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こんにちは異世界
号泣するイケオジが俺の父親らしい
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光に包まれて景色が変わる。
満開の桜の木の下に立っていた男性は、有紀と母を見て目を見開いた。
柔らかそうな金髪と青空色の瞳、目元は確かに自分と良く似ているな、と有紀は思った。
ここまでは良かったんだよ…
会った瞬間はめちゃくちゃカッコ良かったんだけどな…
「あぎぃ~」
「うわっ鼻水、汚いっ!っていうか、母さん助けてよ!」
父親らしき人が腰に巻き付いて離れない。
しかもめっちゃ泣いてる…
「諦めなさい、もう少ししたら落ち着くから」
目の前で優雅に紅茶を飲む母に助けを求めるも、助ける気はないらしい。
「エルダーの入れてくれるお茶はやっぱり美味しいわね」
「またこうしてケイ様にお茶をお出しすることができてエルダーは嬉しゅうございます。アキ様も本当にご立派になれて…」
流れるような所作でお茶を入れてくださっているのは、若い頃めちゃくちゃモテたんだろうな~って感じのダンディーなおじさま。
初対面で父親らしき人に抱きつかれて困ってたら、音もなく現れて華麗に父親らしき人を引き剥がし、俺たちを豪華絢爛なこのお部屋に案内してくださいました。
お名前はエルダーさんね、覚えたよ。
嗚咽が止まったな~と思ったら、上目遣いでおれを見つめるイケオジがいた。
瞳ウルウル…鼻水でてるけどカッコいいって凄いな、さすが本物王子…
「アキ…私の可愛い小鳥ちゃん、エルダーじゃなくてこっちを見ておくれ…さぁ父上と呼んで、いや、お父さんか?……あぁ夢か?いや夢じゃない…どうしよう…私のアキが腕の中に…」
やっと泣き止んだと思ったら、気持ち悪いことを言ってるぞ…小鳥ちゃんて何?俺?
「相変わらず気持ち悪いわね…もう帰りたくなってきたんだけど…」
「ケイちゃん、イヤだ…お願いっ…もうひとりはいやだ…」
おっ、離れた!
さすが勇者、動きが早いな…母さんケイちゃんて呼ばれてるんだ、可愛い。
ん?母さんも今気持ち悪いって言った?
隣に来た夫とスッと距離を取る妻…
そんな妻に夫がタックル…
さっきも見たな、この光景…
ていうか話違いすぎない?母さん?
イケオジに巻き付かれてため息をついた母親は俺に言った。
「有紀、この人があなたの父親ね…あとアルト、ケイちゃんはやめて…」
やっぱりそうなんですね…
父親の名前はアルト・フォレスト…
俺が知ってるその人は、フォレスト王国の第二王子であり、この世界の危機を仲間と共に救った男、そして…勇者の称号をもつフォレスト王国の英雄…
母さん、聞いてた話と大分違いますよ…
腰に巻き付く残念な父親を引き剥がそうとする母と、グビグビ泣きながら母にすがりつく父、それを微笑ましげに見つめるエルダーさん、思ってたのと違いすぎる異世界一日目はこうして始まった。
満開の桜の木の下に立っていた男性は、有紀と母を見て目を見開いた。
柔らかそうな金髪と青空色の瞳、目元は確かに自分と良く似ているな、と有紀は思った。
ここまでは良かったんだよ…
会った瞬間はめちゃくちゃカッコ良かったんだけどな…
「あぎぃ~」
「うわっ鼻水、汚いっ!っていうか、母さん助けてよ!」
父親らしき人が腰に巻き付いて離れない。
しかもめっちゃ泣いてる…
「諦めなさい、もう少ししたら落ち着くから」
目の前で優雅に紅茶を飲む母に助けを求めるも、助ける気はないらしい。
「エルダーの入れてくれるお茶はやっぱり美味しいわね」
「またこうしてケイ様にお茶をお出しすることができてエルダーは嬉しゅうございます。アキ様も本当にご立派になれて…」
流れるような所作でお茶を入れてくださっているのは、若い頃めちゃくちゃモテたんだろうな~って感じのダンディーなおじさま。
初対面で父親らしき人に抱きつかれて困ってたら、音もなく現れて華麗に父親らしき人を引き剥がし、俺たちを豪華絢爛なこのお部屋に案内してくださいました。
お名前はエルダーさんね、覚えたよ。
嗚咽が止まったな~と思ったら、上目遣いでおれを見つめるイケオジがいた。
瞳ウルウル…鼻水でてるけどカッコいいって凄いな、さすが本物王子…
「アキ…私の可愛い小鳥ちゃん、エルダーじゃなくてこっちを見ておくれ…さぁ父上と呼んで、いや、お父さんか?……あぁ夢か?いや夢じゃない…どうしよう…私のアキが腕の中に…」
やっと泣き止んだと思ったら、気持ち悪いことを言ってるぞ…小鳥ちゃんて何?俺?
「相変わらず気持ち悪いわね…もう帰りたくなってきたんだけど…」
「ケイちゃん、イヤだ…お願いっ…もうひとりはいやだ…」
おっ、離れた!
さすが勇者、動きが早いな…母さんケイちゃんて呼ばれてるんだ、可愛い。
ん?母さんも今気持ち悪いって言った?
隣に来た夫とスッと距離を取る妻…
そんな妻に夫がタックル…
さっきも見たな、この光景…
ていうか話違いすぎない?母さん?
イケオジに巻き付かれてため息をついた母親は俺に言った。
「有紀、この人があなたの父親ね…あとアルト、ケイちゃんはやめて…」
やっぱりそうなんですね…
父親の名前はアルト・フォレスト…
俺が知ってるその人は、フォレスト王国の第二王子であり、この世界の危機を仲間と共に救った男、そして…勇者の称号をもつフォレスト王国の英雄…
母さん、聞いてた話と大分違いますよ…
腰に巻き付く残念な父親を引き剥がそうとする母と、グビグビ泣きながら母にすがりつく父、それを微笑ましげに見つめるエルダーさん、思ってたのと違いすぎる異世界一日目はこうして始まった。
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