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続
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鋭い瞳は、ぼくを無理やり見透かした。
まるで月の光に照らされたように、ぼくは嘘をつく気持ちが消えていく。
ここにきて、ぼくは切羽詰まったように焦った。
「だから…」
口を開く。
自分でもとても不自然だと思う。
この態度は、嘘を言ってる、と言っているようなものだ。
ソラの黒目が、考えるように上を向く。
「本を…買いにでも行きたいな、って。」
「本を?」
裕介は顔を傾ける。
笑って、面白がっているように見えた。
ぼくは自分のバカさ加減に呆れた。
こんなの誰でも代替えきく用事だ。
「ははッ、なんの本?
俺が買いに行ったあげる。」
ぼくは内心絶望した。
わかっていた、わかっていたはずなんだけど………
「それとも一緒に行く?」
優しそうな声。
罠だと直感が告げる。
馬鹿にされて終わりだと。
「行か…ない」
「ほんとに?」
ケラケラ笑っている裕介。
腹が立ち過ぎてソラは固まる。
綺麗な顔も、ここまでくるとムカついてくる。
「一緒に行きたいのか?ゆうは。」
挑発するような言い方で言ってみる。
「うん。」と言う裕介。
ぼくは面食らった。
今の受け答えは、とっても無邪気だった。
「…なんで?」
「なんでって…1人で行くと逃げようとするでしょ。
だからだけど。」
あっけらかんとして言う。
ソラはすごい目をして、固まった。
俺はまた笑いそうになった。
「そんな簡単に逃すと思う?
それとも俺がそんなバカだと?」
近くに寄る。
ソラの腕を掴んだまま、話す。
家の中で鬼ごっこが始まっても面倒くさいからだ。
「どこまで…許してくれるかと」
「ソラ、監禁すると言ったけど、一緒なら行ってもいい。
でもソラなら僕と歩くぐらいなら逃げると思うけど……」
固まったままのソラ。
裕介は、次の言葉を探した。
「今は俺の話題で賑わっている。
行くとしても今度にした方がいい。
すぐに収まる」
無関心な態度でそう言った。
だが、そうそうこの話題は収まらなかった。
……
まるで月の光に照らされたように、ぼくは嘘をつく気持ちが消えていく。
ここにきて、ぼくは切羽詰まったように焦った。
「だから…」
口を開く。
自分でもとても不自然だと思う。
この態度は、嘘を言ってる、と言っているようなものだ。
ソラの黒目が、考えるように上を向く。
「本を…買いにでも行きたいな、って。」
「本を?」
裕介は顔を傾ける。
笑って、面白がっているように見えた。
ぼくは自分のバカさ加減に呆れた。
こんなの誰でも代替えきく用事だ。
「ははッ、なんの本?
俺が買いに行ったあげる。」
ぼくは内心絶望した。
わかっていた、わかっていたはずなんだけど………
「それとも一緒に行く?」
優しそうな声。
罠だと直感が告げる。
馬鹿にされて終わりだと。
「行か…ない」
「ほんとに?」
ケラケラ笑っている裕介。
腹が立ち過ぎてソラは固まる。
綺麗な顔も、ここまでくるとムカついてくる。
「一緒に行きたいのか?ゆうは。」
挑発するような言い方で言ってみる。
「うん。」と言う裕介。
ぼくは面食らった。
今の受け答えは、とっても無邪気だった。
「…なんで?」
「なんでって…1人で行くと逃げようとするでしょ。
だからだけど。」
あっけらかんとして言う。
ソラはすごい目をして、固まった。
俺はまた笑いそうになった。
「そんな簡単に逃すと思う?
それとも俺がそんなバカだと?」
近くに寄る。
ソラの腕を掴んだまま、話す。
家の中で鬼ごっこが始まっても面倒くさいからだ。
「どこまで…許してくれるかと」
「ソラ、監禁すると言ったけど、一緒なら行ってもいい。
でもソラなら僕と歩くぐらいなら逃げると思うけど……」
固まったままのソラ。
裕介は、次の言葉を探した。
「今は俺の話題で賑わっている。
行くとしても今度にした方がいい。
すぐに収まる」
無関心な態度でそう言った。
だが、そうそうこの話題は収まらなかった。
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