父親に会うために戻った異世界で、残念なイケメンたちと出会うお話【本編完結】

ぴろ

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始まりの予感

そしてそれから

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おはようございます。
乙女な俺です。
あんまり眠れてない…
朝の鍛練は何とか行ったけどね…

髪にチュッって何?オデコも…
あと抱きしめてる手は背中ナデナデしてるし、膝抱っこだよ!顔あげてって何…
初心者だよ俺…
カイだって改めて思い出すと、片膝ついて手の甲にキスって何?王子様なの?
あ、王子様だな…間違ってない。

あれはこの世界の普通なのか?
ハグは普通に皆するもんな…あれくらいで動揺してはいけない、落ち着け俺…

「おはよう有紀、昨日は面白かったわね~赤くなっちゃって可愛い」

母さん…面白くないよ。
あとトピアスに全部話さなくてもいい。
トピアスもそんな目で俺を見ないで。
甘酸っぱくないから…

今朝は御披露目衣装の母さんチェック、仕立屋さんがくるまで俺の部屋で待機中です…

「ルーカス様は予想通りですがカイ様が?意外ですね…」

「でしょ!私もキュンとしちゃって…あの時のアルトの顔、トピアスにも見せたかったわ~」

二人共楽しそうだね、俺眠れなかったんだけど…

「ねぇトピアス、この世界では普通なの?なんかみんな距離が近すぎない?」

「ルーカス様の普通ではあるかもしれませんが…少なくとも私はアハトにしかしませんね」

さりげなくのろけてるけど、普通はしないのね了解…

「カイはシャイだから私も意外だった。ルーカスに負けたくないんだろうね」

カイとルーカスはライバルなのか…
だからって俺をドキドキさせてどうする。もっと違う方法で競えばいいのに…

そんなことを考えてたら仕立屋さん到着、着せ替え人形になる俺…

「ねぇやっぱり派手じゃない?」

「むしろ地味よ、もう少しキラキラさせたいくらい」

「アキ様の希望には最大限寄り添いましたよ。私ももう少し装飾があっても良いと思います」

味方がいない…
御披露目衣装は白のスーツにケープを羽織るスタイル。
母さんの聖女様服と同じ生地でポイントに金糸で刺繍がしてある。
最初は真っ白の天使みたいなフリフリ着せられそうになったんだよ。
協議を重ねてようやく決まったのがこの衣装…キラキラして綺麗だけど俺が着て大丈夫?
仕立屋さんは大絶賛してるけど、お店の人ってだいたい誉めるじゃん。
簡単には信じないよ。

「アクセサリーどうする?カイの紫入れてあげたら喜ぶよ間違いなく…」

「カイ様は喜ぶでしょうが、ルーカス様がお怒りになるでしょうね。犠牲者がでるかもしれませんよ」

二人共、冗談が過ぎますよ。
俺だって知ってます。異世界小説たくさん読んだからね。
俺が紫つけたら「カイの物です」ってなるんだよね。
騙されませんよ…アクセサリーは一切つけません。

ていうか、トピアス冗談とか言っちゃうんだね。

疲れた…お昼ご飯食べたら昼寝を希望します。
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