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第八話
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第八話
奴隷市場の開催される場所は奴隷商の屋敷からそう遠くはない場所の様だった。
俺は今まで知らなかったけど、奴隷商の屋敷は町の外れに当たる場所に建てられて居た様で、町中を通って開催場所に向かうのであった。
馬車に揺られる事数分経った頃、奴隷の檻の中ではどんな人に買われるかの雑談している。
その中でも金-377が矢鱈と、ハシャいでは御者から怒られていた。
俺もハシャいではいないものの、内心ドキドキはしている。
この奴隷商の奴隷は俺も含めてだけど、女と子供で占めている。
恐らくだけど、それを専門に扱う奴隷商なのだろう。
奴隷商も色々な専門的に扱う奴隷商がいて、その中でも亜人と呼ばれる奴隷が人気あるのだと言う。
その他では人ではあるけど、俺みたいな黒目黒髪はとても珍しいみたいで、これも高値で買い取られる事だろうって話だ。
御者の男が楽しそうにお付きの護衛と話しているのが聞こえてくる。
それにしても、専門に扱うって言っても奴隷商の屋敷には男いたよな?
完全に女と子供だけって訳じゃないのかな?考えてもどうでもいい事だし考えるのを止めた。
そして、俺はというと町中の風景を見ているけど建物の形や時代を考えると良くある、ヨーロッパ風の建物ばかりで、服装等も古くこれも良くある中世っぽい感じだ。
正に異世界って感じだ!
現在昼頃町中を馬車がゆっくりと町人から見世物にされる形で動いていた。
やっぱり俺の姿は珍しいのか?俺を指して驚いた顔をしている人や怒っているのか顔を赤くしている人等、色んな人が俺を見ていて様々な好奇な目線を感じている。
俺は町を見るのを止めて、上を見上げてここの匂いを嗅いでいた。
ここは港町なのか?海の香りがする。
やっぱり、何処でも海の香りっていうのは一緒なんだなって思って微笑んでみると突然
「キャーー」と野太い声が聞こえて女性か?そう思って檻の外側を見てみると、檻を挟んで至近距離でゴツイ男が俺の顔を見ていた。
「何?何この子可愛いわ!今夜の奴隷市に出るのかしら?あたし欲しいわ!帰ってパパにお願いしなきゃ」
え?オネエなのか?でも顔は男だけど胸があったから女かもスカート穿いてるし、今日の奴隷市に来るのかな?
それにしても奴隷市ってのは夜に開催されるんだな。
町人に見世物の様にしながら行くって事は奴隷市って奴隷を買うのは、貴族だけとは限らないのかも。
馬車が進むにつれ段々と町人が居なくなって行き、完全に居なくなった。
開催場所に着いたのか?
馬車は大きな建物に入ると、地下に続く階段に馬車の檻の扉に合わせて止まり、建物に常駐していた人達に一人づつ檻から出され、丁寧に地下に誘導されて行っている様だ。
最後に俺の番になった時、奴隷商の馬車がこの建物内に入って来て、俺が出されているのを急いで止めた。
「その子は特別でしてね。私が首輪を解除しないと檻から出た瞬間に首が飛ぶんですよ」
え?怖!何?俺にそんな首輪を着けていたのか?
「ですから私が解除を今からしますから解除したら地下水で身を清らかにさせて下さいね。
それが終わり次第特別な檻に入れて下さい。
くれぐれも他の男の檻と一緒にしないで下さいね?で、無いと貴方の首が飛ぶ事になりますからね」
奴隷商は言うと指をナイフで切って血が出ている指を俺の首輪に押し当て、何かを書いている風だった。
そうすると俺の首輪が静かに音もなく外れ、男達に地下に連行されていった。
地下に降りるとだだっ広いフロアがあって様々な大きさの檻があり、既にそれらの檻に奴隷が入っている様だ。
でも、それらの檻を通過して更に地下に続く階段があって、下に降りると色々枝分かれした通路になっていた。
通路の両側には扉があって炭の様な物で字を書かれていたが、俺には学が無いせいで何て書いてあるか読めなかった。
あれ?でも赤ん坊の頃から言葉は分かっていたよね?何でだろ?もしかしたら神様から貰ったスキルの中の一つだろうか。
それでも、それらの扉を通過して更に地下に続く階段があって下に降り続けると冷んやりしてきたから、水が近い事がわかったが、下に降りる階段の途中で二手に分かれている。
俺を先導する形で先に歩いている男は迷いなく片方の階段を降りて進むと俺もそれに続いて降りようとすると俺が降りる階段とは別のもう片方の階段の下から男が数人下から上がってきた。
どうやら、男女別れて地下水で清められる様になっている様だ。
やっぱり、男の奴隷が女の奴隷に手を出さない為に作ったのかな?
