ならばこの城に滞在している間は地下牢なんかに入れないで、少しむさ苦しいが兵士の宿舎に泊まるといい」
そんな有難いとも言える、兵士長補佐のグリーさんの言う事を断る事にした。
だって、地下の冒険者に悪いと思ったからだ。
地下の冒険者達は劣悪な環境の元にいるのに、俺だけ少しムサ苦しいとしても、少しでも良い環境にいる訳にはいかないと考えたからだ。
「そうか、残念だ。ならば、私に出来る事は何か無いか?恩を返したいが、何をすれば良いか分からないんだ」
「そうですね。うーん、なら考えておきますので、地下の冒険者達の元に戻して下さい」
そうやって、元の地下牢に戻る事になったが、兵士長には頑張って貰わないといけないな。
偉そうな兵士によって連れてこられた場所は、小さなテーブルに椅子が二脚テーブルを挟む形で置いてあるだけの部屋で、取り調べ室みたいな部屋だった。
俺は部屋に入るなり、椅子に座らせられるように強要されて座ると、目の前には偉そうな兵士が座り、部屋の出入口に二人普通の兵士が立っている状況だ。
「それで、先程の光はキミがやったのか?」
「そうですね。演出の為の光でしたが、やり過ぎたようです」
「そうか、それは魔法かね?
あの部屋は魔法は使えない部屋になっている筈なんだが」
「そうですね、魔法です」
「じゃあ、キミは高位の魔法使いか?」
「いえ、違います。普通のランクAの冒険者です」
「魔封じの魔道具が設置されている部屋で、普通の冒険者が使える訳ないじゃ無いか!
もういい、ステータスを見せなさい」
ヤバイ、俺でも把握してないステータスを出す事を強要されてしまった。
でも、どうしようか?
ある人に許可なく出す事を禁止されてる事にするか?でも誰にしようかな?
「あの、俺、あ、いや、私はステータスを信用してない人に出す事を禁止されているんです」
「「誰にだ!ここは罪人を取り調べする部屋だぞ?兵士長が聞いているんだ大人しく、聞いてステータスを出せ」」
目の前で話している人は兵士長なんだ。
今怒鳴ったのは出入口を塞いでいる兵士で兵士長は黙ったままだ。
でも、その兵士長は口を開き
「では、誰に禁止されているかは言えるか?」
多分、ここで姐さんやシオンの名前を出しても誰だそれは?って事になりそうだな。
ここはレイン様の名前を使うか?
レイン様なら大和に行った時にでも名前を使った事を謝ればいいかな?
「大和の国のレイン様です。
レイン・キング・ラインハット様の事はご存じでしょうか?」
俺がレイン様の事を言うと、扉の前の兵士は驚いた顔で俺を見ていて、兵士長は厳しい顔で俺を睨んでいる。
レイン様の名前に反応したって事は目の前の兵士達は貴族か?
「その方の名前は何処でどのように知った?」
「ある貴族様の依頼を受けている時に、井戸に落ちそうになった貴族様を助けた事があるんですよ。それがレイン様で、何故か友好の証としてレリーフを貰いましたが、今現在仲間に預けてます」
「では、キミの仲間は何処にいるんだ?」
「私が泊まっていた宿です。仲間はシオンにダンク、連れて行ってるだけのロイスだけです」
「な!なにー!済みませんでした!
申し訳ございません!直ぐに釈放しますので、許して下さい」
え?え?どう言う事だ?
仲間の名前を言っただけで、顔色だけじゃなくて態度も変わってガタガタ震え出した。
震えているのは兵士長だけで、出入口の普通の兵士は震えている兵士長を不思議な目で見ていた。
「あの、私だけじゃなくてですね。
地下牢に閉じ込めている冒険者の方達も釈放して貰えないでしょうか?」
「いや、でもそれは、シルビア嬢を侮辱した罪があるのでモニョモニョ」
「でも、それを言ったら私もそうですよ?
実際は誰も侮辱なんてしてないんですけどね」
「それは知っていますが、シルビア嬢の許しが無いと、釈放出来ないのですよ。
でも、貴方ならレイン様のお知り合いであの方のお仲間なら、私の権限で釈放します。
シルビア嬢には後日、私から謝ればいいだけですから」
「それなら、私を釈放するなら他の人達も釈放して兵士長様が同じく後日謝れば済む話じゃないのですか?」
俺がそう言うと兵士長は頭を抱えて悩みだした。
「済みません、私だけの判断だけでは決断出来ないので、王と王妃様に話してきます」
そう言って兵士長は退出した。
兵士長と入れ替わるように、先程の傷を癒した偉そうな兵士が部屋に入って来た。
「先程は失礼した。キミは冒険者だと言っていたが、名前を伺ってもいいかな?
私は冒険者という者は嫌いだし信用出来ないが、私の傷を癒したキミの為に出来る限りの事をやりたいと思う」
「名前ですか?名前はミーツです。最近冒険者になったばかりのランクAです」
「そんな年して最近冒険者になった?嘘をつくな!って済まない。
キミが嘘をつく理由が無いな。
その年で冒険者になるんだ何か訳ありなんだな?
では、キミは余程お強いのだな、私は『グリー』と言う名前で兵士長補佐をやっている者だ。
私の権限でキミだけでも釈放できるように、上に掛け合ってみよう」
先程の兵士長と入れ違いになったのか?
兵士長と同じ事を言い出した。
「いえ、それは兵士長が上に現在取り合って貰っています」
「そうか、ならばこの城に滞在している間は地下牢なんかに入れないで、少しむさ苦しいが兵士の宿舎に泊まるといい」
そんな有難いとも言える、兵士長補佐のグリーさんの言う事を断る事にした。
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地下の冒険者達は劣悪な環境の元にいるのに、俺だけ少しムサ苦しいとしても、少しでも良い環境にいる訳にはいかないと考えたからだ。
「そうか、残念だ。ならば、私に出来る事は何か無いか?恩を返したいが、何をすれば良いか分からないんだ」
「そうですね。うーん、なら考えておきますので、地下の冒険者達の元に戻して下さい」
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