77 / 107
続々々 シーツに包まり
しおりを挟む
パチッ
ハルよりも、色素の濃いロンの瞳が開く。
「いッ…!?」
鋭い痛みが、頭を襲った。
片手で頭を抑える。
僕は頭高を低くした。
二日酔い…それと、記憶がない…
なにがあった…?
ポカンとし、ボーとする。
「…ロン。まだ寝てよう?」
やわらかくて優しい声がした。
声がする方を見ると、ベッドの上で僕に抱きつき、横になっているハルがいた。
ハルは半分寝ぼけて言ったようだった。
「…うん。そうだね」
ハルの頭をポンポンと、なでる。
ロンは心ここにあらずで返事をした。
◇
冷たい床を歩く。
僕はシーツにくるまり、それをズルズルと引きずった。
ゆっくりと家の外に飛び出した。
◇
ヒンヤリとした空気が、顔に当たる。
逃げたい
逃げたいはずた
寝惚けていたハルは、またゆっくりと寝始めた。
何故か寝ても、掴まれたままな腕を、強引に振り払って出てきた。
鼻がツンとわずかに痛くなる。
行っても、結果は変わらないだろう。
…前に一人で抜け出した時、遠くの捜索願いのポスターをくまなく見て回った。
僕の写真は無かった。
…
「…ヒッ…ゔっ」
ロンは顔を抑え、ボロボロと泣き出した。
◇
「ろ、ん」
あまく低い声が響く。
ハルの手はベットの上を探っていた。
「……ロン?」
心がザワつく。パチッと目を開いた。
「いるよ。ハル」
ベッドの脇に座っていた。
ロンの声にホッとし、再びベッドに横になる。
ロンの顔をジッと見ていた。
「どうしたの?」
ロンは笑いながら、俺に触れる。
いつもと違う違和感を覚えた。
ハルは僕の手のひらを、恋人繋ぎで絡ませ、ギュッと掴む。
寝起きとは思えない強さで「え?」と、少し動揺した。
ハルのビー玉のような瞳が、ジッと僕を見据えている。
ハルは少し警戒したような顔だった。
「ハル…?おはよう」
僕は自然に笑う。
ハルも微かに笑った。
「…?」
気づかれてる気がした。
ハルの目はジッと僕を捕らえていた。
そして、ハルがいつもと様子が違うことがわかり、ロンは訝しげな表情になる。
ハルはニコッと笑う。
前によくしていた、作り笑顔を浮かべた。
◇
「ハル、目玉焼き作ったッ…」
ジュージューとうるさくなっていく。
台所に向かおうとしたが、手が離れない。
目にかかる程度のハルの前髪から、ハルの優しい目が覗く。
見透かされているようで、動作がぎこちなくなった。
「手ぇ、離して?ハル」
「…まだ寝てよう?」
ハルはふわっと笑う。
とても優しげな笑みだった。
うっ…わ…!
毎日見ているはずなのに、見慣れない。
ハルの綺麗な笑みに、息を呑んだ。
「いや、でも焦げるから…」
僕は目線を下にして言う。
たがハルに下から覗き込まれた。
「ダメだって。ロンは俺と寝るんだよ。」
ニコニコと笑うハル。
強い力で、強引にベッドの中に引きずりこまれた。
「待って…ちょっと…!ハル!」と言っているロンのことはお構いなしだ。
羽毛に潜り込まされる。
いたずらっ子っぽい顔で、嬉しそうに笑うハル。
ロンは「むぅ」と考えるような顔をした。
「焦げる。」
「焦げたのは…俺が食べるから」
寝起きの声が、ゆっくりと耳元で響いた。
ハルよりも、色素の濃いロンの瞳が開く。
「いッ…!?」
鋭い痛みが、頭を襲った。
片手で頭を抑える。
僕は頭高を低くした。
二日酔い…それと、記憶がない…
なにがあった…?
ポカンとし、ボーとする。
「…ロン。まだ寝てよう?」
やわらかくて優しい声がした。
声がする方を見ると、ベッドの上で僕に抱きつき、横になっているハルがいた。
ハルは半分寝ぼけて言ったようだった。
「…うん。そうだね」
ハルの頭をポンポンと、なでる。
ロンは心ここにあらずで返事をした。
◇
冷たい床を歩く。
僕はシーツにくるまり、それをズルズルと引きずった。
ゆっくりと家の外に飛び出した。
◇
ヒンヤリとした空気が、顔に当たる。
逃げたい
逃げたいはずた
寝惚けていたハルは、またゆっくりと寝始めた。
何故か寝ても、掴まれたままな腕を、強引に振り払って出てきた。
鼻がツンとわずかに痛くなる。
行っても、結果は変わらないだろう。
…前に一人で抜け出した時、遠くの捜索願いのポスターをくまなく見て回った。
僕の写真は無かった。
…
「…ヒッ…ゔっ」
ロンは顔を抑え、ボロボロと泣き出した。
◇
「ろ、ん」
あまく低い声が響く。
ハルの手はベットの上を探っていた。
「……ロン?」
心がザワつく。パチッと目を開いた。
「いるよ。ハル」
ベッドの脇に座っていた。
ロンの声にホッとし、再びベッドに横になる。
ロンの顔をジッと見ていた。
「どうしたの?」
ロンは笑いながら、俺に触れる。
いつもと違う違和感を覚えた。
ハルは僕の手のひらを、恋人繋ぎで絡ませ、ギュッと掴む。
寝起きとは思えない強さで「え?」と、少し動揺した。
ハルのビー玉のような瞳が、ジッと僕を見据えている。
ハルは少し警戒したような顔だった。
「ハル…?おはよう」
僕は自然に笑う。
ハルも微かに笑った。
「…?」
気づかれてる気がした。
ハルの目はジッと僕を捕らえていた。
そして、ハルがいつもと様子が違うことがわかり、ロンは訝しげな表情になる。
ハルはニコッと笑う。
前によくしていた、作り笑顔を浮かべた。
◇
「ハル、目玉焼き作ったッ…」
ジュージューとうるさくなっていく。
台所に向かおうとしたが、手が離れない。
目にかかる程度のハルの前髪から、ハルの優しい目が覗く。
見透かされているようで、動作がぎこちなくなった。
「手ぇ、離して?ハル」
「…まだ寝てよう?」
ハルはふわっと笑う。
とても優しげな笑みだった。
うっ…わ…!
毎日見ているはずなのに、見慣れない。
ハルの綺麗な笑みに、息を呑んだ。
「いや、でも焦げるから…」
僕は目線を下にして言う。
たがハルに下から覗き込まれた。
「ダメだって。ロンは俺と寝るんだよ。」
ニコニコと笑うハル。
強い力で、強引にベッドの中に引きずりこまれた。
「待って…ちょっと…!ハル!」と言っているロンのことはお構いなしだ。
羽毛に潜り込まされる。
いたずらっ子っぽい顔で、嬉しそうに笑うハル。
ロンは「むぅ」と考えるような顔をした。
「焦げる。」
「焦げたのは…俺が食べるから」
寝起きの声が、ゆっくりと耳元で響いた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1,080
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる