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昔のハル、怖いハル
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ハルが最近優しい。
自分が一人の時、ハルの名前を呼んだのがそんなに嬉しかったのか。
あれ以来お仕置きなどもされず、僕が「嫌だ」とか「やめて」と言ったら、僕を気遣い、やめてくれるようになった。
◇
「ハル…?もうやめるの…?」
ハルはロンのお尻から、自分のをズルッ…と抜いていく。
「ロンはイッたばっかりだから、今俺が動いたら辛いでしょ?」
いつもはそんなこと、お構いなしに続けるのに…
「うん…」
なんで…?
不思議そうな表情でハルを見る。
「なに、考えごと?俺と一緒にいるんだから、俺のこと考えて欲しいなぁ」
優しい顔で、僕の頭を撫でる。
前みたいに、乳首をつねったりなんかしない。
昔の、一番最初のハルに戻ったみたいだった。
それに、ホッと気持ちが落ち着く。
「ロン、好きだよ。」
ハルの優しい言葉が、僕を安心させる。
この前までは、ハルの機嫌ばかりうかがっていたのに…
「おいで、いい子だね。ロンは」
ぬいぐるみにするように、抱きつかれる。
褒められることしかなくなった。
そうして、優しいハルと過ごすのに、慣れきってきた頃だった。
…
「ロン…ちょっと仕事ができて。
行かなきゃならなくなったんだけど……手錠かけていい?」
ハルの手には、前にベッドに繋がれたことのある、見慣れた手錠を持っていた。
僕は内心、凍りつく。
フルフルと、首を振った。
ハルは考える素振りをし、無表情で僕を見つめた。
そしてゆっくりと口を開く。
「分かった。
じゃあ…いい子で家にいてくれる?」
「うん。」
サラッ…と手の甲で愛おしそうに、髪の毛に触れられた。
キスをされる。
「…心配だから…家から出ないでほしい。」
念押しで言われる。
優しそうなハルの表情と瞳。
僕は笑顔でコクコクと頷く。
ハルは心配そうに僕を見て、出掛けた。
ガチャ…………パタン…
ドアの閉まる音がした。
…
どうしよう
時計は4時を指している。
…忘れ物を取りに来るかもしれないし、だとしたら家を出るのは4時半くらいかな?
「……」
時計を見上げる。
帰ろう……どこに?
女の人のところに?
ハルが探そうとしたら、女の人はすぐ口を割る。
僕はどこに帰ればいいの?
でも貞操帯もつけられてないし、逃げるなら今しか…
前もそうやって…でも…
ハルがまた前みたいに…怖いハルに戻ったら…
…………ガチャ
ロンは玄関の扉を開けた。
…
「残念だよ」
ハルはカフェでイヤホンをし、スマホを見ていた。
スマホの画面には、ロンが外に出て行く映像が映っていた。
ハルは、イヤホンを雑に外し席を立った。
…
ドアを開けた後、大きい庭が広がる。
ロンはそこを、ダッシュで駆け抜けて行った。
「ハア…ハア…」
ずっと家にいたせいか、体力がとても落ちている。
辺りを見渡す。
…広いな
「…どこ行くの?」
黒い笑顔のハルが立っていた。
「あっ、あっ、違っ」
ロンはハルを見て、ガタガタと震え出した。
自分が一人の時、ハルの名前を呼んだのがそんなに嬉しかったのか。
あれ以来お仕置きなどもされず、僕が「嫌だ」とか「やめて」と言ったら、僕を気遣い、やめてくれるようになった。
◇
「ハル…?もうやめるの…?」
ハルはロンのお尻から、自分のをズルッ…と抜いていく。
「ロンはイッたばっかりだから、今俺が動いたら辛いでしょ?」
いつもはそんなこと、お構いなしに続けるのに…
「うん…」
なんで…?
不思議そうな表情でハルを見る。
「なに、考えごと?俺と一緒にいるんだから、俺のこと考えて欲しいなぁ」
優しい顔で、僕の頭を撫でる。
前みたいに、乳首をつねったりなんかしない。
昔の、一番最初のハルに戻ったみたいだった。
それに、ホッと気持ちが落ち着く。
「ロン、好きだよ。」
ハルの優しい言葉が、僕を安心させる。
この前までは、ハルの機嫌ばかりうかがっていたのに…
「おいで、いい子だね。ロンは」
ぬいぐるみにするように、抱きつかれる。
褒められることしかなくなった。
そうして、優しいハルと過ごすのに、慣れきってきた頃だった。
…
「ロン…ちょっと仕事ができて。
行かなきゃならなくなったんだけど……手錠かけていい?」
ハルの手には、前にベッドに繋がれたことのある、見慣れた手錠を持っていた。
僕は内心、凍りつく。
フルフルと、首を振った。
ハルは考える素振りをし、無表情で僕を見つめた。
そしてゆっくりと口を開く。
「分かった。
じゃあ…いい子で家にいてくれる?」
「うん。」
サラッ…と手の甲で愛おしそうに、髪の毛に触れられた。
キスをされる。
「…心配だから…家から出ないでほしい。」
念押しで言われる。
優しそうなハルの表情と瞳。
僕は笑顔でコクコクと頷く。
ハルは心配そうに僕を見て、出掛けた。
ガチャ…………パタン…
ドアの閉まる音がした。
…
どうしよう
時計は4時を指している。
…忘れ物を取りに来るかもしれないし、だとしたら家を出るのは4時半くらいかな?
「……」
時計を見上げる。
帰ろう……どこに?
女の人のところに?
ハルが探そうとしたら、女の人はすぐ口を割る。
僕はどこに帰ればいいの?
でも貞操帯もつけられてないし、逃げるなら今しか…
前もそうやって…でも…
ハルがまた前みたいに…怖いハルに戻ったら…
…………ガチャ
ロンは玄関の扉を開けた。
…
「残念だよ」
ハルはカフェでイヤホンをし、スマホを見ていた。
スマホの画面には、ロンが外に出て行く映像が映っていた。
ハルは、イヤホンを雑に外し席を立った。
…
ドアを開けた後、大きい庭が広がる。
ロンはそこを、ダッシュで駆け抜けて行った。
「ハア…ハア…」
ずっと家にいたせいか、体力がとても落ちている。
辺りを見渡す。
…広いな
「…どこ行くの?」
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「あっ、あっ、違っ」
ロンはハルを見て、ガタガタと震え出した。
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