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信頼
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「俺の家だったら、いつでも歓迎するから。ほとんど留守だし…俺の親」
心配そうに見られているのが、暗闇でもわかる。
ハルの声は、低くかすれていた。
「ああ…ありがと」
ロンは微かに微笑んだ。
◇
家にいたくないと言うロンに、そう提案した。
彼女が最近、泊めてくれないらしい。
ボッーとするロン。
意識が遠くにあるようだった。
「ロン?」
手の甲を、ロンの頬にピト…と当てる。
ロンの「え」と言う顔。
「…ごめん」
調子乗った…
俺は顔を、うつむける。
暗いのと、下を向いてるので、ハルの顔がよく見えない。
だが…泣いてるような声だった。
「どうしたんだ?ハル。最近おかしい」
心配そうに、俺を慰めるように笑うロン。
ハルは泣きそうで、切実な目だった。
暗闇で…ほんと、よかった。
好きだよ。ロン
言えない言葉を胸に、ロンにのしかかる。
「重いよ?」と笑っている。
「ロン…」
自分の声が震えていたのか、慰めるように頭を撫でられた。
嬉しくて、と他の感情で、俺はますます泣きそうになった。
「ロン…ずっと俺の傍にいてね」
◇
「…どういうこと?」
ロンに、軽蔑した瞳を向けられた。
声からは信じられないと言った、主旨が滲み出ている。
俺は「はぁ」と息を吐いた。
そしてニコッ微笑む。
ロンが少し、たじろいだ気がした。
…
「ごめん。あの子は…全然俺の話聞かないで、一方的に言われたんだ。」
「…」
俺と付き合うために、ロンと別れると言った子がいた。
俺は「そっか」としか言わなかった。
「ロン…」
手を伸ばす。
ロンは一歩、後ろに引いた。
無理かな…
ロンの顔をよく観察する。
迷っている。
複雑な表情。
ロンの彼女と、俺
天秤に掛けられてると感じた。
◇
「ハル…今後一切、僕の彼女に関わるなよ」
渋々といった感じで許される。
「…分かった。ありがと。許してくれて」
優しく笑う。
僕は、反省してんのか…?と思い、イラッとした。
窓を見た。
ビュンビュンと、風が強めに吹いていた。
「寒いねぇ」
ハルは、いつもの調子で言った。
ロンは、俺の言葉を無視し、教室をスタスタと出ていった。
◇
ハル「はぁ…」
片手で自分の髪を強めに掴んだ。
少し痛みを感じる程に引っ張る。
自分の鋭い瞳が、スタスタと歩く、ロンの背中を貫いた。
…いつまで、誤魔化せるだろうか。
ロンの彼女との、接触禁止例まで出てしまった。
「どうしよ…」
◇
「おい、ロン」
「仲良くしろよー、空気悪くなるぜ」
二人の男友達。
関わりたくなくて、僕はハルを避けまくる。
その彼女のことだけではなくて、ハルのことも信じられなくなっていた。
「ロン…ごめん」
腕を掴み必死に言われた。
前と調子が全然違う。
「なぁ~謝ってるだろ?」と外野がうるさい。
「ロン…ごめん…悪かったと思ってる」
心配そうに見られているのが、暗闇でもわかる。
ハルの声は、低くかすれていた。
「ああ…ありがと」
ロンは微かに微笑んだ。
◇
家にいたくないと言うロンに、そう提案した。
彼女が最近、泊めてくれないらしい。
ボッーとするロン。
意識が遠くにあるようだった。
「ロン?」
手の甲を、ロンの頬にピト…と当てる。
ロンの「え」と言う顔。
「…ごめん」
調子乗った…
俺は顔を、うつむける。
暗いのと、下を向いてるので、ハルの顔がよく見えない。
だが…泣いてるような声だった。
「どうしたんだ?ハル。最近おかしい」
心配そうに、俺を慰めるように笑うロン。
ハルは泣きそうで、切実な目だった。
暗闇で…ほんと、よかった。
好きだよ。ロン
言えない言葉を胸に、ロンにのしかかる。
「重いよ?」と笑っている。
「ロン…」
自分の声が震えていたのか、慰めるように頭を撫でられた。
嬉しくて、と他の感情で、俺はますます泣きそうになった。
「ロン…ずっと俺の傍にいてね」
◇
「…どういうこと?」
ロンに、軽蔑した瞳を向けられた。
声からは信じられないと言った、主旨が滲み出ている。
俺は「はぁ」と息を吐いた。
そしてニコッ微笑む。
ロンが少し、たじろいだ気がした。
…
「ごめん。あの子は…全然俺の話聞かないで、一方的に言われたんだ。」
「…」
俺と付き合うために、ロンと別れると言った子がいた。
俺は「そっか」としか言わなかった。
「ロン…」
手を伸ばす。
ロンは一歩、後ろに引いた。
無理かな…
ロンの顔をよく観察する。
迷っている。
複雑な表情。
ロンの彼女と、俺
天秤に掛けられてると感じた。
◇
「ハル…今後一切、僕の彼女に関わるなよ」
渋々といった感じで許される。
「…分かった。ありがと。許してくれて」
優しく笑う。
僕は、反省してんのか…?と思い、イラッとした。
窓を見た。
ビュンビュンと、風が強めに吹いていた。
「寒いねぇ」
ハルは、いつもの調子で言った。
ロンは、俺の言葉を無視し、教室をスタスタと出ていった。
◇
ハル「はぁ…」
片手で自分の髪を強めに掴んだ。
少し痛みを感じる程に引っ張る。
自分の鋭い瞳が、スタスタと歩く、ロンの背中を貫いた。
…いつまで、誤魔化せるだろうか。
ロンの彼女との、接触禁止例まで出てしまった。
「どうしよ…」
◇
「おい、ロン」
「仲良くしろよー、空気悪くなるぜ」
二人の男友達。
関わりたくなくて、僕はハルを避けまくる。
その彼女のことだけではなくて、ハルのことも信じられなくなっていた。
「ロン…ごめん」
腕を掴み必死に言われた。
前と調子が全然違う。
「なぁ~謝ってるだろ?」と外野がうるさい。
「ロン…ごめん…悪かったと思ってる」
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