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第3章

第3話

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第3話

 宿はロイスの知り合いが経営していると言う所で、直ぐに宿は決まった。

 そして、それぞれが別行動で動こうって事で宿で解散して、俺は街を散策をするべく宿を出てきた。

俺はギルドに向かおうと動いたが、全ての色が黄色か金色な為、どれがどういった建物かが見当もつかない建物ばかりだった。

 看板が掲げられている建物もあるが、その看板自体も黄色だから近くに行かないと、よく見えないでいる。

 近くの店々に行っていると、ロイスを見かけて目でロイスを追っていると、一つの建物に入って行った。
 それが何なのかを確かめようと、俺もその建物に近づいて行くと、その建物がギルドだった。

 外観は少し大きめの平屋の一軒家って感じだ。俺も中に入ると、中はガラーンとしていて冒険者は二人くらいしか居ない。
 あれ?ロイスがいないけど、何処に行ったんだろうか。

ただギルド自体は何処でも同じなのか、役所の受付ぽいカウンターがあって、掲示板に依頼表が貼ってあるくらいだった。

きっと時間的な問題で人が少ないんだろう、と考えて掲示板に近づいて見ると

『奴隷の調教』*調教スキル所有者優遇
期間–1ヶ月報酬–金貨20枚

『家の修復及び色塗り』
期間–1日、、報酬–鉄貨2枚

『薬草採取』
期間–常時依頼、、報酬1束–銅貨3枚

『ウイングラビット捕獲』
期間-3ヶ月、、報酬1匹-金貨100枚

と、こんな物くらいしかない。
 やっぱり、もう昼くらいになるからこんな依頼しかないのかな?

 それにしても、ウイングラビットの捕獲って、見つけるのも難しいのに捕獲で、しかも白銀貨1枚分の報酬って安くないか?

 ロイスが何処に行ったかは気になるけど、受けたい依頼がない為にギルドから出て、街の散策を再開して回っていると、裏路地っぽい所に出てしまった。

裏路地はクリスタル国の王都にあった様な、スラム街っぽく、表は金や黄色の外観ばかりだけど、裏は茶色や黒が多く、見た目も匂いも汚く臭い。

裏でも歩いていると、四人組みの若者に囲まれてしまった。

「おうおうおう、オッサン!有り金を全部と服を脱げば命だけは助けてやるゼ」


そう一人の若者が凄んできたが、全く怖くない。見た目は10代半ばくらいで、モブと変わらないくらいの年頃かな?

 全員がボサボサした頭で、浮浪者っぽい見た目だが、一人だけナイフを持っていた。
 ナイフをブラブラさせて、いつでも斬り殺せるぞ感を出している。

「おい!聞いているのか!クソジジイ」

 この世界に来た一番最初のあの時を思い出して、少し笑ってしまった。

「ん?聞いてるよ。なに?
金も服もやる訳ないだろが、それにクソジジイなんて、目上の人に対する言葉使いがなってないな」

「なに笑ってやがる!
もういい、殺そう。こんな格好してるんだ金はたっぷりと持ってるだろう」

ニヤついたまま、答えてしまったから、若者達をキレさせてしまった。

ナイフを持ってる若者が、俺に目掛けてナイフで切りつけて来たが、俺にはスローモーションでしか見えないから指で挟んで止めようとすると、俺の反応速度が間に合わず指を切られてしまった。

 は?スローに見えていたのに、なんで反応出来なかったんだ?
 俺は自分の指を見ると、肉が抉れて骨が少し見えている状況だった。

 ヤバイと感じて、回復を試みてみるが焦って、中々出来ないでいると、ナイフを持った若者が更に切りつけて来た。

俺は一旦逃げてようと走り出すが、囲まれているのを忘れていて、若者の一人にぶつかって後ろに倒れ尻餅を着いてしまった。

倒れた俺に向かって、ナイフを持った若者は更に切りつけてきたが、先程切られ肉が抉れた筈の指が元に戻っているのに気がついた。

 もしかしたら、スキルに自然回復のスキルが開花されたのかもしれない。
 ナイフ使いの若者の攻撃に反応出来ないなら、左腕を犠牲に盾にして右ストレートで思いっきり殴りつけた。

