父親に会うために戻った異世界で、残念なイケメンたちと出会うお話【本編完結】

動きだす

写真を撮ろう

シールズ集団の中でも若手の騎士達は今の状況がおかしいと思っているみたい。
でも皇帝と皇太子は心酔しているし、皇都は皆瘴気避けとして青い粉を目の回りにつけることが義務づけられてるみたい。
今回の来訪は世界中の癒しの力を独占してるフォレストへの抗議と、皇太子と俺の婚約を再び打診するためなんだって。

「ふざけるな…」

えっカイが怒っちゃうの？
確かにふざけてるけどさ…

「ふざけてますわね、アキ様をあんなおかしな顔のオジサンに嫁がせるなんてあり得ませんわ！」

こらエリーナ…確かに年上だけどさ、トピアスが独身なら俺全然嫁に行けちゃうよ。
おかしな顔って言っちゃってるし…

「シールズの主張としてはフォレストのせいでシールズが瘴気まみれになってきてるって事らしい。一応エーミル様達には伝えたから昼食会で話し合ってると思うよ」

なるほど…ていうかルーカス、あの短時間で何故そこまで…
ホストは仮の姿で実は切れ者諜報員かもしれない。
今日の完璧騎士様ルックも仮の姿か…あ、写真！

「カイ、さっき会場でちらっと見えたんだけどスマホ持ってきてくれたの？」

あれ？カイ顔が赤い…どうした？

「すまないアキのスマホはまだ研究室だ。さっき持ってたのはこれ、まだ完成品ではないがスマホのような魔道具を作ってみた」

「え？作ったの？こんな短時間で？カイは天才なの？」

「まだもう少し改良は必要だと思うがカメラ機能と通話機能はほぼ完成した。さっきはカメラを試してた。最初に撮るならアキの姿が良いだろう？」

カイが見せてくれたスマホもどきにはしっかり俺の晴れ姿が写ってた。ちゃんと真面目な顔してたよ、良かった。

「もしかして撮った写真のプリントも出来る？」

「あぁ、アキが話してくれたプリンターのような魔道具は今作っている」

カイ最高か…
皆の尊い正装を記録として残せる。

「アキの言ってた自撮り？も出来る機能もつけてみたぞ」

「カイ凄いよ！みんな写真撮ろう！」

カイが作ってくれたスマホもどきは、見た目はほぼスマホだった。
取り敢えず2台作って音声通話が出来るとこまでは確認済みらしい。

次世代のこの世界を牽引するエース達はあっという間に使いこなし俺達は沢山写真を撮った。嫌がるカイとルーカスの写真も撮ったよ。
エリーナとクラウスもね！

「これが実用化すれば世界は変わるな…」

クラウスが感心してる。
そうだよね、カイは本当に凄いよ。
カイが言うには作りがかなり精密だから量産するまではかなりの時間がかかるらしい。
まずはカメラや通信機を一般家庭にも普及させて、写真や通話を日常的な物にしていきたいんだって。

「アキと二人で自撮りの写真を撮りたい…」

撮ろう撮ろう！
カイだけずるいと騒ぐルーカスとエリーナともツーショットを撮って、仲間外れだといじけるクラウスとも撮って、楽しい昼食時間は終了！

いよいよパーティ…俺絶対笑っちゃうよ…ヤバい…