64 / 156
始まりの予感
貴公子様は間に合わない
しおりを挟む
時間が足りない…
まだダンスの練習が出来ていないのに…
我ながら精巧に作りすぎたアキの等身大人形が俺に微笑む…
愛らしいその姿に見とれていたら夜が明けていた…
せめてエスコートの練習までは完璧に終わらせてアキの所に行こう。
ダンスは帰ってきてからでも間に合うだろう…
カイは疲れた身体を椅子に預け目を閉じた…
アキの部屋に行ったあの日、スマホと呼ばれる道具を見せられた。
手のひらサイズのそれは驚くほど多機能で、異世界の生活には欠かせないものらしい。
アキは私の質問に一生懸命答えてくれた。自分は専門家ではないから…と前置きしながらも俺に伝えようと言葉を選ぶ姿に胸が震えた。
カメラとレンズの話は衝撃だった。
光を集めてレンズを通して映ったものを反転させる。技術的には全く難しいことではない。この世界にその発想がなかっただけだ。
スマホと電波の話もそうだ。
アキの世界の電気と違い、この世界は空気中の魔素と自らの魔力を繋ぐことで魔法を発動している。
つまりこの世界にアキの言う圏外は存在しないのだ…
出来る…そう思った。
アキにスマホを貸して貰えないかと尋ねると快く承諾してくれた。
それだけではない、アキは私の浄化石の研究についても知っていて誉めてくれたんだ…
「カイは凄いね」
アキの言葉が頭から離れない。
今の私は何だって出来る…
急いで研究室に戻り次の日の朝にはスマホもどきが完成していた。次の日には関節を動かせるアキの等身大人形が出来ていた。
自分の才能が恐ろしい…
本当は動くものにしたかったが、よりアキに近いものを追求したらこれが限界だ。
動きと喋る機能は後でつけよう…
スマホの中の動くアキを立体化したそれは異世界の学校の制服を着ている。眺めていたらあっという間に一日が終わる。
本来ならエスコートまでの動きを練習してアキの所に行く予定だったのに練習ができていない。
人形とはいえアキにそっくりなのだ。触れる手が震えるし顔も直視できない…
精巧に作りすぎた事を後悔したが、本物の破壊力を思えばやはり練習が必要だ。
大丈夫俺は出来る。
自分に言い聞かせ正面からアキ人形を見つめたが可愛すぎて直視できない。
まずは横に並んで共に歩く所から練習することにしよう、時間がない…
ルーカスに負けるわけにはいかない…経験がないなら練習を積むしかない…
「寝てしまった…」
目を閉じて少し休むつもりが寝てしまっていた…早めに行ってアキとクラウス達と昼食を取るつもりだったのに…
取り敢えず準備だ…急ごう。
まだダンスの練習が出来ていないのに…
我ながら精巧に作りすぎたアキの等身大人形が俺に微笑む…
愛らしいその姿に見とれていたら夜が明けていた…
せめてエスコートの練習までは完璧に終わらせてアキの所に行こう。
ダンスは帰ってきてからでも間に合うだろう…
カイは疲れた身体を椅子に預け目を閉じた…
アキの部屋に行ったあの日、スマホと呼ばれる道具を見せられた。
手のひらサイズのそれは驚くほど多機能で、異世界の生活には欠かせないものらしい。
アキは私の質問に一生懸命答えてくれた。自分は専門家ではないから…と前置きしながらも俺に伝えようと言葉を選ぶ姿に胸が震えた。
カメラとレンズの話は衝撃だった。
光を集めてレンズを通して映ったものを反転させる。技術的には全く難しいことではない。この世界にその発想がなかっただけだ。
スマホと電波の話もそうだ。
アキの世界の電気と違い、この世界は空気中の魔素と自らの魔力を繋ぐことで魔法を発動している。
つまりこの世界にアキの言う圏外は存在しないのだ…
出来る…そう思った。
アキにスマホを貸して貰えないかと尋ねると快く承諾してくれた。
それだけではない、アキは私の浄化石の研究についても知っていて誉めてくれたんだ…
「カイは凄いね」
アキの言葉が頭から離れない。
今の私は何だって出来る…
急いで研究室に戻り次の日の朝にはスマホもどきが完成していた。次の日には関節を動かせるアキの等身大人形が出来ていた。
自分の才能が恐ろしい…
本当は動くものにしたかったが、よりアキに近いものを追求したらこれが限界だ。
動きと喋る機能は後でつけよう…
スマホの中の動くアキを立体化したそれは異世界の学校の制服を着ている。眺めていたらあっという間に一日が終わる。
本来ならエスコートまでの動きを練習してアキの所に行く予定だったのに練習ができていない。
人形とはいえアキにそっくりなのだ。触れる手が震えるし顔も直視できない…
精巧に作りすぎた事を後悔したが、本物の破壊力を思えばやはり練習が必要だ。
