127 / 156
はぐくむ
トピアスの困惑
しおりを挟む
私は確かに既婚者だ。
年長者は若者を導く、当たり前の事だ…
「トピアス…私はどうやってアキに触れたらいいのだ?考えても分からない…教えてもらえないだろうか…」
カイ様…それは無理です。
教えられません。
大人の男を気取ってますが、私はアハトが初恋で経験人数はもちろん一人…
奥手なアハトと二人試行錯誤してここまで来たんです。その手の質問は私じゃなくてルーカス様でしょう…
「ルーカスはいつでも教えてやると言っていたが、やはりここは大人の男の意見が聞きたい、トピアスとアハトのような仲睦まじい二人になりたいのだ…」
大人の男…いい響きだ…
経験値は高くないが愛を育んだ時間は確かに長い…
「カイ様、心に従えば大丈夫です。竜人は本能でそれを理解していると言われています…竜の血か濃いカイ様なら心配いらないと思いますよ」
多分な…何かに書いてあったような気がする…私は汗だくで何度も挑戦したけどな…キスまで半年、大人のキスまで更に半年…気の遠くなるような時間を経て今がある…
「さすがトピアスだ…アキがネルドから戻ったら焦らず少しずつ進んでいこう。ありがとう、感謝する」
爽やかに立ち去るカイ様を見送る…アキ様は今頃ルーカス様と合流してる筈…
大丈夫、あのルーカス様が初めてのお相手ならアキ様がカイ様をリードしてくださる筈…
アキ様はあの可憐な見た目と違い意外と大胆で男前だ。私のアドバイスより実践で学んで下さい…
それが先日の話…そして今日…
「トピアス…ちょっといい?」
王宮の昼食会から帰ったアキ様がモジモジしてる…
最近はお一人で動かれる時間も増え私の出番は少なくなった。
「教えて欲しい魔法があるんだけど…」
魔法?
「なんでしょう?」
「恥ずかしいんだけど…あのさ、キスのその先の…」
顔が真っ赤なのは可愛いのですが…先日もそんな質問してましたね、今度は何でしょう…
「浄化と避妊の魔法?俺にも出来る?」
え?アキ様が?何故?
「さっきエリーナとヨエルから聞いたんだけど、みんな王立学園で習うんでしょ?俺も出来るようになりたい…」
えっと…確かにそうですが、私に聞きます?どんな顔して教えればいいの?
頼みの綱のアハトはスヤスヤ眠っている。明日には回復するだろうが、アキ様は今知りたいんだろうな…
「エリーナとヨエルが教えるって言ったけど恥ずかしいし…トピアスなら大人の男だから大丈夫かなって…」
また大人の男…
カイ様とアキ様は私を困らせる天才ですね…
仕方ない…無になろう…
「ちょっと待って下さい、教本がありますから取ってきますね…」
大丈夫、アハトがアキ様の為にまとめた教本がある。
あれを読めばアキ様は説明などなくても理解されるはず…
妊娠の初期症状で眠るアハトを起こさないように、そっと教本を取りに行く。
アハトありがとう。
君はやはり世界一の妻だ…
年長者は若者を導く、当たり前の事だ…
「トピアス…私はどうやってアキに触れたらいいのだ?考えても分からない…教えてもらえないだろうか…」
カイ様…それは無理です。
教えられません。
大人の男を気取ってますが、私はアハトが初恋で経験人数はもちろん一人…
奥手なアハトと二人試行錯誤してここまで来たんです。その手の質問は私じゃなくてルーカス様でしょう…
「ルーカスはいつでも教えてやると言っていたが、やはりここは大人の男の意見が聞きたい、トピアスとアハトのような仲睦まじい二人になりたいのだ…」
大人の男…いい響きだ…
経験値は高くないが愛を育んだ時間は確かに長い…
「カイ様、心に従えば大丈夫です。竜人は本能でそれを理解していると言われています…竜の血か濃いカイ様なら心配いらないと思いますよ」
多分な…何かに書いてあったような気がする…私は汗だくで何度も挑戦したけどな…キスまで半年、大人のキスまで更に半年…気の遠くなるような時間を経て今がある…
「さすがトピアスだ…アキがネルドから戻ったら焦らず少しずつ進んでいこう。ありがとう、感謝する」
爽やかに立ち去るカイ様を見送る…アキ様は今頃ルーカス様と合流してる筈…
大丈夫、あのルーカス様が初めてのお相手ならアキ様がカイ様をリードしてくださる筈…
アキ様はあの可憐な見た目と違い意外と大胆で男前だ。私のアドバイスより実践で学んで下さい…
それが先日の話…そして今日…
「トピアス…ちょっといい?」
王宮の昼食会から帰ったアキ様がモジモジしてる…
最近はお一人で動かれる時間も増え私の出番は少なくなった。
「教えて欲しい魔法があるんだけど…」
魔法?
