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はぐくむ
ドラゴアの夜
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迎えに来たカイとドラゴアへ、通されたのはファミリーダイニング。
そこにはアーロン様のご両親も来ていた。
お祖父様とダニール様がそっくり!
言葉はいらないね、三人は家族だ。
ニーロ様のポルチはボルシチみたいな料理でアーロン様のお母様が作ってくれたミートパイとシールズ産のワイン…素朴で暖かい料理は心も温かくなった。
ダニール様も沢山食べてたよ、ミートパイもよく作ってもらったんだって。
話がつきないニーロ様達にご挨拶して俺とカイは退席。
「アキ、連れていきたい場所があるんだ」
手を引かれて転移門で到着したのは不思議な建物…
壁も床も白一色、間接照明の優しい光だけで家具も見当たらない。
「ここは?」
「私が一人になりたい時に使っている別荘だ。山の上にあるから少し気温が低いが寒くないか?」
「大丈夫…」
「一階には資料や蔵書を置いてる。二階に行こう」
「綺麗…」
二階はワンフロアで一面は全面ガラス張り、目の前にはドラゴアの夜景の海が広がっていた。
「アキにこの景色を見せたかった。バルコニーに出てみないか?」
外に出ると少し冷たい空気が気持ちいい、ドラゴアの皇都は高層の建物が多くて密集してるから凄く綺麗。
「冷えるといけない」
カイがブランケットをかけてくれる。
「ありがとう…」
「アキ、もう一つ見せたい物があるんだ。こっちにおいで」
バルコニーの端には壁で仕切られた場所があって湯気が出てる。
「もしかしてお風呂?」
「アキの為に作ったんだ、部屋からもテラスからも出入り出来る温泉だ。扉を開けてごらん」
「凄い!夜景を見ながら入れるんだね」
大理石で作られた浴槽は二人で入っても余裕の広々した作りだった。
「夜景だけじゃないぞ、アキ…一緒に入らないか?」
温泉の誘惑に勝てない俺は進化著しいスパダリに器用に服を脱がされお湯の中へ…
うわっ肌がツルツル、泉質最高じゃん!
「アキ、上を見て」
カイが照明を落とすと空には満天の星…
いつのまにか服を脱いだカイ…昨日はちゃんと見る余裕がなかったけど、引き締まった肉体は物凄くセクシーだ…
「アキの肌がピンクに染まっている…少し熱いか?」
隣に座ったカイの手が頬をなぞる…
「お湯加減は丁度いい…少し恥ずかしかっただけ…カイ、キスしたい…」
夜の静寂の中、お湯が流れる音と重なる唇からこぼれる吐息しか聞こえない。
薄暗い視界の先にはカイと満天の星…
「カイ…好き…」
呟いた瞬間、強く抱きしめられるとカイの香りがぶわっと広がる。
「アキ…ありがとう。諦めないで良かった…幸せだ…」
そこにはアーロン様のご両親も来ていた。
お祖父様とダニール様がそっくり!
言葉はいらないね、三人は家族だ。
ニーロ様のポルチはボルシチみたいな料理でアーロン様のお母様が作ってくれたミートパイとシールズ産のワイン…素朴で暖かい料理は心も温かくなった。
ダニール様も沢山食べてたよ、ミートパイもよく作ってもらったんだって。
話がつきないニーロ様達にご挨拶して俺とカイは退席。
「アキ、連れていきたい場所があるんだ」
手を引かれて転移門で到着したのは不思議な建物…
壁も床も白一色、間接照明の優しい光だけで家具も見当たらない。
「ここは?」
「私が一人になりたい時に使っている別荘だ。山の上にあるから少し気温が低いが寒くないか?」
「大丈夫…」
「一階には資料や蔵書を置いてる。二階に行こう」
「綺麗…」
二階はワンフロアで一面は全面ガラス張り、目の前にはドラゴアの夜景の海が広がっていた。
「アキにこの景色を見せたかった。バルコニーに出てみないか?」
外に出ると少し冷たい空気が気持ちいい、ドラゴアの皇都は高層の建物が多くて密集してるから凄く綺麗。
「冷えるといけない」
カイがブランケットをかけてくれる。
「ありがとう…」
「アキ、もう一つ見せたい物があるんだ。こっちにおいで」
バルコニーの端には壁で仕切られた場所があって湯気が出てる。
「もしかしてお風呂?」
「アキの為に作ったんだ、部屋からもテラスからも出入り出来る温泉だ。扉を開けてごらん」
「凄い!夜景を見ながら入れるんだね」
大理石で作られた浴槽は二人で入っても余裕の広々した作りだった。
「夜景だけじゃないぞ、アキ…一緒に入らないか?」
温泉の誘惑に勝てない俺は進化著しいスパダリに器用に服を脱がされお湯の中へ…
うわっ肌がツルツル、泉質最高じゃん!
「アキ、上を見て」
カイが照明を落とすと空には満天の星…
いつのまにか服を脱いだカイ…昨日はちゃんと見る余裕がなかったけど、引き締まった肉体は物凄くセクシーだ…
「アキの肌がピンクに染まっている…少し熱いか?」
隣に座ったカイの手が頬をなぞる…
「お湯加減は丁度いい…少し恥ずかしかっただけ…カイ、キスしたい…」
夜の静寂の中、お湯が流れる音と重なる唇からこぼれる吐息しか聞こえない。
薄暗い視界の先にはカイと満天の星…
「カイ…好き…」
呟いた瞬間、強く抱きしめられるとカイの香りがぶわっと広がる。
「アキ…ありがとう。諦めないで良かった…幸せだ…」
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