大丈夫俺は出来る。
自分に言い聞かせ正面からアキ人形を見つめたが可愛すぎて直視できない。
まずは横に並んで共に歩く所から練習することにしよう、時間がない…
ルーカスに負けるわけにはいかない…経験がないなら練習を積むしかない…
「寝てしまった…」
目を閉じて少し休むつもりが寝てしまっていた…早めに行ってアキとクラウス達と昼食を取るつもりだったのに…
取り敢えず準備だ…急ごう。
2
お気に入りに追加
392
あなたにおすすめの小説
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
正体不明のお兄さんに気に入られて淫紋まで付けられて所有物にされる話
辻河
BL
・ひょんなことから出会った謎のお兄さんに突然襲われて、触手を使って開発され、挙句の果てに淫紋を付けられて快楽堕ちする大学生の話
・たぶん人ではない執着攻め×攻めに気に入られて捕まえられた可哀想な受け
※♡喘ぎ、濁点喘ぎ、触手責め、尿道責め、淫紋などの表現が含まれています。
勇者の股間触ったらエライことになった
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
勇者さんが町にやってきた。
町の人は道の両脇で壁を作って、通り過ぎる勇者さんに手を振っていた。
オレは何となく勇者さんの股間を触ってみたんだけど、なんかヤバイことになっちゃったみたい。
主人公の兄になったなんて知らない
さつき
BL
レインは知らない弟があるゲームの主人公だったという事を
レインは知らないゲームでは自分が登場しなかった事を
レインは知らない自分が神に愛されている事を
表紙イラストは マサキさんの「キミの世界メーカー」で作成してお借りしています⬇ https://picrew.me/image_maker/54346
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
愛され末っ子
西条ネア
BL
本サイトでの感想欄は感想のみでお願いします。全ての感想に返答します。
リクエストはTwitter(@NeaSaijou)にて受付中です。また、小説のストーリーに関するアンケートもTwitterにて行います。
(お知らせは本編で行います。)
********
上園琉架(うえぞの るか)四男 理斗の双子の弟 虚弱 前髪は後々左に流し始めます。髪の毛の色はご想像にお任せします。深い赤みたいなのアースアイ 後々髪の毛を肩口くらいまで伸ばしてゆるく結びます。アレルギー多め。その他の設定は各話で出てきます!
上園理斗(うえぞの りと)三男 琉架の双子の兄 琉架が心配 琉架第一&大好き 前髪は後々右に流します。髪の毛の色はご想像にお任せします。深い緑みたいなアースアイ 髪型はずっと短いままです。 琉架の元気もお母さんのお腹の中で取っちゃった、、、
上園静矢 (うえぞの せいや)長男 普通にサラッとイケメン。なんでもできちゃうマン。でも弟(特に琉架)絡むと残念。弟達溺愛。深い青色の瞳。髪の毛の色はご想像にお任せします。
上園竜葵(うえぞの りゅうき)次男 ツンデレみたいな、考えと行動が一致しないマン。でも弟達大好きで奮闘して玉砕する。弟達傷つけられたら、、、 深い青色の瞳。兄貴(静矢)と一個差 ケンカ強い でも勉強できる。料理は壊滅的
上園理玖斗(うえぞの りくと)父 息子達大好き 藍羅(あいら・妻)も愛してる 家族傷つけるやつ許さんマジ 琉架の身体が弱すぎて心配 深い緑の瞳。普通にイケメン
上園藍羅(うえぞの あいら) 母 子供達、夫大好き 母は強し、の具現化版 美人さん 息子達(特に琉架)傷つけるやつ許さんマジ。
てか普通に上園家の皆さんは顔面偏差値馬鹿高いです。
(特に琉架)の部分は家族の中で順列ができているわけではなく、特に琉架になる場面が多いという意味です。
琉架の従者
遼(はる)琉架の10歳上
理斗の従者
蘭(らん)理斗の10歳上
その他の従者は後々出します。
虚弱体質な末っ子・琉架が家族からの寵愛、溺愛を受ける物語です。
前半、BL要素少なめです。
この作品は作者の前作と違い毎日更新(予定)です。
できないな、と悟ったらこの文は消します。
※琉架はある一定の時期から体の成長(精神も若干)がなくなる設定です。詳しくはその時に補足します。
皆様にとって最高の作品になりますように。
※作者の近況状況欄は要チェックです!
西条ネア
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる