父親に会うために戻った異世界で、残念なイケメンたちと出会うお話【本編完結】

ぴろ

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母の思いと思い出と

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うどんを食べて泣いてる人初めて見た…
美味しいのね、良かった…

「母上の味を思い出しました…」

そう言ったダニール様はうどんを完食、今二杯目食べてます。
子供の頃神官長にうどんの作り方を教わったアーロン様が作ってくれたんだって。肉や野菜が沢山入ったうどん…

「この数年命をつなぐ為だけに食べていたうどんとはまるで違います…アキ様ありがとうございます…」

うんうん良かった。
アーロン様も料理好きだったんだ。おにぎりも食べな…

「アキ、この茶色のスープが醤油なのか?」

「そうだよ、クラウスも美味しい?」

めっちゃ頷いてる。気に入ったんだね。

「ダニール様、これはきっとフォレストで流行ると思います。ワインに匹敵する輸出品になりますよ」

クラウスさすが…
確かにフォレストの人は好きな味だと思う。

「シールズでは不人気なのですが大丈夫でしょうか…」

「フォレストはシンプルな味付けを好む傾向がありますから、大丈夫かと…」

「クラウス、街にシールズの食品を扱ってる店があるよ、ロンが知ってる。俺も行きたかったからダニール様がいるうちに行こう!」

「いいな、早速調整しよう。アキは昼からの方が時間がとれるのか?」

「うん、教会は午前中に終わるからいつでもいいよ」

やった、街歩きだ。
結局バタバタしてて行けてないんだよね。

「楽しそうだな…」

カイがきた…
駄目だ恥ずかしい、顔が見れない…

「ダニール様、今夜の夕食はドラゴアで召し上がりませんか?母上が昨日話したポルチを食べさせたいと張り切ってます…」

「ポルチ?」

「ドラゴアの家庭料理だ、母上のレシピはダニール様の母君から教わったらしい」

アーロン様のレシピか…それはダニール様も嬉しいね。

「突然お伺いして大丈夫でしょうか?」

「今許可を取ってきました。ミハイル様もご一緒に今夜はドラゴアにお泊まり下さい。」

「お心遣い感謝いたします」

「では夕刻、お迎えにあがります」

あれ?カイもう帰っちゃうのかな?

「アキ、ちょっといいか?」

何故か寝室に連れて行かれます。何故?
はい壁ドンてやつですね。
初体験です。

「アキ…」

「カイ駄目だよ今は…」

「わかっている…少しだけ…アキは二人と楽しそうに話すのに私とは目を合わせてくれない…」

カイ…お前もか…
嫉妬の塊の婚約者様は濃厚な口づけをして耳元で囁いた…

「アキも今夜はドラゴアで夕食を食べよう、アルト様の許可は頂いた。朝まで一緒にいたい…」

俺より先に父さんの許可…
ていうか何で父さん許可してんの?カイに甘いよね…

「アキ…嫌か?私は嫌われてしまったのか…やっぱり昨夜上手く出来なかったから…」

あ~ネガティブモード突入だ…

「カイ、行くよ…全然嫌じゃない、恥ずかしかっただけ…それにちゃんと出来てた」

しまった…間違えた…
何を言ってるんだ俺は…
ちゃんと出来てたって何だよ…あぁカイめっちゃ嬉しそう…ヤバい…










   
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