そう思いながら立ち止まって考えてると、俺の背後の男に早く行けと言わんばかりに無言で押された。
二手に分かれてる前の所は少しだけ平らにしてある踊り場になっていたから、階段を転げる事は無いけど、これが階段だったら危なかったかも知れない。
そして、先導する男を追いかける様に下に降りて行くと、どのくらい降りただろうか?
しばらく降りて行くと、ようやく最地下層に着いたのか、かなり広い地底湖になっていた。
松明やランプをあちこちに掛けてあっても、少し薄暗いが俺にはハッキリと見える。
この地底湖では裸の若い女性ばかりが身を清めていたのだ。
気持ちも子供になっているのかこれだけの女性の裸を見ても何とも感じない。
俺が服も脱がずにしばらく立って辺りを眺めて居るのを、俺を連れて来た男二人にニヤニヤした顔で見られていたのに気が付いた。
「やっぱり子供でも女の裸には反応するんだな?」
「だな!俺たちも見慣れたとは言えいつ見てもいい光景だからな」
反応してないのに!別に見惚れて立ってた訳じゃないのに!っと思ったけど説明しても無駄だと思った俺は、急いで服を脱いで湖に入ると、奴隷商の所の地下水より温かかった。
ちょっとヌルめの温泉って感じだ!
これなら何時迄も入っていられるけど流石に長時間入ってると怒られそうだから入りながら体を手で擦って、着ていた服も洗おうと一度上がって再度湖に入れ、中でも洗ってみると直ぐに汚れが落ちて綺麗になった。
洗った服を湖から出して絞って陸地に置き、再度湖で人の居ない辺りでバタフライや背泳ぎで泳いでいると、皆んなが俺を見ている様な視線を感じた。
温泉とかで泳ぐ子供に向ける大人の視線って感じだ。
だから本当に邪魔にならない様な場所に移動して、波を立たない様に平泳ぎで泳ぎ満足するまで泳いだ。
満足して陸地に上がって服着終わった事を監視役の人に伝えると、他の子が上がるまで待てと言われるかと思ったけど、俺だけ特別なのか?俺を挟む形で来る時と同様に上に上がった。
上に上がりきって通路を歩いて行くと沢山ある一つの扉を開けた。扉の中の部屋内には地下に下る階段があるだけだ。
監視の人はその階段をまた降りて行くとまた枝別れした通路に出たが、上と違うのは一つ一つの部屋の入口が扉ではなく、鉄格子で作ってあるから、一目でどの部屋にどんな奴隷が入ってるかが分かる仕様になっていた。
俺はその中の一つに入れられる事になった。
監視の人はしっかりと施錠して離れて行ったから、俺は檻から見える範囲で周りの檻を見てみると、ウサ耳の人や猫耳の人が見える辺り獣人か?この地下の檻は特別な奴隷達が入れられている様だな。
「あら?魔族かしら?」
辺りを見渡していると俺の入ってる檻の横から疑問の声が聞こえてきたから答えてあげよう。
「違いますよ。多分人間と思います」
「あら?違うのね。人族で黒髪なんて珍しいわね」
俺からは隣が見えないのに向こうからは見えているみたいだ。
「貴方は人族ではないのですか?」
「ああ、そっちから見えないでしょ?
後で檻から出された時にでも分かるけど私はエルフよ」
ここはちょっとした色々な種族の博覧会化しているな。
でも、エルフか見えないのが惜しい!
よくある話でエルフは魔法とかも自在に使えるのかな?
「じゃあ魔法とかって使えますか?」
「使えるけど首輪の所為で今は制限されているわね。私の方から貴方が見えるのはその制限されてる魔法で見えるのよ」
「それってどんな魔法ですか?
僕も使いたいです」
「多分、人族には無理と思うわよ。キチンと学校に行ってないと無理だわ」
異世界でこんな世界でも一応学校とかってあるんだ。
でも、俺には無詠唱があるしイメージでなんとかなるかも知れないし聞くだけ聞いてみよう。
「でも、何て魔法ですか?」
「使えないのにそんなに聞きたいの?