 俺が殴った若者は10m程離れた壁に大の字に張り付いて気絶してしまった。
それを見ていた他の若者達は、気絶したナイフ使いの若者を放って置いて逃げやがった。

ステータスが低下してなければ、捕まえて更生でもさせていたかも知れないけど、今の俺じゃ厳しいものがある。

逃げた若者達は仕方ないから放っておいて、俺は壁に貼り付いた若者が目を覚ますのを壁を見ながら待っていると、俺の腰辺りを後ろから引っ張っている感じがして、振り向けばロイスがいた。

「何だよ。ロイスか何の用だよ」

 俺がそうロイスに聞くと、首を傾げて自分の後ろをキョロキョロとしていた。
 何だこいつ、頭でも打ったか?

「オジちゃん、ロイス姉ちゃん居ないよ?」

はぁ?何言ってんだ?頭でも打ったか?それとも老化か?このロリババアは!

「ふざけてんなら、どっか行けよ。
てか、いつの間に着替えたんだよ」

ロイスは宿を出る時迄は、ハーフパンツにTシャツみたいな服装だったのに、今着ている服装は、フワフワ系のワンピースだ。

「オジちゃん、ロイス姉ちゃんの事知ってるの?」

「何言ってんだ?ロリババアがさ」

「オジちゃん、ロイス姉ちゃんに怒られるよ?」

本気でどうしたんだ?心配になってロイスの肩を掴んで、顔をマジマジと見つめていると、俺が掴んでいるロイスの背後に、俺の知ってるロイスがいた。

「ミ~ツ~!ボクの可愛い姪っ子に何してるんだよ!」

「はあ?姪っ子?瓜二つじゃないか!
お前の姉妹や娘とかじゃなくて姪?」

「そうだよ!ボクの妹の子供だよ!
探してたんだよ。マイル」


 だから、ロイスと呼んでもキョロキョロとしていたのか、服装もロイスを見ると宿を出た時と同じ服装だった。


「成る程な。だから服装が違ったのか。
マイルちゃんって言うのか、ロイスの所の血筋が濃いんだろうな」

「マイルはボクの妹似だよ」

「だったら妹さんもロイスにソックリだって事だよな」

「そうだね。小さい時はよくどっちがどっちだか分からないと言われていたよ」


 小さい時?今も昔も変わらない位に小さいんじゃないのか?
そう思ったけど、心の中で留めておいた。
 今の俺では、きっとロイスにも勝てないから、姐さん並みにボコられるだろう。


「ねぇ、何か馬鹿にしてるっぽい事、考えてるでしょ?」

「お前はエスパーか!」

「えすぱぁ?意味分かんないんだけど、何故かマイルがキミを気に入ってるから一緒に行こうか」


 そう言うロイスに首を傾げながら、ロイスにソックリなマイルちゃんを見ると、マイルちゃんは俺の腰辺りの服を掴んでいた。
 それだけで気に入られたと思ったのか?

でも、壁に貼り付いた若者を更生させなきゃいけないし、そう思いながら壁に目をやると、いつの間にか若者が消えていた。

辺りを見回すと、他の仲間に支えられながら逃げていた。

しまったな、ロイスとマイルちゃんと話していて、目を離してした隙に逃げられてしまうなんてやっちまったな。

 そして、いつの間にか俺の頭から居なくなっていたロップが戻って来て仕方なく、俺はロイスに付いて行く事にした。

マイルちゃんは何故か、負んぶする形で行く事になってしまったけど、見た目がロイスだからロイスを負ぶってる感覚で、正直違和感があるけれど、気持ちを切り替えて付いて行く事にした。



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