父親に会うために戻った異世界で、残念なイケメンたちと出会うお話【本編完結】

こんにちは異世界

教会に行こう

朝の鍛練を終えてシャワーで汗を流す。
今朝もコーヒーの良い匂い。
そう、この世界の人達シャワーはあるけど殆ど使わないんだ。魔法で一瞬で綺麗になる。
俺も使ってみたけど、やっぱり慣れなくてお風呂に行っちゃう。
だからトピアスは俺がシャワー浴びてる間にいろいろ準備してくれてるんだ。
強くて優しくてお世話もしてくれる。
トピアス何気に最強だよね。

「今日はケイ様と中央教会に参ります。昼食もあちらで、帰りは夕刻になる予定です」

了解しました。中央教会、王宮のバルコニーから見えてたよ。
馬車で行くなら途中王都の街並みが見れると思ったら、我が家の転移門で瞬間移動でした…御披露目終わるまでは、お忍び行動なんだって残念…

迎えに来た母さん、今日は昨日より聖女感溢れる装いだった。
髪を下ろし体のラインが出ない白いドレスを着た母さんは正に聖女様だ。

「今日はお仕事モードだからね、有紀のも御披露目までには作るからデザインはトピアスと相談してね」

え、俺も着るの？嫌だな…
トピアス嬉しそう…逃げられないね…

二人に連れられて行った部屋は何にもない。
部屋の中央に三人で立ったら、足元がキラキラ光る。トピアスが「中央教会へ」と言った瞬間景色が変わった。

魔法、便利すぎん？え、タクシーみたいに行き先告げたら着いちゃうの？
キョロキョロしてたらトピアスが教えてくれた。どこでも行ける訳ではなくて、王宮とか中央教会とか主要な場所と我が家を繋ぐ秘密の転移門なんだって。昨日のクラウス達もこれで来たんだ…あれ？ユニコーン馬車は？

「アルトがアキにユニコーン見せるんだって張り切ってね…転移門ならヘルマンニに会わずに行けたのに…」

なるほど…父さんありがとう。
見たかったんだよ、ユニコーン…

母さんの後について部屋を出る。
中央教会は中庭をぐるっと囲む建物だった。
女神様の領域だからかな？空気が違う。
清々しい感じ、気持ちいいな。

向こうから神官服を着た人がやってきた。

「聖女様、アキ様ようこそお出でくださいました。神官長のアハトと申します」

男の人だよな？美人…
銀髪サラサラロングに瞳は藍色？夜空みたいな瞳、吸い込まれそう。
若いけど神官長なんだ、凄いね。

「有紀、アハトはトピアスのお嫁さんよ」

「え？トピアス結婚してたの？」

この世界に来て一番びっくりしたんだけど！
俺ずっとトピアス独占しちゃってるけど大丈夫なの？ていうか初の同性カップルだ…

「アキ様大丈夫ですよ、お互いの仕事の事情で最初から別々に暮らしてます。それに移動は一瞬ですから同じ家にいるのと一緒です」

俺また心の声出てた？
確かに、すぐ会えるか…
でもやっぱり夫婦の時間は大事だ。トピアスの勤務時間をちゃんと決めよう…