でも、いいわ暇だし教えてあげる。
魔法名は『スケルトンホール』っていうの、一部の壁を透視して見る事が出来る魔法よ」
成る程、透視かそれなら簡単かも知れない、目の前にある壁を透視するイメージで魔法名を言ってみるか。
「スケルトンホール」
俺が言うと壁の一面が透明な壁になって、目の前には紫色の耳が長く尖った女性が見えた。
横顔だけど、とても綺麗な人だ。
「言ったって簡単に使えっえ?何?これ?」
喋りながら俺の方を向いて驚いているけど、何に驚いてるんだろ?このエルフが教えた魔法なのにな。
「今教えてくれたじゃないですか」
「いや、本来なら術者にしか見えない魔法で小さな小窓だけで見える筈なんだけど、私の方からも見えるんだけど、どうなって何したの!」
あ、そうだったのかイメージと魔力が強くなり過ぎている様だ。
奴隷商の奴隷部屋では、ほぼ毎日魔法使っていたからそれで魔力が強くなったんだな。
でも、魔力の制御とかってどうするんだろ?明確で繊細なイメージが必要なのかな?
今『ウォーターボール』とか唱えたらとんでもない事になりそうだよね。
「それに詠唱も無しでどうやったの!」
あ、考え事してて忘れていたけど、このエルフまだ何か言ってたんだ。
でも、教えて貰っといてなんだけど少し面倒になった。
解除とかってどうすれば良いんだろう。
「秘密でふ」
あ、噛んじゃった。
でも壁に向かって「解除」と言いながら手を壁に当て横にスライドさせたら、簡単に解除できた。
解除できて良かった。何時迄もこのままじゃ監視の人が来た時に、このエルフに迷惑かけちゃうしね。
スケルトンホールを解除したから壁で見えないけど、まだ向こう側で何か言ってる風だ。
うるさいけど、久しぶりに魔法名を唱えて魔法使ったからなのか、凄く疲れた。
でも、まだ魔法を使えるくらいの余力はあるから、適当に使って眠気を誘発させよう。
そして監視が呼びに来るまで寝るとしようかな。
奴隷市場の開催される場所は奴隷商の屋敷からそう遠くはない場所の様だった。
俺は今まで知らなかったけど、奴隷商の屋敷は町の外れに当たる場所に建てられて居た様で、町中を通って開催場所に向かうのであった。
馬車に揺られる事数分経った頃、奴隷の檻の中ではどんな人に買われるかの雑談している。
その中でも金-377が矢鱈と、ハシャいでは御者から怒られていた。
俺もハシャいではいないものの、内心ドキドキはしている。
この奴隷商の奴隷は俺も含めてだけど、女と子供で占めている。
恐らくだけど、それを専門に扱う奴隷商なのだろう。
奴隷商も色々な専門的に扱う奴隷商がいて、その中でも亜人と呼ばれる奴隷が人気あるのだと言う。
その他では人ではあるけど、俺みたいな黒目黒髪はとても珍しいみたいで、これも高値で買い取られる事だろうって話だ。
御者の男が楽しそうにお付きの護衛と話しているのが聞こえてくる。
それにしても、専門に扱うって言っても奴隷商の屋敷には男いたよな?
完全に女と子供だけって訳じゃないのかな?考えてもどうでもいい事だし考えるのを止めた。
そして、俺はというと町中の風景を見ているけど建物の形や時代を考えると良くある、ヨーロッパ風の建物ばかりで、服装等も古くこれも良くある中世っぽい感じだ。
正に異世界って感じだ!
現在昼頃町中を馬車がゆっくりと町人から見世物にされる形で動いていた。
やっぱり俺の姿は珍しいのか?俺を指して驚いた顔をしている人や怒っているのか顔を赤くしている人等、色んな人が俺を見ていて様々な好奇な目線を感じている。
俺は町を見るのを止めて、上を見上げてここの匂いを嗅いでいた。
ここは港町なのか?海の香りがする。
やっぱり、何処でも海の香りっていうのは一緒なんだなって思って微笑んでみると突然
「キャーー」と野太い声が聞こえて女性か?そう思って檻の外側を見てみると、檻を挟んで至近距離でゴツイ男が俺の顔を見ていた。
「何?何この子可愛いわ!今夜の奴隷市に出るのかしら?あたし欲しいわ!帰ってパパにお願いしなきゃ」
え?オネエなのか?でも顔は男だけど胸があったから女かもスカート穿いてるし、今日の奴隷市に来るのかな?
