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モデル
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結論からいうと、記載されていた数字は、ぼくの予想をはるかに上回るものだった。
生涯賃金を大きく超えてるな…とぼっーと思う。
そしてまた、今までぼっ~と生きていた自分とは違い、短期間でこのお金を稼ぐのは、並大抵ではないこともわかっていた。
画面の向こうではずっと笑顔だった裕介。
裏では辞めたいと思っているとは、夢にも思わなかった。
このお金を今から食い潰す気か。
今まで我慢した分と努力の見返りのお金を…………
0がたくさん並んである通帳。
こんなに簡単に通帳を見せていいものなのかと心配になる。
「ソラにしか見せてない」
ぼくの気持ちがわかったのか、すぐそう続ける。
そして……
「それにモデルの仕事は続けるよ。
あれはほとんど笑わなくていいからいい」
通帳をぼくに渡したまま、ソファに座る。
こっちに来なよというように、「ん」と言い裕介はあごで隣を指した。
「引退は…」
「あれはアイドルだけってこと。大袈裟なんだよ。色々」
舌打ちが聞こえてくるようだった。
会社か、記者に言ってるのだろう。
「そうか…」
ホッとした、だいぶ。
ぼくは…裕介の気が済んだら働きに出れるか。
とりあえず、バイト……
「だからソラは働かなくていいよ。ずっと」
顔を傾け笑顔で言うゆうに、ぼくは内心絶句する。
頭の中まで読まれているのか……
「でもいずれ…ずっとそういうわけにはいかないでしょ?」
離れたくなるかもしれないし。
その言葉を隠し言う。
慌てて、めちゃくちゃな公文になってしまった。
「逆に俺が養なってあげるって言ってんのに、働く必要ってあんの?」
「いや、でも…」
大きな圧を感じた。
これ以上言わない方がいいと分かりながらも、開けた口を閉じれなかった。
もうこのころには、裕介の方向を見ていなかった。
……
いつ別れを切り出されるかわからない。
歳をとって、就職も難しい年齢でそうなったら……
男同士で結婚は、この国ではできない。
ゆうに捨てられたら…と考えると、絶望しか見えない。
「もう観念して、俺とずっと居続ける方に頭を方向転換させたら?」
「それは…無理でしょ」
自分にとって深刻な話のため、嘲るように言ってしまった。
ぼくとしては、ありえないと思っている未来だった。
ゆうすけは、ぼくの未来にはいない。
過去に捨てるべきものだった。
ゆうの綺麗な瞳がぼくを見る。
失礼な思考を一旦止め、虚ろな瞳でぼくはゆうを見た。
裕介の静かな怒りを感じた。
なのにこのときぼくはどこか他人事で、ゆうすけに今のことを必死に取り繕う気がなかった。
生涯賃金を大きく超えてるな…とぼっーと思う。
そしてまた、今までぼっ~と生きていた自分とは違い、短期間でこのお金を稼ぐのは、並大抵ではないこともわかっていた。
画面の向こうではずっと笑顔だった裕介。
裏では辞めたいと思っているとは、夢にも思わなかった。
このお金を今から食い潰す気か。
今まで我慢した分と努力の見返りのお金を…………
0がたくさん並んである通帳。
こんなに簡単に通帳を見せていいものなのかと心配になる。
「ソラにしか見せてない」
ぼくの気持ちがわかったのか、すぐそう続ける。
そして……
「それにモデルの仕事は続けるよ。
あれはほとんど笑わなくていいからいい」
通帳をぼくに渡したまま、ソファに座る。
こっちに来なよというように、「ん」と言い裕介はあごで隣を指した。
「引退は…」
「あれはアイドルだけってこと。大袈裟なんだよ。色々」
舌打ちが聞こえてくるようだった。
会社か、記者に言ってるのだろう。
「そうか…」
ホッとした、だいぶ。
ぼくは…裕介の気が済んだら働きに出れるか。
とりあえず、バイト……
「だからソラは働かなくていいよ。ずっと」
顔を傾け笑顔で言うゆうに、ぼくは内心絶句する。
頭の中まで読まれているのか……
「でもいずれ…ずっとそういうわけにはいかないでしょ?」
離れたくなるかもしれないし。
その言葉を隠し言う。
慌てて、めちゃくちゃな公文になってしまった。
「逆に俺が養なってあげるって言ってんのに、働く必要ってあんの?」
「いや、でも…」
大きな圧を感じた。
これ以上言わない方がいいと分かりながらも、開けた口を閉じれなかった。
もうこのころには、裕介の方向を見ていなかった。
……
いつ別れを切り出されるかわからない。
歳をとって、就職も難しい年齢でそうなったら……
男同士で結婚は、この国ではできない。
ゆうに捨てられたら…と考えると、絶望しか見えない。
「もう観念して、俺とずっと居続ける方に頭を方向転換させたら?」
「それは…無理でしょ」
自分にとって深刻な話のため、嘲るように言ってしまった。
ぼくとしては、ありえないと思っている未来だった。
ゆうすけは、ぼくの未来にはいない。
過去に捨てるべきものだった。
ゆうの綺麗な瞳がぼくを見る。
失礼な思考を一旦止め、虚ろな瞳でぼくはゆうを見た。
裕介の静かな怒りを感じた。
なのにこのときぼくはどこか他人事で、ゆうすけに今のことを必死に取り繕う気がなかった。
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