父親に会うために戻った異世界で、残念なイケメンたちと出会うお話【本編完結】

未来へ

それからの日々

サファから戻ってしばらくは婚約発表の余波で騒がしかった日常も徐々に落ち着きを取り戻し、通常モードになってきた。

違うのはお昼ご飯を食べにくる人数が増えた事と、毎晩ルーカスとスマホもどきで通話する事…

ダニール様は毎朝の鍛練と食事で見違えるほど元気になった。クラウスと過ごす日々が良い刺激になっただけじゃなくて、カイとも凄く仲良くなったのも大きかったと思う。

時間があるときはカイも昼御飯を食べに来て、三人はシールズの失われた20年を取り戻すべく話をしてる。

ルーカスも時々食べにくるし、ミハイル様もヨエルも一緒に来るようになって気分は相撲部屋のおかみさん…
楽しいからね、全然いいよ。

例のシールズ食品の店にもようやく行けた。まだまだ馴染みのない食材が多いから店頭で醤油で味付けした出汁の試飲を提案してみた。上手くいくといいな…

ミハイル様の恋は結局まだ進展なし…三人のお兄様達とカリスト様の壁はかなり高そうだもんね、ミハイル様はルーカスにお兄様方の攻略法を聞いたりしてる。

ヨエルは勘の良い子なので、サファから帰ってきたミハイル様を見て思うところがあったらしい。
意外なのはあれからも朝の鍛練が続いてること…
「僕もアキ兄様みたいに守られるだけじゃない男になりたいです」って言って頑張ってる。

ダニール様は俺と打ち合いが出来るくらいまで成長。
父さんに仕込まれた俺、実は割と強くなってる。
鍛練場の騎士さん達と同じくらい動けるんだよ、凄くない？そして短期間でそのレベルに追い付いたダニール様はもっと凄い。

二人は二週間の滞在を終えシールズに戻って行った。
といってもクラウス達の結婚式やダニール様の即位式なんかでまたすぐ会えるけどね…

サファから帰って俺達は三人でいろいろな話をした。
この世界のスタンダードであるらしい三人で過ごす夜は今の俺達にはまだ早いって事で決着。
結婚式は半年後に決まり、それまでは週末をどちらかと一緒に過ごして平日はそれぞれの仕事を頑張ることになった。
これは俺の提案…まだ婚約者だからね、節度を持った交際をしたい。

ルーカスはシールズに行ってた間の仕事に追われ、カイは新たにシールズの復興に向けてのあれやこれやで忙しくなった。

そして俺も新しい仕事が…
ルナ様の神託で神官長代行に就任です。
アハトの出産までに神官長の業務を学んでアハトが戻るまで中央教会を守る事に…

といっても殆どの業務は神官さん達が分担して担当してくれるから、俺の仕事はルナ様とのおしゃべりだったりする。


毎日忙しくて、充実してるんだけどね…
それはとても良い事だと思うよ…でもね…