溺愛攻めを怒らせた

6.8 泣き続けるロン

子どもにするように、ポンポンと頭に触ふれられる。

「ゔゔうう～」

ロンは、泣き止む気配がない。

どんどん泣き始める。
手足に本格的な拘束具を付けられ、首輪を付けたロンが泣き出す。
加虐心が、ゆっくり心を支配した。
ロンをなでる。
とても優しく。
だけど自分の口角は上がっていく。

不安で、子どものように泣いているロンが可哀想でいて…可愛いとさえ思った。

「ロンはかわいいね。」

涙で濡れたロンの頬を、ハルはコショコショと触さわる。
ハルは、ニコニコと笑っていた。

…今に見とけよ！

心の中で、沸騰するように怒りが沸き立つ。
涙のせいで、睨んでも効果がない。
目が合っても、ハルはニコニコと笑うだけだった。

「…これと、いて」
「ん？」

ハルは、優しい表情を浮かべている。

「ごれ…とっで…」

泣き声で、一生懸命話すロン。

内心、不安で…こわくてこわくて、しょうがないんだろう。

ハルはロンの口くちに安心させるように、温かいキスをした。
優しく、ゆっくり…
ロンの唇を離す。

「大丈夫」

優しく落ち着いた声で言う。
ポンポンと頭をなでた。

ロンを安心させるために、わざと優しい声をだしたのに、ロンの瞳はじわじわと濡れていく。
何度も優しくして、酷いことをし過ぎたか…

「ゔ～うわあああ」

かわいい…
ガチ泣きだ。

「な、んで？ど、う、して？」

ヒックヒックと、しゃくりながらロンは言う。
ハルはロンの口元を、笑顔でコショコショとなでた。

「ご、め、んって…もうしないっ…」

震えた濁音ばかりの言葉。
ハルはニッコリ笑った。

「信用出来ないんだよ。ロンの言葉は」

ハルの顔をパッ！と見る。
淀んだ…重暗い瞳の色をしていた。

ハルは、両手が使えないロンの代わりに、涙を指で拭ぬぐってあげる。
大きく見開いた目から、次から次へと流れてくる涙…

泣くことしか出来ないロンが可愛くて、優しく触れる。
俺は横になる。
ロンの肩をポンポンと軽くたたいた。

「なんでって言う質問は…」

ハルは少し、考えるような表情をする。

「ロンを、もっとかわいがりたいと思ったんだ。」

軽い調子で言うハル。
ニッコリ笑ったハルの顔に、悪意は見えない。

本当に、そう思っているのか？

ロンの瞳に、涙が一瞬止まる。

「そうだ。おっぱい舐めて欲しかったんだよね？」