父親に会うために戻った異世界で、残念なイケメンたちと出会うお話【本編完結】

さようなら日本

そして季節は巡る

あっという間に夏休みは終了した。

心配した兄ちゃんは、思ったより大丈夫だった。
話を聞いてフラフラと自室に戻ったけど、次の日はいつも通りに起きてランニングして、仕事に行ったらしい…
さすが社会人だな。
なっちゃんが言うには、むしろ今までより落ち着いたから結果良かったのでは？とのこと。

兄ちゃんより春斗の方が大変で、食欲はなくなるし、突然メソメソ泣き出すし、しばらくは大変だった。

春斗は三者面談で「有紀の行くとこについていきます」って言ってたみたい。
おばちゃんと担任にメチャクチャ怒られたらしく、夏休み後半はそんな春斗の進路相談と課題で慌ただしく終わった。

結局春斗は兄ちゃんと同じ地元の国立を受験することにした。

「俺が家を出たら、有紀が帰ってきた時に寂しいだろ！いつでも帰ってきていいんだからな！」

だそうだ…ちゃんと考えなさいっておばちゃんにまたまた怒られてた。

受験しない俺は担任に頼まれたアルバム委員の仕事をしながら高校生活を振り返ってみたり、春斗の勉強を見ながら横で異世界小説を読んでみたりしているうちに、季節は秋から冬へと移り変わる。

冬休みは春斗の家で強化合宿！勉強漬けの春斗の横でクラスメイト全員分の合格ダルマお守りを制作してたらあっという間に試験当日。

俺の愛情弁当の効果なのか、春斗は共通テストで高得点を叩き出す。
前期試験を終え、あとは卒業式と合格発表を残すのみ…

高校生活最後の年は、こうしてラストを迎える。