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[他案] 拘束、羞恥のあと 大切
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「いいの?そんなこと言って」
ニコッと笑うハル。
そしてロンを見下ろす。
顔半分が影にかかり、恐ろしい。
だが、ロンはフッーフッーと猫のように興奮し、睨みつける目をやめない。
「…その言葉は嫌いだな」
冷たく笑う。
「覚えてる?ロン」
大きな手が、手首拘束されたロンの手に重ねられた。
恋人のように握られる。
「…なにが?」
ハブてたように顔を背ける。
ハルは「はぁ」と溜め息をつく。
身体を軽く動かし、ロンの顔が向く方に、顔を近づけた。
「前にもこんな最低なこと俺に言ったの。」
「………」
「忘れた?」
声は優しい…
思い出し、チラッとハルを見た。
「っ…!」
ハルは酷くこわい表情をしていた。
無機質な…恐ろしい雰囲気が周りを取り囲む。
こ、こわ…
「ねぇ、ロン。聞いてる?」
顔が近づく。ニコニコと笑うハル。
だんまりを決め込んでいたロンが、口を開いた。
…これ以上黙っていると、なにされるかわからない。
でも…両思いだともうわかってるだろうし…
「お前が…ハルがこんなこと…僕が嫌がることするから…だ」
さっきまでされたプライドを片っ端から折っていく行為、それを思い出し、鼻の先端が痛くなる。
それを見て冷たい顔から、ハルは優しそうに笑う。
優しくない。優しそうに、だ。
怖い…!
僕はなぜか、ハルの手をギュッと握った。
ハルは「フッ」と笑う。
「…そんな嫌だった?さっきの」
へらっと笑う。
今日のハルは、いつもより静かだ。
声のトーンや、なにもかも。
僕はまた泣きそうになる。
なにも悪いことをしていないのに、怒られているような気分に浸らされる。
「ごめんね。ロン、恥ずかしかったね。」
オデコにキスされる。
そんなこと言っても、全然拘束具は取ろうとする気配もない。
仰向きのカエルのような体制で、僕は体制を変えられない。
こんな状況でハルに、睨んでもなにも効果ないだろう。
「ああ…もう、泣かないで。」
「泣きたいのはこっちだよ。」優しい言葉。
僕は涙が止まらない。
男としてのなにかは、完全になくなっている。
ハルのことは好きだ…
だけど、もう…つらい。
「もっ…と…」
「ん?」
しゃくり上げながら、ゆっくり話す。
「ゆっくりでいいよ。」と言い、頭をなでる。
「こ、わい…も…やだ…ハル、あん、な…こと」
「…うん。それで?」
ハルは優しく相づちを打ち、聞いている。
ゆっくりロンは話す。
「もっ…と、…た、いせつに、して…」
ハルの顔が固まった。
「ーーー」
ニコッと笑うハル。
そしてロンを見下ろす。
顔半分が影にかかり、恐ろしい。
だが、ロンはフッーフッーと猫のように興奮し、睨みつける目をやめない。
「…その言葉は嫌いだな」
冷たく笑う。
「覚えてる?ロン」
大きな手が、手首拘束されたロンの手に重ねられた。
恋人のように握られる。
「…なにが?」
ハブてたように顔を背ける。
ハルは「はぁ」と溜め息をつく。
身体を軽く動かし、ロンの顔が向く方に、顔を近づけた。
「前にもこんな最低なこと俺に言ったの。」
「………」
「忘れた?」
声は優しい…
思い出し、チラッとハルを見た。
「っ…!」
ハルは酷くこわい表情をしていた。
無機質な…恐ろしい雰囲気が周りを取り囲む。
こ、こわ…
「ねぇ、ロン。聞いてる?」
顔が近づく。ニコニコと笑うハル。
だんまりを決め込んでいたロンが、口を開いた。
…これ以上黙っていると、なにされるかわからない。
でも…両思いだともうわかってるだろうし…
「お前が…ハルがこんなこと…僕が嫌がることするから…だ」
さっきまでされたプライドを片っ端から折っていく行為、それを思い出し、鼻の先端が痛くなる。
それを見て冷たい顔から、ハルは優しそうに笑う。
優しくない。優しそうに、だ。
怖い…!
僕はなぜか、ハルの手をギュッと握った。
ハルは「フッ」と笑う。
「…そんな嫌だった?さっきの」
へらっと笑う。
今日のハルは、いつもより静かだ。
声のトーンや、なにもかも。
僕はまた泣きそうになる。
なにも悪いことをしていないのに、怒られているような気分に浸らされる。
「ごめんね。ロン、恥ずかしかったね。」
オデコにキスされる。
そんなこと言っても、全然拘束具は取ろうとする気配もない。
仰向きのカエルのような体制で、僕は体制を変えられない。
こんな状況でハルに、睨んでもなにも効果ないだろう。
「ああ…もう、泣かないで。」
「泣きたいのはこっちだよ。」優しい言葉。
僕は涙が止まらない。
男としてのなにかは、完全になくなっている。
ハルのことは好きだ…
だけど、もう…つらい。
「もっ…と…」
「ん?」
しゃくり上げながら、ゆっくり話す。
「ゆっくりでいいよ。」と言い、頭をなでる。
「こ、わい…も…やだ…ハル、あん、な…こと」
「…うん。それで?」
ハルは優しく相づちを打ち、聞いている。
ゆっくりロンは話す。
「もっ…と、…た、いせつに、して…」
ハルの顔が固まった。
「ーーー」
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