父親に会うために戻った異世界で、残念なイケメンたちと出会うお話【本編完結】

未来へ

ただいま おかえり

「おかえり、アキ」

「ただいま、ルーカス早かったんだね」

マリナの家にはルーカスが既に帰ってきていた。

「晩ごはんどうする？」

「疲れてたら届けるよって言ってたけど…」

「大丈夫、ジルさんにも会いたいから行こう」

ジルさんはルーカス行きつけの店のご主人で俺達のマリナのお父さん？みたいな人…いやお母さんかな？

「アキちゃ～ん、おかえりなさい、今日は美味しいカニさんがあるわよ～シンプルに酒蒸しにしましょうね～」

青髪を角刈りにした厳ついおじちゃんなのに喋るとオネェ言葉なの、最初はびっくりしたけどね…今は超仲良し。

「「やっぱりいたぞ～」」

「アキ様～お久しぶりです～」

やってきたのはミハイルと鬼教官三人組…今ミハイルは地獄の研修中なんだ。
帰ってきたトマスが人相変わってたという地獄の研修…
ミハイルも疲れてるね…

「ミハイル大丈夫？」

「毎日アンジェロが励ましてくれるから、何とかやれてます。カイ様の携帯端末のおかげです」

この世界の恋人達にとってカイはもう神様みたいな存在になってる。距離があっても話せるって嬉しいよね。

「アキ～カニ剥いてやる。ほら口あけな」

鬼教官ボスのリンクさん、俺にデレデレです。

「リンク馴れ馴れしい…」

「心の狭い男はやだね～可愛いアキを独り占めなんて、女神様に怒られるぞ」

このやり取りもいつもの事、みんなニコニコだ。

マリナには俺を「おかえり」って迎えてくれる人が沢山できた。サファの国民性もあるんだけど、ここは本当に居心地がいい。

フォレストやドラゴアにも沢山知り合いが出来たしね…

この世界はもう俺の世界なんだなって思う。
美味しいご飯を食べて、皆で笑って飲んで家に帰ると、カイから着信が…

「そっちは順調？」

「うん、予定通りに帰れそうだ。ドラゴアの技師達も張り切ってる…でもアキに会えないのが寂しい」

「俺も…」

「帰ったら独り占めしたいとルーカスに伝えて」

「カイ、聞こえてるぞ。仕方ないな～とりあえずはきっちり終わらせてこいよ」

こんなやり取りも出来るようになったのが凄いよね。

「よし、ルーカスのお許しがでたから明日からまた頑張れそうだ。アキおやすみ…」

「おやすみ…」

スマホもどきを置くと後ろからルーカスに抱き締められる。

「でも今夜は俺だけのアキだ…風呂も一緒に入ろう」

「え～今日は一人で入りたい…ルーカス先に入って」

今日はね、一人でのんびりお湯に浸かりたい気分なんだ。
一緒だと絶対ゆっくり出来ない。

「ちぇっ、仕方ないな～お風呂のアキちゃんとエッチな事したかったのに…」

「もう…それは後で…」

「アキが今日も可愛いすぎる…よし急いで入ってくる」

可愛いのはルーカスだよね。
あぁ…幸せ…