「なんでしょう?」
「恥ずかしいんだけど…あのさ、キスのその先の…」
顔が真っ赤なのは可愛いのですが…先日もそんな質問してましたね、今度は何でしょう…
「浄化と避妊の魔法?俺にも出来る?」
え?アキ様が?何故?
「さっきエリーナとヨエルから聞いたんだけど、みんな王立学園で習うんでしょ?俺も出来るようになりたい…」
えっと…確かにそうですが、私に聞きます?どんな顔して教えればいいの?
頼みの綱のアハトはスヤスヤ眠っている。明日には回復するだろうが、アキ様は今知りたいんだろうな…
「エリーナとヨエルが教えるって言ったけど恥ずかしいし…トピアスなら大人の男だから大丈夫かなって…」
また大人の男…
カイ様とアキ様は私を困らせる天才ですね…
仕方ない…無になろう…
「ちょっと待って下さい、教本がありますから取ってきますね…」
大丈夫、アハトがアキ様の為にまとめた教本がある。
あれを読めばアキ様は説明などなくても理解されるはず…
妊娠の初期症状で眠るアハトを起こさないように、そっと教本を取りに行く。
アハトありがとう。
君はやはり世界一の妻だ…
3
お気に入りに追加
397
あなたにおすすめの小説
ダメな方の異世界召喚された俺は、それでも風呂と伴侶を愛してる
おりく
BL
ちょっと早めのハロウィンとは名ばかりのコスプレ呑み会の会場に入ろうとしてドアを開けたら異世界転移してしまった紫苑
魔法があり魔獣もいる世界で生きるためにハンターになることにしたが、特大の問題があった
転移した国は慢性的な水不足で風呂文化が存在しなかったのだ
クリーンの魔法では汚れは落ちるが風情が無い!
風呂文化がない事が我慢できない紫苑はチートな魔力で風呂を普及するべく行動に出る
風呂が好きなのに、日本では銭湯・スーパー銭湯・レジャープールに入れなかった鬱憤は異世界で晴らす!
もう我慢はしないと決めた男がチート級の魔力にモノを言わせて花嫁たちを溺愛つつ異世界で好き勝手する話
6章から不定期更新になります
嫁を愛でたい男の日常の話です
糖度が高いです
お風呂まで長いです
R18までも長いです(3章に少し、4章から)
素人がスマホでポチポチ書いています
キリの良いところまで複数話更新することがあります
選択肢が増えると良いな、と思い総攻めを投稿してみました
何でも許せる方、お付き合いください
突然異世界転移させられたと思ったら騎士に拾われて執事にされて愛されています
ブラフ
BL
学校からの帰宅中、突然マンホールが光って知らない場所にいた神田伊織は森の中を彷徨っていた
魔獣に襲われ通りかかった騎士に助けてもらったところ、なぜだか騎士にいたく気に入られて屋敷に連れて帰られて執事となった。
そこまではよかったがなぜだか騎士に別の意味で気に入られていたのだった。
だがその騎士にも秘密があった―――。
その秘密を知り、伊織はどう決断していくのか。
異世界転移して美形になったら危険な男とハジメテしちゃいました
ノルジャン
BL
俺はおっさん神に異世界に転移させてもらった。異世界で「イケメンでモテて勝ち組の人生」が送りたい!という願いを叶えてもらったはずなのだけれど……。これってちゃんと叶えて貰えてるのか?美形になったけど男にしかモテないし、勝ち組人生って結局どんなん?めちゃくちゃ危険な香りのする男にバーでナンパされて、ついていっちゃってころっと惚れちゃう俺の話。危険な男×美形(元平凡)※ムーンライトノベルズにも掲載
転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!
めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。
ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。
兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。
義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!?
このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。
※タイトル変更(2024/11/27)
最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。
羽海汐遠
ファンタジー
最強の魔王ソフィが支配するアレルバレルの地。
彼はこの地で数千年に渡り統治を続けてきたが、圧政だと言い張る勇者マリスたちが立ち上がり、魔王城に攻め込んでくる。
残すは魔王ソフィのみとなった事で勇者たちは勝利を確信するが、肝心の魔王ソフィに全く歯が立たず、片手であっさりと勇者たちはやられてしまう。そんな中で勇者パーティの一人、賢者リルトマーカが取り出したマジックアイテムで、一度だけ奇跡を起こすと言われる『根源の玉』を使われて、魔王ソフィは異世界へと飛ばされてしまうのだった。
最強の魔王は新たな世界に降り立ち、冒険者ギルドに所属する。
そして最強の魔王は、この新たな世界でかつて諦めた願いを再び抱き始める。
彼の願いとはソフィ自身に敗北を与えられる程の強さを持つ至高の存在と出会い、そして全力で戦った上で可能であれば、その至高の相手に完膚なきまでに叩き潰された後に敵わないと思わせて欲しいという願いである。
人間を愛する優しき魔王は、その強さ故に孤独を感じる。
彼の願望である至高の存在に、果たして巡り合うことが出来るのだろうか。
『カクヨム』
2021.3『第六回カクヨムコンテスト』最終選考作品。
2024.3『MFブックス10周年記念小説コンテスト』最終選考作品。
『小説家になろう』
2024.9『累計PV1800万回』達成作品。
※出来るだけ、毎日投稿を心掛けています。
小説家になろう様 https://ncode.syosetu.com/n4450fx/
カクヨム様 https://kakuyomu.jp/works/1177354054896551796
ノベルバ様 https://novelba.com/indies/works/932709
ノベルアッププラス様 https://novelup.plus/story/998963655
悪役令嬢のペットは殿下に囲われ溺愛される
白霧雪。
BL
旧題:悪役令嬢のポチは第一王子に囲われて溺愛されてます!?
愛される喜びを知ってしまった――
公爵令嬢ベアトリーチェの幼馴染兼従者として生まれ育ったヴィンセント。ベアトリーチェの婚約者が他の女に現を抜かすため、彼女が不幸な結婚をする前に何とか婚約を解消できないかと考えていると、彼女の婚約者の兄であり第一王子であるエドワードが現れる。「自分がベアトリーチェの婚約について、『ベアトリーチェにとって不幸な結末』にならないよう取り計らう」「その代わり、ヴィンセントが欲しい」と取引を持ち掛けられ、不審に思いつつも受け入れることに。警戒を解かないヴィンセントに対し、エドワードは甘く溺愛してきて……
❁❀花籠の泥人形編 更新中✿ 残4話予定✾
❀小話を番外編にまとめました❀
✿背後注意話✿
✾Twitter → @yuki_cat8 (作業過程や裏話など)
❀書籍化記念IFSSを番外編に追加しました!(23.1.11)❀
抱かれてみたい
小桃沢ももみ
BL
16歳になったアーロンは王都の貴族学院に入学する事に。学院は3年制だが、アーロンには卒業後に帰ってくる場所はない。何故ならアーロンの家は貧乏男爵家で、しかも10人兄弟の末っ子だから。
この国では貴族に生まれても将来が安泰なのは長男とせいぜい次男のみ。裕福な家ならともかく、そうでないなら三男以降はなんとかして在学中に卒業後の進路を決めなくちゃいけない。だから学院では勉強よりも、将来の為に就職活動に励む生徒が多い。
中でも人気なのは、裕福な貴族の男の愛人になる事。つまり在学中に将来の有望株をゲットするって事。その為、母親似で可憐な見た目のアーロンに、家族はリッチな男の先輩を捕まえて愛人になるように勧めるけど、アーロンは気が進まなくて……。
※男尊女卑の考え方が主流の世界です。
※更新お休み中です。『引きこもりの』が終わったら再開します。(2024.6.11)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる