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「ハルッ、待って…嫌だ」
ハルに両手を掴まれ、顔を、近づけられキスを強請られる。
「…嫌だって!」
バシンッと顔を叩いた。
「いっ…た」
鋭い目付きでロンを見る。
ロンはビクッと少し怯えたようだった。
「あっ…ごめん」
「大丈夫だよ」
ハルは殴ってしまった所を拭った。
そしてハルの顔がゆっくり近づいてくる。
「…こわい?」
ハルの茶色いキラキラした瞳が、上目遣いで僕を見る。
「いや…そういんじゃ」
どっちかって言うと、男の僕がこんな事されてるのに違和感が…
チラッとハルを見る。
ハルはロンの様子を見て、従順に待っている。
その様子が何だか可愛くて、ロンはクシャッと笑った。
僕は自分からハルにキスをした。
唇の感触は女子と変わらないな…
無意識に口元を拭い、イタズラっ子っぽく笑う。
ハルを見ると顔が近づいてきて、また口付けをされた。
下手くそだ…
コイツホントに経験あるのか?
ハルの頭を掴みキスを先導していく。
舌が優しく潜入してきた。
「ロン、好きだよ」
ハルは無邪気な笑顔で言った。
「…僕もだよ」
…
「ゔゔ…あああっ…ハッ」
ボロボロと涙が頬を伝う。
あの時、面倒くさいからと適当にOK出さなきゃよかったんだ。
「好きじゃないと思う」
そう言えばよかった。
…
キスを何度もしてくるハル。
女子に愛想よくした後や、やたら友だちと距離が近い時。
学校の人がいない合間合間で口を付けてくるので、僕はバレないかと不安になった。
それを嫌がるようになると、
「前は喜んでた癖に…」
と恨みを込めた目で見られる。
「バレたくないんだ」と言っても、ハルは僕の言うことを聞いてくれなかった。
色んなことを嫌がるようになると、ハルのバカにしたような笑い。
頭にカッと血が上った。
「お前なんか…全然好きじゃない…!」
その時のハルは傷付いたようには、見えなかった。ハルは酷く冷たい表情で僕を見ていた。
体育倉庫の中、係の仕事で片付けていた。
僕は授業をサボる為に、積み上げられたマットの上で横になった。
ハルがウザい。
目線を嫌でも感じる。
女子と少しでも話していたら割り込んでくる。
そして取っていく。
僕に気があった女子みんな、ハルに抱かれていってる感じがした。
バカバカしい…
僕が男を本気で好きになるわけ無いだろ…
目を閉じると、あからさまに好きだと分かるハルを思い出す。
恨みを込めた目や、あからさまに嫉妬した瞳。
…うっとおしい
その言葉が喉まで出かかっていた。
普段は優しいんだけどな…
目の前で勉強しているハルを見る。
ムカつくぐらい綺麗な顔だな…
頬をプニッと持つ。
ハルは驚いた顔で固まった。
「フハッ」と僕は吹き出す。
「ハハハッ」とツボにハマった僕にハルは同じように僕の頬をつまむ。
僕がつまんでいる力よりずっと優しかった。
大切にされてる…
それは何度も感じた。
ただ嫉妬深いのは何とかして欲しいけど…
ロンは複雑な表情でハルを見る。
ハルは嬉しそうに笑った。
◇
「…二人って付き合ってるの?」
爪にネイルを塗りながら隣の派手な感じの女子は言う。
「…付き合ってるってどういう意味?」
僕は何気ない顔をして笑う。
まずいな…何かバレてるか?
隣の女子の表情を伺いながら言った。
「へえー、違うならいいけど」
この子もハルに気があるのか…
僕は面白くない気持ちになる。
「ねぇ、今度二人で遊ばない?」
◇
「何してたの?ロン」
「…!ハ、ル」
怯えた表情でロンは俺を見た。
ハルに両手を掴まれ、顔を、近づけられキスを強請られる。
「…嫌だって!」
バシンッと顔を叩いた。
「いっ…た」
鋭い目付きでロンを見る。
ロンはビクッと少し怯えたようだった。
「あっ…ごめん」
「大丈夫だよ」
ハルは殴ってしまった所を拭った。
そしてハルの顔がゆっくり近づいてくる。
「…こわい?」
ハルの茶色いキラキラした瞳が、上目遣いで僕を見る。
「いや…そういんじゃ」
どっちかって言うと、男の僕がこんな事されてるのに違和感が…
チラッとハルを見る。
ハルはロンの様子を見て、従順に待っている。
その様子が何だか可愛くて、ロンはクシャッと笑った。
僕は自分からハルにキスをした。
唇の感触は女子と変わらないな…
無意識に口元を拭い、イタズラっ子っぽく笑う。
ハルを見ると顔が近づいてきて、また口付けをされた。
下手くそだ…
コイツホントに経験あるのか?
ハルの頭を掴みキスを先導していく。
舌が優しく潜入してきた。
「ロン、好きだよ」
ハルは無邪気な笑顔で言った。
「…僕もだよ」
…
「ゔゔ…あああっ…ハッ」
ボロボロと涙が頬を伝う。
あの時、面倒くさいからと適当にOK出さなきゃよかったんだ。
「好きじゃないと思う」
そう言えばよかった。
…
キスを何度もしてくるハル。
女子に愛想よくした後や、やたら友だちと距離が近い時。
学校の人がいない合間合間で口を付けてくるので、僕はバレないかと不安になった。
それを嫌がるようになると、
「前は喜んでた癖に…」
と恨みを込めた目で見られる。
「バレたくないんだ」と言っても、ハルは僕の言うことを聞いてくれなかった。
色んなことを嫌がるようになると、ハルのバカにしたような笑い。
頭にカッと血が上った。
「お前なんか…全然好きじゃない…!」
その時のハルは傷付いたようには、見えなかった。ハルは酷く冷たい表情で僕を見ていた。
体育倉庫の中、係の仕事で片付けていた。
僕は授業をサボる為に、積み上げられたマットの上で横になった。
ハルがウザい。
目線を嫌でも感じる。
女子と少しでも話していたら割り込んでくる。
そして取っていく。
僕に気があった女子みんな、ハルに抱かれていってる感じがした。
バカバカしい…
僕が男を本気で好きになるわけ無いだろ…
目を閉じると、あからさまに好きだと分かるハルを思い出す。
恨みを込めた目や、あからさまに嫉妬した瞳。
…うっとおしい
その言葉が喉まで出かかっていた。
普段は優しいんだけどな…
目の前で勉強しているハルを見る。
ムカつくぐらい綺麗な顔だな…
頬をプニッと持つ。
ハルは驚いた顔で固まった。
「フハッ」と僕は吹き出す。
「ハハハッ」とツボにハマった僕にハルは同じように僕の頬をつまむ。
僕がつまんでいる力よりずっと優しかった。
大切にされてる…
それは何度も感じた。
ただ嫉妬深いのは何とかして欲しいけど…
ロンは複雑な表情でハルを見る。
ハルは嬉しそうに笑った。
◇
「…二人って付き合ってるの?」
爪にネイルを塗りながら隣の派手な感じの女子は言う。
「…付き合ってるってどういう意味?」
僕は何気ない顔をして笑う。
まずいな…何かバレてるか?
隣の女子の表情を伺いながら言った。
「へえー、違うならいいけど」
この子もハルに気があるのか…
僕は面白くない気持ちになる。
「ねぇ、今度二人で遊ばない?」
◇
「何してたの?ロン」
「…!ハ、ル」
怯えた表情でロンは俺を見た。
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