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4お互い素直じゃない
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肩を軽く押す。
ゆっくり離れてくれた。
だがゆうの黒い瞳と、泣いて赤くなったソラの瞳が交わりあう。
ここにいると確かめるように、また口づけをされた。
今度は、深く
くるし…
今度は、生理的な涙がポロポロ落ちた。
反対に、目を閉じてるゆうは、ゆっくりと目を開けた。
苦しんでいるのは予想通りだったのか、ゆうの冷静な瞳は、ぼくの泣いてる顔をジッと見た。
「ゔゔあ……も…やだ」
目から大粒の涙があふれる。
おれはなんとか引き剥がそうと、裕介の身体を押した。
「離…れて…くれ」
裕介の方は、離れる気はまったくないみたいだった。
キスを繰り返す、頬に触れる。
「ゆ…」
髪の毛を、大きな手に撫でられた。
ソラが固まった。
結構強い力で押してるのに、ビクともしない現状にゾッとする。
顔を上げた。
裕介は、冷たい表情をしていた。
若干の恐怖を覚え、押すのをやめる。
それに気づいたからか、表情がやわらかくなった。
弱くなった手を優しく握られる。
そして、もう片方の腕を背中に入れられ、ヒョイと起こされた。
落とされるんじゃないかと、裕介の服に抱きつき、その間ゆうの口角は上がっていた。
裕介は片手で布団をひく。
内心怯え、裕介の肩をぎゅっと持った。
布団の上にゆっくり降ろされる。
しゃがみ、さっきと打って変わって優しい瞳で見つめられた。
「そらは僕から逃げられないよ」
落ち着いた声で言われた。
幸せそうな、リラックスした、笑った表情。
恐怖で少し震える。
「どういう…」
自分の疑問も、笑顔で押し潰される。
ニコッと笑う裕介。
「しよっか」
スリッ…と頬に触れられた。
……
薄々気付いていた。
が、気づかないふりをしていた。
抱かれてしまったら、またぶり返す。
裕介を、求める身体が…
「イヤッ、いやッ…!」
布団の上で顔を振り、後ろに後ずさりする。
ゆっくり近づいてくるゆうすけ。
「ん」
キスされる。
「ゔぁ………ゆう」
首をフルフルと振る。
ガタイのいい、肩を掴まれた。
「なにか、言いたいことが?」
ほほえむゆう。
やることは、もう決定事項のようだ。
ソラは唇を噛みしめる。
「さ、い、ご、だ!」
ソラが涙目で睨んでくる。
怖くもなんともない。
逆に可愛いとさえ思った。
ソラの落ちた涙をペロッと舐める。
頬を抑え、ソラはワナワナ震えている。
「わかった。いいよ。最後で」
ほほえみ、暗い瞳で言う裕介。
頬を抑えた顔のまま、ソラは固まり、目を大きく見開いていた。
…やっぱり自分はその程度なんだ、と内心愕然とした。
だけど反対に、ホッとした気持ちもあった。
これで裕介の…邪魔にならないで済む。
ゆっくり離れてくれた。
だがゆうの黒い瞳と、泣いて赤くなったソラの瞳が交わりあう。
ここにいると確かめるように、また口づけをされた。
今度は、深く
くるし…
今度は、生理的な涙がポロポロ落ちた。
反対に、目を閉じてるゆうは、ゆっくりと目を開けた。
苦しんでいるのは予想通りだったのか、ゆうの冷静な瞳は、ぼくの泣いてる顔をジッと見た。
「ゔゔあ……も…やだ」
目から大粒の涙があふれる。
おれはなんとか引き剥がそうと、裕介の身体を押した。
「離…れて…くれ」
裕介の方は、離れる気はまったくないみたいだった。
キスを繰り返す、頬に触れる。
「ゆ…」
髪の毛を、大きな手に撫でられた。
ソラが固まった。
結構強い力で押してるのに、ビクともしない現状にゾッとする。
顔を上げた。
裕介は、冷たい表情をしていた。
若干の恐怖を覚え、押すのをやめる。
それに気づいたからか、表情がやわらかくなった。
弱くなった手を優しく握られる。
そして、もう片方の腕を背中に入れられ、ヒョイと起こされた。
落とされるんじゃないかと、裕介の服に抱きつき、その間ゆうの口角は上がっていた。
裕介は片手で布団をひく。
内心怯え、裕介の肩をぎゅっと持った。
布団の上にゆっくり降ろされる。
しゃがみ、さっきと打って変わって優しい瞳で見つめられた。
「そらは僕から逃げられないよ」
落ち着いた声で言われた。
幸せそうな、リラックスした、笑った表情。
恐怖で少し震える。
「どういう…」
自分の疑問も、笑顔で押し潰される。
ニコッと笑う裕介。
「しよっか」
スリッ…と頬に触れられた。
……
薄々気付いていた。
が、気づかないふりをしていた。
抱かれてしまったら、またぶり返す。
裕介を、求める身体が…
「イヤッ、いやッ…!」
布団の上で顔を振り、後ろに後ずさりする。
ゆっくり近づいてくるゆうすけ。
「ん」
キスされる。
「ゔぁ………ゆう」
首をフルフルと振る。
ガタイのいい、肩を掴まれた。
「なにか、言いたいことが?」
ほほえむゆう。
やることは、もう決定事項のようだ。
ソラは唇を噛みしめる。
「さ、い、ご、だ!」
ソラが涙目で睨んでくる。
怖くもなんともない。
逆に可愛いとさえ思った。
ソラの落ちた涙をペロッと舐める。
頬を抑え、ソラはワナワナ震えている。
「わかった。いいよ。最後で」
ほほえみ、暗い瞳で言う裕介。
頬を抑えた顔のまま、ソラは固まり、目を大きく見開いていた。
…やっぱり自分はその程度なんだ、と内心愕然とした。
だけど反対に、ホッとした気持ちもあった。
これで裕介の…邪魔にならないで済む。
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