それにしても奴隷市ってのは夜に開催されるんだな。
町人に見世物の様にしながら行くって事は奴隷市って奴隷を買うのは、貴族だけとは限らないのかも。
馬車が進むにつれ段々と町人が居なくなって行き、完全に居なくなった。
開催場所に着いたのか?
馬車は大きな建物に入ると、地下に続く階段に馬車の檻の扉に合わせて止まり、建物に常駐していた人達に一人づつ檻から出され、丁寧に地下に誘導されて行っている様だ。
最後に俺の番になった時、奴隷商の馬車がこの建物内に入って来て、俺が出されているのを急いで止めた。
「その子は特別でしてね。私が首輪を解除しないと檻から出た瞬間に首が飛ぶんですよ」
え?怖!何?俺にそんな首輪を着けていたのか?
「ですから私が解除を今からしますから解除したら地下水で身を清らかにさせて下さいね。
それが終わり次第特別な檻に入れて下さい。
くれぐれも他の男の檻と一緒にしないで下さいね?で、無いと貴方の首が飛ぶ事になりますからね」
奴隷商は言うと指をナイフで切って血が出ている指を俺の首輪に押し当て、何かを書いている風だった。
そうすると俺の首輪が静かに音もなく外れ、男達に地下に連行されていった。
地下に降りるとだだっ広いフロアがあって様々な大きさの檻があり、既にそれらの檻に奴隷が入っている様だ。
でも、それらの檻を通過して更に地下に続く階段があって、下に降りると色々枝分かれした通路になっていた。
通路の両側には扉があって炭の様な物で字を書かれていたが、俺には学が無いせいで何て書いてあるか読めなかった。
あれ?でも赤ん坊の頃から言葉は分かっていたよね?何でだろ?もしかしたら神様から貰ったスキルの中の一つだろうか。
それでも、それらの扉を通過して更に地下に続く階段があって下に降り続けると冷んやりしてきたから、水が近い事がわかったが、下に降りる階段の途中で二手に分かれている。
俺を先導する形で先に歩いている男は迷いなく片方の階段を降りて進むと俺もそれに続いて降りようとすると俺が降りる階段とは別のもう片方の階段の下から男が数人下から上がってきた。
どうやら、男女別れて地下水で清められる様になっている様だ。
やっぱり、男の奴隷が女の奴隷に手を出さない為に作ったのかな?
そう思いながら立ち止まって考えてると、俺の背後の男に早く行けと言わんばかりに無言で押された。
二手に分かれてる前の所は少しだけ平らにしてある踊り場になっていたから、階段を転げる事は無いけど、これが階段だったら危なかったかも知れない。
そして、先導する男を追いかける様に下に降りて行くと、どのくらい降りただろうか?
しばらく降りて行くと、ようやく最地下層に着いたのか、かなり広い地底湖になっていた。
松明やランプをあちこちに掛けてあっても、少し薄暗いが俺にはハッキリと見える。
この地底湖では裸の若い女性ばかりが身を清めていたのだ。
気持ちも子供になっているのかこれだけの女性の裸を見ても何とも感じない。
俺が服も脱がずにしばらく立って辺りを眺めて居るのを、俺を連れて来た男二人にニヤニヤした顔で見られていたのに気が付いた。
「やっぱり子供でも女の裸には反応するんだな?」
「だな!俺たちも見慣れたとは言えいつ見てもいい光景だからな」
反応してないのに!別に見惚れて立ってた訳じゃないのに!っと思ったけど説明しても無駄だと思った俺は、急いで服を脱いで湖に入ると、奴隷商の所の地下水より温かかった。
ちょっとヌルめの温泉って感じだ!
