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ロンはしばらくして、別れた。
その子に、俺が告られたのを見られたからだ。
もう諦めてるのか、ロンは一定の彼女を作ることを止めた。
その代わり、立ち代わり入れ代わりに、セフレが出来る。
「…席外そうか?」
女子とロンと俺とで、3人の時に言った。
ロン「あぁ…?なんで?」
「うん。お願い」
甲高い女子の声。
ロン狙いの子か…
ニコッと笑うと、その子は頬を赤らめた。
ハル (簡単だな。)
「…?」
ロンは愛想笑いを浮かべた俺を、訝しげに見ている。
「俺もまだいようかな。まだ他の友達、部活終わってないみたいだし」
女の子は「えっ?」と言い、少し戸惑った顔をする。
ロンと二人っきりになることを期待していたのだろう。
「ねぇ、この後どっかカフェ寄らない?」
簡単な作り笑顔を作るロン。
やれそうだと思ったのか、表情が変わる。
「俺…先帰ろうか?」
「うん。じゃあね、ハル」
少しだけ期待していた。
ロンの言葉で、一気に絶望に落とされた。
◇
…ロクでもない母親。
ソイツのせいか、僕は女を見る目がないと思っていた。
僕は、友達選びにも支障きたしているらしい。
ハルのことは、結構信用していた。
僕の彼女を、片っ端から食っていると噂のハル。
最近は僕とハルがいるだけで、周りの空気が悪くなる。
他の友達は、空気を読んでいなくなるか、わざと笑わそうとテンションを上げてくる。
それが結構鬱陶しい。
僕は気を使えないので苦笑い。
まだ、わからない。
僕の、勘違いかもしれないから。
◇
「ハルくん。お願い…!付き合って」
ウブでかわいいと思ってたのにな…
これで二回目だ。
僕は飴を舐めながら、ハルと彼女の様子を、上から見ていた。
ハルは、どうするんだろう?と。
「…」
冷たいハルの目線。
綺麗に微笑む。
ゾクッ…
「…っ」
僕は少し驚いて目を見開く。
口を抑えた。
「じゃあ…ロンと別れないとね。」
微笑むハル。
「え…でも。…わかんないでしょう?」
上目遣いで言う女子。
この時点で、ハルがその子と付き合わなくても、別れることは決めていた。
「ねぇ、付き合ってくれるの?」
塗りたくった唇から、甘ったるい声がする。
ハルは笑う。
その笑顔は「当然だろ」と案に言っているようなものだった。
「うん。わかった…!ちゃんと言ってくる!」
満面の笑みを浮かべ、大きく手を振るその子。
分かりやすい、作り笑顔を浮かべるハル。
僕はチッと舌打ちをうった。
そして、食べ残しのチュッパチャップスを、ハルに向かってポーンと投げた。
✯
「…いたっ」
地面に落ちた、棒付きの飴。
ハルは、時が止まっているようだった。
僕は満面の笑みで、手を大きく振る。
「モッテモテだね~!!ハルッ!!!」
届くように大きな声で言った。
その子に、俺が告られたのを見られたからだ。
もう諦めてるのか、ロンは一定の彼女を作ることを止めた。
その代わり、立ち代わり入れ代わりに、セフレが出来る。
「…席外そうか?」
女子とロンと俺とで、3人の時に言った。
ロン「あぁ…?なんで?」
「うん。お願い」
甲高い女子の声。
ロン狙いの子か…
ニコッと笑うと、その子は頬を赤らめた。
ハル (簡単だな。)
「…?」
ロンは愛想笑いを浮かべた俺を、訝しげに見ている。
「俺もまだいようかな。まだ他の友達、部活終わってないみたいだし」
女の子は「えっ?」と言い、少し戸惑った顔をする。
ロンと二人っきりになることを期待していたのだろう。
「ねぇ、この後どっかカフェ寄らない?」
簡単な作り笑顔を作るロン。
やれそうだと思ったのか、表情が変わる。
「俺…先帰ろうか?」
「うん。じゃあね、ハル」
少しだけ期待していた。
ロンの言葉で、一気に絶望に落とされた。
◇
…ロクでもない母親。
ソイツのせいか、僕は女を見る目がないと思っていた。
僕は、友達選びにも支障きたしているらしい。
ハルのことは、結構信用していた。
僕の彼女を、片っ端から食っていると噂のハル。
最近は僕とハルがいるだけで、周りの空気が悪くなる。
他の友達は、空気を読んでいなくなるか、わざと笑わそうとテンションを上げてくる。
それが結構鬱陶しい。
僕は気を使えないので苦笑い。
まだ、わからない。
僕の、勘違いかもしれないから。
◇
「ハルくん。お願い…!付き合って」
ウブでかわいいと思ってたのにな…
これで二回目だ。
僕は飴を舐めながら、ハルと彼女の様子を、上から見ていた。
ハルは、どうするんだろう?と。
「…」
冷たいハルの目線。
綺麗に微笑む。
ゾクッ…
「…っ」
僕は少し驚いて目を見開く。
口を抑えた。
「じゃあ…ロンと別れないとね。」
微笑むハル。
「え…でも。…わかんないでしょう?」
上目遣いで言う女子。
この時点で、ハルがその子と付き合わなくても、別れることは決めていた。
「ねぇ、付き合ってくれるの?」
塗りたくった唇から、甘ったるい声がする。
ハルは笑う。
その笑顔は「当然だろ」と案に言っているようなものだった。
「うん。わかった…!ちゃんと言ってくる!」
満面の笑みを浮かべ、大きく手を振るその子。
分かりやすい、作り笑顔を浮かべるハル。
僕はチッと舌打ちをうった。
そして、食べ残しのチュッパチャップスを、ハルに向かってポーンと投げた。
✯
「…いたっ」
地面に落ちた、棒付きの飴。
ハルは、時が止まっているようだった。
僕は満面の笑みで、手を大きく振る。
「モッテモテだね~!!ハルッ!!!」
届くように大きな声で言った。
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