これなら何時迄も入っていられるけど流石に長時間入ってると怒られそうだから入りながら体を手で擦って、着ていた服も洗おうと一度上がって再度湖に入れ、中でも洗ってみると直ぐに汚れが落ちて綺麗になった。
洗った服を湖から出して絞って陸地に置き、再度湖で人の居ない辺りでバタフライや背泳ぎで泳いでいると、皆んなが俺を見ている様な視線を感じた。
温泉とかで泳ぐ子供に向ける大人の視線って感じだ。
だから本当に邪魔にならない様な場所に移動して、波を立たない様に平泳ぎで泳ぎ満足するまで泳いだ。
満足して陸地に上がって服着終わった事を監視役の人に伝えると、他の子が上がるまで待てと言われるかと思ったけど、俺だけ特別なのか?俺を挟む形で来る時と同様に上に上がった。
上に上がりきって通路を歩いて行くと沢山ある一つの扉を開けた。扉の中の部屋内には地下に下る階段があるだけだ。
監視の人はその階段をまた降りて行くとまた枝別れした通路に出たが、上と違うのは一つ一つの部屋の入口が扉ではなく、鉄格子で作ってあるから、一目でどの部屋にどんな奴隷が入ってるかが分かる仕様になっていた。
俺はその中の一つに入れられる事になった。
監視の人はしっかりと施錠して離れて行ったから、俺は檻から見える範囲で周りの檻を見てみると、ウサ耳の人や猫耳の人が見える辺り獣人か?この地下の檻は特別な奴隷達が入れられている様だな。
「あら?魔族かしら?」
辺りを見渡していると俺の入ってる檻の横から疑問の声が聞こえてきたから答えてあげよう。
「違いますよ。多分人間と思います」
「あら?違うのね。人族で黒髪なんて珍しいわね」
俺からは隣が見えないのに向こうからは見えているみたいだ。
「貴方は人族ではないのですか?」
「ああ、そっちから見えないでしょ?
後で檻から出された時にでも分かるけど私はエルフよ」
ここはちょっとした色々な種族の博覧会化しているな。
でも、エルフか見えないのが惜しい!
よくある話でエルフは魔法とかも自在に使えるのかな?
「じゃあ魔法とかって使えますか?」
「使えるけど首輪の所為で今は制限されているわね。私の方から貴方が見えるのはその制限されてる魔法で見えるのよ」
「それってどんな魔法ですか?
僕も使いたいです」
「多分、人族には無理と思うわよ。キチンと学校に行ってないと無理だわ」
異世界でこんな世界でも一応学校とかってあるんだ。
でも、俺には無詠唱があるしイメージでなんとかなるかも知れないし聞くだけ聞いてみよう。
「でも、何て魔法ですか?」
「使えないのにそんなに聞きたいの?
でも、いいわ暇だし教えてあげる。
魔法名は『スケルトンホール』っていうの、一部の壁を透視して見る事が出来る魔法よ」
成る程、透視かそれなら簡単かも知れない、目の前にある壁を透視するイメージで魔法名を言ってみるか。
「スケルトンホール」
俺が言うと壁の一面が透明な壁になって、目の前には紫色の耳が長く尖った女性が見えた。
横顔だけど、とても綺麗な人だ。
「言ったって簡単に使えっえ?何?これ?」
喋りながら俺の方を向いて驚いているけど、何に驚いてるんだろ?このエルフが教えた魔法なのにな。
「今教えてくれたじゃないですか」
「いや、本来なら術者にしか見えない魔法で小さな小窓だけで見える筈なんだけど、私の方からも見えるんだけど、どうなって何したの!」
あ、そうだったのかイメージと魔力が強くなり過ぎている様だ。
奴隷商の奴隷部屋では、ほぼ毎日魔法使っていたからそれで魔力が強くなったんだな。
でも、魔力の制御とかってどうするんだろ?明確で繊細なイメージが必要なのかな?
今『ウォーターボール』とか唱えたらとんでもない事になりそうだよね。
「それに詠唱も無しでどうやったの!」
あ、考え事してて忘れていたけど、このエルフまだ何か言ってたんだ。
でも、教えて貰っといてなんだけど少し面倒になった。
解除とかってどうすれば良いんだろう。
「秘密でふ」
あ、噛んじゃった。
でも壁に向かって「解除」と言いながら手を壁に当て横にスライドさせたら、簡単に解除できた。
解除できて良かった。何時迄もこのままじゃ監視の人が来た時に、このエルフに迷惑かけちゃうしね。
スケルトンホールを解除したから壁で見えないけど、まだ向こう側で何か言ってる風だ。
うるさいけど、久しぶりに魔法名を唱えて魔法使ったからなのか、凄く疲れた。
でも、まだ魔法を使えるくらいの余力はあるから、適当に使って眠気を誘発させよう。
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